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九州の超名湯「湯川内温泉 かじか荘」が2025年春復活予定!再出発への“今後”をレポート【鹿児島】 鹿児島

「湯川内温泉 かじか荘」(鹿児島県出水市)は、九州を代表する超名湯のひとつ。遠隔地ながらも全国から多くの温泉ファンが訪れ、愛される存在でした。その後2024年7月に一般社団法人純温泉協会が購入しましたが、同年8月の台風豪雨により建物および温泉に甚大な被害が発生。再スタートが大幅に遅れる事態となりました。
その後、ボランティアなどの支援を受け、復興は着実に進行中。2025年4月頃の再営業(日帰り入浴)を目標に急ピッチで作業が進んでいます。

今回、地元九州の温泉ライターである筆者が現地訪問。『再出発への“今後”』と題し、「湯川内温泉 かじか荘」の現状や今までとの変更点(予定)などを詳細レポートします!

※2025年3月末時点での最新情報を新たに追加しました!

「湯川内温泉 かじか荘」とは

「湯川内温泉 かじか荘」(読み方:ゆがわち・ゆがわうち)は、九州新幹線出水駅から車で15分ほどの山間にある一軒宿。発見されたのは江戸時代の1754年。当初は島津家御用達の温泉として利用されてきました。明治時代以降は一般に開放されるようになり、以後は湯治場として多くの人々に愛され続けてきました。
※以下、「かじか荘」と略します。
 
かじか荘外観。2009年撮影
かじか荘外観。2009年撮影
 
かじか荘最大の特色が足元湧出温泉である点でしょう。「下の湯」と「上の湯」という2箇所の浴室があり、そのいずれもが足元湧出温泉です。足元湧出温泉は全国的にも大変貴重な湧出形態であり、温泉通から“究極の温泉”と言われています。
※足元湧出温泉とは、温泉が地下から自然の力で湧出し、その湧出した場所で入浴できる温泉のこと。

実際にお湯に浸かると、湯船の底から気泡を伴いながら温泉が常時自然湧出していることが分かります。まさに温泉が大地からの贈り物であることを実感し、温泉の神様への感謝の気持ちさえも芽生えてきます。
 
かつての「下の湯」の男性浴室。2022年撮影
かつての「下の湯」の男性浴室。2022年撮影
 
泉質名は「アルカリ性単純温泉」。温度は体温よりも若干高めの38~39度程で、じっくりと長湯できる点が特徴です。生まれたての湧水の様に透き通ったお湯は、独特のまろやかな肌触りが魅力。まるで上質の羽毛布団にくるまれたかの様な安心感に浸れます。
 
また、硫黄由来のゆで卵の様な湯の香りも魅力。浸かり続けると、ゆったりとした至福のひとときへと導かれるでしょう。
 
 「上の湯」の男性浴室。2018年撮影
「上の湯」の男性浴室。2018年撮影
 
このように、かじか荘の温泉は必要十分な湧出量の足元湧出温泉である上、源泉温度が40度弱であることから、加水も加温も消毒も全く必要のない“究極の生源泉100%かけ流し”を実現しています。
 
中には、“かじか荘こそが日本一の温泉!”と断言する温泉通もいるほど。日本全国の温泉をめぐり続ける筆者自身も、“九州温泉界の至宝”だと信じて疑いません。まさに九州を代表する超名湯と言えるでしょう。

「湯川内温泉 かじか荘」の現状

このように、全国の多くの温泉ファンに愛され続けた「かじか荘」ですが、2023年9月に建物の老朽化などの理由で閉館しました。しかし、最高峰の温泉とも言っても過言では無い「かじか荘」を絶やしてはならぬとの思いから、2024年7月に一般社団法人純温泉協会が購入。再出発に向けて整備をしていました。
 
しかし、2024年8月29日に通過した台風10号の影響により、建物および温泉に甚大な被害が発生下の湯の浴室に土石流が侵入して男女浴室の仕切りが崩壊した上、浴室が完全に石や土砂で埋まってしまいました。
 
被災直後の下の湯の男女浴室
被災直後の下の湯の男女浴室。画像提供:一般社団法人純温泉協会
 
また、以前の宿泊棟も床上浸水。こちらも建物として使用が困難な状態になりました。
 
床上浸水した宿泊棟1階部分
床上浸水した宿泊棟1階部分。画像提供:一般社団法人純温泉協会
 
その後は、復興支援金(寄付)・ボランティア・自治体などの協力を受けながら、徐々に復興は進行。2024年12月現在、下の湯の土砂・石は完全に除去され、浴室や脱衣室を一般客が利用できるようリフォーム工事中です。
 
復旧中の下の湯
復旧中の下の湯。湯を抜いた状態ですが足元湧出温泉のために一定の湯は湯船に残ります。2024年12月撮影

2025年春を目標に再スタート予定!以前との変更点は!?

