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最終更新日:2025年01月31日

女子旅温泉ライター泉よしかが選ぶ!2024年BEST温泉5選 全国

2024年も全国の温泉を取材してまわったニフティ温泉ライターの泉よしかです。
今回は私自身が昨年1年間で最も印象に残った5つの温泉をセレクトしたいと思います。1つ、2つと数えはしますが、その基準が1施設、1温泉地とは限らず、だんだんエリアが広がっていってしまったことについては、どうぞご容赦ください。
いずれにしても良い温泉を選ばせていただきましたので、みなさまのお出かけの参考になれば幸いです。

BEST温泉選定の判断基準

お湯がいいのは前提条件

湯田中温泉 松籟荘の部屋付き露天風呂
まず私自身がなぜその温泉を選んだかの判断基準を述べます。オススメするにあたって、お湯が良いことは第一条件になります。お湯が良いとはどういうことかというと、泉質や鮮度といった温泉そのものが入浴時点で楽しめるかというところ。
加水すれば特徴は薄くなるし、加温やろ過をすれば失われる成分も出てくる、塩素消毒や循環を行えば元の温泉とはずいぶん印象の違うお湯になってしまうことも珍しくありません。源泉掛け流しであっても、引き湯の距離や浴槽への投入量などによっては、うーんとうなってしまうこともあります。はい、あるんです。

とはいえ、温泉ごと施設ごとにやむなき事情もあるはず。このあたりの兼ね合いと妥協しつつ、より良い状況の温泉と出会えればそれは幸甚というもの。

記憶に刻まれる物語性のある温泉

前述のとおりお湯の良さは第一条件として、私が今回セレクトした5温泉は、それぞれに温泉を守ってきた人たちの強い思い入れや物語性があり、私自身の心に強い印象を与えたところばかりです。すなわち、私の心に残った温泉5選です。

2024年BEST温泉5選

正直、順位はそれほど差が無いので気にしないでください。それでは5選を発表させていただきます!

第5位:木賊温泉 井筒屋 / 福島県南会津郡南会津町

木賊温泉 井筒屋 / 福島県南会津郡南会津町
福島県の中でも、南会津というのはなかなか不便な場所で、その中でも木賊温泉(とくさおんせん)はこれまで行きたいと思いつつなかなか2024年まで叶わなかった場所です。
井筒屋は阿賀野川水系の舘岩川に面した秘湯の宿で、日帰り入浴は受け付けていますが、宿泊は現在1日1組のみ。2019年の台風19号で被災し、浴室の建物などは全て流されて作り直したといいます。
「木賊温泉 井筒屋」の男湯
「木賊温泉 井筒屋」の男湯
泉質はほんのりゆで卵のにおいがする単純泉。なんせ1組しか泊まれないので、泊まったら男湯も女湯も貸切で自由に入れます。男湯はなんと浴槽の下で直接お湯が湧いている足元湧出泉。といっても直接湧いているわけではなく、底のパイプを通してお湯が出てきます。
一方、女湯は別源泉ですが、やはり源泉が湧いているのはすぐ近く。女湯の源泉でシャワーのお湯なども賄っています。
※2024年11月に訪問

第4位:湯田中温泉 松籟荘・よろづや / 長野県下高井郡山ノ内町

湯田中温泉 松籟荘
湯田中温泉 松籟荘は2024年にオープンしたまだ新しいラグジュアリー旅館です。1日5組限定、全室に庭園と露天風呂が付いています。お部屋も全てデザイン違い。食事もクオリティが高く手が込んでいます。
しかしこのお宿の神髄は高級さではなく、館主の思い入れの強さを反映していることにあります。

2021年に火災で国の登録有形文化財であった旧松籟荘が焼失してしまったことから、せっかくなら理想の旅館を建てようと、こだわりにこだわり抜いて約3年。完成までにそれだけの時間を掛けました。
そのため何もかも新しくありながら、火災前の松籟荘を知るお客さんに懐かしいと思ってもらえるような旅館にしたといいます。
「湯田中温泉 よろづや」の桃山風呂
「湯田中温泉 よろづや」の桃山風呂
そして松籟荘に宿泊すれば、同経営で道向かいのよろづやのお風呂にも入れます。よろづやの大浴場はこちらも文化財である荘厳な桃山風呂。ナトリウム―塩化物・硫酸塩温泉のお湯は肌に染み入るようです。
※2024年6月に訪問

