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温泉の種類とは?効能の違いや代表的な温泉地、悩み別の選び方を解説 全国

温泉の種類には、「美人の湯」や「熱の湯」などのように、成分や効能が異なるさまざまな泉質があります。この記事では、多種多様な温泉を分類する方法を解説するほか、温泉水の成分により10種類に分けられる泉質について、それぞれの特徴と効能、代表的な温泉地をご紹介。

冷え性や肌荒れなど、温泉で改善したいお悩み別にオススメの泉質も取り上げます!

温泉の種類と分類

温泉の種類と分類
温泉は、環境省が定める「鉱泉分析法指針」に基づき、泉質や泉温、液性、浸透圧の違いによって分類されます。まずはそれぞれの違いについて、詳しく見ていきましょう。

泉質による分類

温泉の種類を泉質で分類する場合、温泉水1kgに含まれる物質の種類と量によって種類が分けられます。
現在は全部で10種類の泉質があり、次のように大きく3つのグループに分類されます。

■単純温泉
温泉水1kgに含まれる物質(ガス性のものを除く)が1,000mgに満たない温泉で、泉温が25℃以上のもの
【泉質名】単純温泉

■塩類泉
温泉水1kgに含まれる物質(ガス性のものを除く)が1,000mg以上ある温泉で、陰イオンの主成分により分類されるもの
【泉質名(陰イオンの主成分)】塩化物泉(塩化物イオン)、炭酸水素塩泉(炭酸水素イオン)、硫酸塩泉(硫酸イオン)

■特殊成分を含む温泉
遊離二酸化炭素、総鉄イオン、水素イオン、よう化物イオン、総硫黄、ラドンのいずれかを、規定された限界値以上含むもの
【泉質名】二酸化炭素泉含鉄泉酸性泉含よう素泉硫黄泉放射能泉

泉温による分類

温泉の種類を泉温によって分類する場合、温泉水が地上に湧き出したとき、または源泉から採取されたときの水温で種類を分けます。
25℃以上ある場合は「温泉」、25℃未満のときは「冷鉱泉」と呼ばれ、温泉はさらに以下の3種類に分類されます。

・25℃以上34℃未満:低温泉
・34℃以上42℃未満:温泉
・42℃以上:高温泉

液性による分類

温泉の種類を液性によって分類する場合、温泉水のpH値によって5種類に分けられます。

pH3未満:酸性
pH3以上6未満:弱酸性
pH6以上7.5未満:中性
pH7.5以上8.5未満:弱アルカリ性
pH8.5以上:アルカリ性

酸性度が高い温泉はピリピリとした感触で殺菌力があり、アルカリ度が高い温泉はトロトロとした感触で美肌効果があるとされています。

浸透圧による分類

温泉の種類を浸透圧によって分類する場合、温泉水が体に吸収されやすいかどうかで、3つの種類に分けられます。

温泉水1kgに含まれる物質の含有量が、人の体液と同程度の浸透圧となる8~10gの「等張性」を基準に、低いもの(8g未満)を「低張性」、高いもの(10g以上)を「高張性」とします。

低張性の温泉は水分が体に入りやすく、入浴すると指先にシワが出るなど体がふやけやすくなります。逆に、高張性の温泉では水分が体から出て温泉成分を体内に取り込みやすくなる一方で、湯あたりや脱水に注意が必要です。

泉質ごとの特徴・泉質別適応症と代表的な温泉地

泉質ごとの特徴・効能と代表的な温泉地
温泉水に含まれる成分によって、10種類に分けられる温泉の泉質。
それぞれについて、特徴や効能、代表的な温泉地を紹介します。

単純温泉

単純温泉は、日本で最も多い泉質。肌触りがやわらかで刺激が少ないため、子どもからお年寄りまで誰もが入りやすい温泉です。
pH8.5以上の単純温泉は「アルカリ性単純温泉」と呼ばれ、肌がスベスベになることから「美肌の湯」と称されることもあります。