この様に復活には多くの課題がありますが、2025年春(4月頃)を目標に再オープンが予定されています。旅館棟も大きな被害を受けていることあり、まずは日帰り入浴施設としての営業となります。
 
純温泉協会山口代表自ら復旧作業を実施
純温泉協会山口代表自ら復旧作業を実施。2024年12月撮影。画像提供:一般社団法人純温泉協会
 
以前との大きな変更点は、以下の通りです。
1.下の湯の男女仕切り壁を設けない点。
2.下の湯と上の湯が男女日替わり交代で利用するようになる点。
★2025年3月追記:下の湯と上の湯の男女交代は日替わりでなく、一日の中での時間帯で交代することも視野に入れて検討中です。

下の湯は仕切りが無くなるために以前の2倍の大きさの浴槽になりますが、湯船の底に設けるスノコに段差を付け、様々な深さの湯船で入浴できるようになるとのことです。
 
下の湯のスノコ取付状況
下の湯のスノコ取付状況。2025年1月撮影。画像提供:一般社団法人純温泉協会
 
一方で、上の湯は台風被害を免れました。現在も閉館以前と全く変わらず、湯船の底からコンコンと温泉が湧き続けています。
 
上の湯の旧男性浴室
上の湯の旧男性浴室。2024年12月撮影

上の湯の旧女性浴室
上の湯の旧女性浴室。2024年12月撮影
 
再オープン後は下の湯と上の湯との日替わり男女入替制になるので、旧男性浴室と旧女性浴室は同時に利用可能となります。

また上の湯の場合、足元湧出量は旧男性浴室の方が比較的多い傾向にあり、旧男性浴室と旧女性浴室の入り比べができる点も温泉ファンには見逃せないでしょう。
 
上の湯の旧男性浴室にある湯口
上の湯の旧男性浴室にある湯口。この湯も動力不使用の自噴源泉です。2024年12月撮影
 
休憩室も追々リニューアル予定ですが、まずは浴室の復旧最優先とのことで、当面は温泉のみ浸かる施設として再オープンする予定です。

かじか荘の再オープン時期や内容は、あくまで予定です。内容が変更となる場合があります。

★速報:4月オープン予定!かじか荘最新の様子をお届け

 今回筆者は3月下旬にかじか荘へ再訪問し、最新の現状を確認して来ました。 
下の湯
下の湯。2025年3月撮影
 
今回甚大な被害にあった下の湯は、浴室としてはほぼ復旧完了しています。男女の仕切り壁が無い分、むしろ以前よりも浴室が広々とし風格が増したようにも感じられます。
 
下の湯の足元湧出状況
下の湯の足元湧出状況。2025年3月撮影
 
以前からの温泉ファンならば、やっぱりお湯の状態が気になりますよね!? しかしその点においては心配ありません。源泉は被災前と全く変わらず、浴槽の下からプクリプクリと自然湧出しています!
 
下の湯のメイン脱衣室
下の湯のメイン脱衣室。2025年3月撮影
 
下の湯のメイン入口及び脱衣室は、旧女性浴室のものを改装しています。床板は水分に強い桧のスノコを新たに設置。天然の木材なので素足に優しい感触です。また、旧男性浴室の入口・脱衣室は縮小されつつも残されています。
 
上の湯の旧女性浴室側の様子
上の湯の旧女性浴室側の様子。2025年3月撮影
 
上の湯はお風呂自体は以前と変わりないですが、老朽化していた屋根を部分的に補強・取り替えられました。また、屋根の素材を一部透明の材質のものに貼り替えたせいか、以前よりも明るい浴室の印象です。
 
なお前にも申しましたが、当初リニューアル前の予定であった下の湯と上の湯の男女交代は、日替わり交代になるのか一日の中での時間帯で交代するのかを最終調整中です。

 
工事中の受付
工事中の受付。ちなみに床板は純温泉協会山口代表自ら手作業で施工。2025年3月撮影

このように、2025年3月現在で浴室はほぼ完成していますが、入浴客を受け入れる動線や細かい備品などは急ピッチで整備を進めている状況です。
 
今回のリニューアルは一部プロの職人に頼んだ部分もありますが、多くがボランティアによって再生されました。“新生”かじか荘は、良い意味で手作り感たっぷりの日帰り入浴施設として生まれ変わるでしょう!
 
かじか荘
“九州の超名湯”と呼ばれるかじか荘の再オープンまで、あと少し!
 
なお、湯川内温泉「かじか荘」のオープン日が仮決定しました! ゴールデンウィーク初日である2025年4月26日(土)にオープン予定です。なお、営業時間・定休日・入浴料金は最終調整中です。
※オープン日は変更になる場合があります。

純温泉協会 山口会長から読者の皆様へメッセージ

最後になりますが、一般社団法人純温泉協会 山口会長から読者の皆様へメッセージを頂戴しましたので、以下に添えます。

一般社団法人純温泉協会 山口会長
一般社団法人純温泉協会 山口会長

このような記事を掲載して頂き、誠にありがとうございます。

湯川内温泉かじか荘は、日本屈指のお宝温泉のひとつだと思っております。そのため、ここは守りたい、という思いで所有させて頂く事にしました。
 
しかし、所有して1か月半で台風により被災。お先真っ暗になりましたが、多くの方々の支援により、徐々にではございますが復旧しております。有り難いとしか言いようがございません。
 
2025年の春頃には日帰り温泉として再開出来ればと思っております。
そして、全国、いや世界中の皆様にぜひお越し頂き、新鮮な温泉ならではの心地よさを感じて頂きたいと思っております。
 
皆様、どうぞよろしくお願いいたします。
純温泉協会 公式サイト

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権丈 俊宏
権丈 俊宏

良質の温泉を求め、全国を旅すること20数年。特技は、自らの五感を駆使したオリジナルの泉質分析。“温泉は数より質”がポリシー。一級建築士。

温泉マイスター,サウナ・スパ健康アドバイザー,一級建築士,ソニー・イメージング・プロ・サポート会員

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