湯田中温泉 松籟荘とよろづやの詳細については、以下の施設レポートをご参照ください。
湯田中温泉「松籟荘」を宿泊レポート!3年かけて館主が作り上げた理想のラグジュアリー温泉旅館とは

第3位:和の宿 ホテル祖谷温泉 / 徳島県三好市

和の宿 ホテル祖谷温泉
西日本から唯一のランクイン。四国にはそもそも温かい温泉が少ないのですが、その中で祖谷温泉は非加熱で快適に入浴できる非常に貴重な源泉です。お湯もさることながら、専用のケーブルカーで谷底まで下りていくというシチュエーションがユニークで、この体験も含めて忘れられない思い出になります。

「和の宿 ホテル祖谷温泉」の露天風呂「せせらぎの湯」
「和の宿 ホテル祖谷温泉」の露天風呂「せせらぎの湯」
実は祖谷温泉は2023年に初めて訪問したのですが、どうしてももう一度あのお湯に入りたいと2024年にもう一度泊まりに行ったのです。再訪した時にも変わらず、谷間の渓流に張り出すように作られた露天風呂は鮮度の良いお湯があふれていました。
泉質はアルカリ性の単純硫黄泉で、ぬるく、とにかくシルキーな細かいアワが全身を包んでくれます。その気持ち良さったらありません。まさに仙境で湯あみをしている心地です。
※2024年5月に訪問

第2位:奥鬼怒温泉郷 / 栃木県日光市

この辺りからだんだん施設単位ではなく、範囲が広くなってきます。まずは日光市の奥鬼怒温泉郷。ここには「加仁湯」「八丁の湯」「手白澤温泉」「日光澤温泉」と4つの温泉があります。
それぞれが一軒宿の秘湯で、そのうち2軒はバス停からシャトルバスで送迎してもらうこともできますが(宿泊者、あるいは送迎付き日帰りプラン予約者のみ)、残る2軒は歩かないと行けません。
「加仁湯」の女性専用露天風呂
「加仁湯」の女性専用露天風呂
4軒のうち、2024年に訪ねたのは「加仁湯」「手白澤温泉」「日光澤温泉」の3軒。残る「八丁の湯」は2023年に泊まったきりなので、今回は割愛します。

館内に入ってすぐの談話室に、熊の毛皮や剥製が並んだ「加仁湯」は秘境ならではの野趣あふれる旅館。泉質はナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉で、源泉数も多く、白濁したお湯の色も非常に映えます。混浴、女性専用など露天風呂の数がたくさんあるので、日帰りでは入りきれないかも。

「手白澤温泉」の露天風呂
「手白澤温泉」の露天風呂
手白澤温泉は歩かないと行けない宿ではありますが、一方では磨き抜かれた館内もお料理も山の中とは思えないクオリティで、密かに秘境のラグジュアリー温泉と評判の高いところです。
奥鬼怒温泉郷の4軒はそれぞれ犬を飼っていますが、手白澤温泉の川上犬の岳くんは、帰る時に途中までずっと道案内してくれました。なんてお利巧なんでしょう!

「日光澤温泉」の混浴露天風呂
「日光澤温泉」の混浴露天風呂
日光澤温泉は4軒の中では一番素朴で山小屋のような雰囲気です。ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩温泉や含硫黄―ナトリウム・塩化物温泉など源泉は複数あり、白濁しやすいお湯もほぼ透明なお湯もあります。

ここまで来るのは登山客か、本当に温泉が好きな人ばかり。もの寂しいような生き返るような、町中で過ごす日常とは違う時間が味わえます。

※2024年5月に訪問

第1位:米沢八湯 / 山形県米沢市

第2位は4つの温泉だったのに次は8湯ですか!? どんどん増えるじゃないですか!
「五色温泉」の浴室
「五色温泉」の浴室
米沢八湯とは、山形県米沢市に点在する温泉街や秘湯など8つの温泉地を表しています。このうち2024年に訪ねたのは、「五色温泉」「白布温泉」「大平温泉」「滑川温泉」「姥湯温泉」の5湯。
温泉ライターになってから、一番好きな温泉はどこですか?と聞かれる機会が増えたのですが、そういう時にいつも答えていたのが、この米沢八湯の「滑川温泉」。昨年は久しぶりにその「滑川温泉」を始めとする八湯を再訪することができたので、今回はどうしても外すことができなかったのです。

そんな米沢八湯の2023年末から2024年のトピックスといえば、2020年に廃業した「五色温泉 宗川旅館」を買い取って、新オーナーが新たに「五色温泉オートキャンプ場」をオープンさせたことでしょう。ナトリウム・カルシウム―炭酸水素塩・塩化物泉の源泉は以前と変わらず。また日帰り入浴も受け付けています。綺麗なサウナもありますよ。

「白布温泉 西屋」の湯滝風呂
「白布温泉 西屋」の湯滝風呂
一軒宿の多い米沢八湯の中で、「小野川温泉」と並び、複数の温泉宿を有する「白布温泉」。2024年は久しぶりに茅葺屋根の「西屋」に日帰り入浴しました。
泉質はカルシウム―硫酸塩温泉。湯滝風呂はその名の通り、滝のように温泉が落ちてきます。その迫力と湯量の豊富さには驚かされるばかり。木造の浴室の風情にもため息が出ちゃいます。

「大平温泉 滝見屋」の男湯露天風呂
「大平温泉 滝見屋」の男湯露天風呂
米沢八湯の中では、唯一歩かないと行かれない秘湯が「大平温泉」。一軒宿の「滝見屋」までは駐車場から徒歩約15分なのですが、たかが15分と侮るなかれ。とんでもなく急な坂道なのです。
しかし到着すれば極楽三昧。川に面した露天風呂は開放感もばつぐんです。

私が友人と泊まった日は、年に何回もないというたまたま宿泊客が女性のみというラッキーディでした。そのため男湯も女湯も好きなだけ入り放題。最高の思い出ができました。

「滑川温泉 福島屋」の混浴内湯
「滑川温泉 福島屋」の混浴内湯
「滑川温泉 福島屋」は過去に何度か連泊したことがあります。しかし最後に泊まってからずいぶん時間が経ってしまい、もう変わってしまったかもしれないと思いつつ再訪しました。
確かに以前にお湯をためていた小屋があったところは、貸切露天風呂に変わっていました。しかし磨き抜かれた木造の廊下、混浴内湯、半円形の女性用内湯、そして野趣あふれる川沿いの露天風呂など、極上のお湯は今も変わらず。
源泉は複数ありますが、泉質は含硫黄―ナトリウム・カルシウム―炭酸水素塩・硫酸塩泉。色は日によって、あるいはお風呂によって透明、青、乳白色になることもあります。

「姥湯温泉 桝形屋」の薬師の湯(混浴露天風呂)
「姥湯温泉 桝形屋」の薬師の湯(混浴露天風呂)
最後に紹介するのは米沢八湯の中でも、絶景露天風呂の名をほしいままにする秘湯「姥湯温泉 桝形屋」。過去に何度か日帰りしたことはありましたが、2024年は初めて宿泊してゆっくり入りました。
硫化水素臭のする酸性泉にして硫黄泉。お湯の色も景観もこの世のものとも思えないインパクト。温泉って本当に素晴らしいなぁと改めて実感する滞在となりました。

※2024年7月に訪問

番外編:温湯温泉 佐藤旅館 / 宮城県栗原市

「温湯温泉 佐藤旅館」
「温湯温泉 佐藤旅館」の昔は混浴だった浴室(今は男女入れ替え制)
すみません。5選で終わりにするはずだったのですが、編集部に5選を連絡した後の年末12月21日に、どうしても推薦したい温泉と出会ってしまったので、番外編として紹介します。

それは宮城県の「温湯温泉 佐藤旅館」。
2008年の岩手・宮城内陸地震、2011年の東日本大震災で壊滅的な被害を受けて廃業しかけていたこの宿を、たまたま地域おこし協力隊で現地に赴いた方(現在のご主人)が跡を引き継ぎ、2021年に復活させたという奇跡のような秘湯です。
度重なる震災でも、主屋の骨組みなどがびくともしなかったのが幸いだったのでしょう。現在は一人泊も受け入れていて、じりじりと人気が上がっています。泉質はナトリウム―塩化物泉で、加温加水無しのお湯がたっぷり湯舟を満たしています。
※2024年12月に訪問

※記事に使用している画像は、全て取材で許可を得て筆者が撮影させてもらったものです。

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泉 よしか
泉 よしか

女子目線温泉ライター。温泉ソムリエマスター。女性を甘やかしてくれる豪華な温泉も好きですが、お湯の他にはなんにもない温泉も好きです。

温泉ソムリエマスター,温泉観光実践士,サウナスパ健康アドバイザー,銭湯検定4級

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