■泉質別適応症
[浴用]自律神経不安定症、不眠症、うつ状態

■単純温泉を楽しめる代表的な温泉地
カルルス温泉(北海道)、由布院温泉(大分県)、道後温泉(愛媛県)

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単純温泉10選!“単純でない”その魅力を徹底解説【全国版】

塩化物泉

塩化物泉は、塩分が主成分で、海水の成分に似た組成の温泉。日本各地で多くみられる泉質です。入浴すると肌に付着した塩分が汗の蒸発を抑制し保温効果を高めるため、湯冷めしにくく「熱の湯」と呼ばれることもあります。
飲用では塩味があり、塩分やマグネシウムの濃度によっては苦みを感じることがあります。

■泉質別適応症
[浴用]きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
[飲用]萎縮性胃炎、便秘

■塩化物泉を楽しめる代表的な温泉地
秋保温泉(宮城県)、城崎温泉(兵庫県)、指宿温泉(鹿児島県)

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塩化物泉(食塩泉)10選!北海道~九州まで極上温泉を厳選【全国版】

炭酸水素塩泉

炭酸水素塩泉は、主成分に炭酸水素イオンを含む温泉です。アルカリ性で皮膚の角質をやわらかくする作用があり、入浴後の肌がなめらかになるのが特徴です。「美人の湯」と呼ばれることもあります。

■適応症
[浴用]きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
[飲用]胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)

■炭酸水素塩泉を楽しめる代表的な温泉地
湯村温泉(山梨県)、鳴子温泉(宮城県)、嬉野温泉(佐賀県)

ニフティ温泉で特におすすめの炭酸水素塩泉を特集したこちらの記事も、ぜひお読みください!
炭酸水素塩泉10選!北海道~九州まで極上温泉を厳選【全国版】

硫酸塩泉

硫酸塩泉は、主成分に硫酸イオンを含む温泉。血液中に酸素を多く送る作用があり、保温や動脈硬化予防に効果があるとされています。古来から「傷の湯」と呼ばれることも。
飲用すると苦みがありますが、胆のうを収縮させたり、腸のぜん動を活発にしたりといった作用があります。

■泉質別適応症
[浴用]きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
[飲用]胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘

■硫酸塩泉を楽しめる代表的な温泉地
芦ノ牧温泉(福島県)、河口湖温泉(山梨県)、玉造温泉(島根県)

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二酸化炭素泉

二酸化炭素泉は、温泉水1kg中に二酸化炭素を1,000mg以上含む温泉です。日本では比較的珍しい泉質で、入浴すると体に炭酸の気泡が付くことから「泡の湯」「ラムネの湯」とも呼ばれることも。体に付いた炭酸ガスが皮膚から吸収されることで、保温効果や血行促進効果が高まるとされています。
飲用では、炭酸ならではのシュワシュワとした爽快感を楽しめます。

■泉質別適応症
[浴用]きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
[飲用]胃腸機能低下

■二酸化炭素泉を楽しめる代表的な温泉地
有馬温泉(兵庫県)、別府温泉郷(大分県)

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含鉄泉

含鉄泉は、温泉水1kg中に鉄(II)イオン、鉄(III)イオンを合計20mg以上含む温泉。湧出直後は無色ながら、空気に触れると温泉水中の鉄分が酸化して赤褐色や金色に変わる場合があります。
飲用で鉄分を補給できますが、飲泉直後にタンニンを含むお茶やコーヒーを摂取すると、鉄分と結合して歯や口内が黒くなることがあります。

■泉質別適応症
[飲用]鉄欠乏性貧血

■含鉄泉を楽しめる代表的な温泉地
有馬温泉(兵庫県)、長良川温泉(岐阜県)

酸性泉

酸性泉は、温泉水1kg中に水素イオンが1mg以上含まれる温泉。日本各地にみられる泉質で、殺菌力が強く「直しの湯」「仕上げの湯」とも呼ばれます。酸性度が高い場合は肌にしみることがあるため、敏感肌や肌が弱い人は入浴後に真水で洗い流すとよいでしょう。
飲泉すると、酸味を感じられます。

■泉質別適応症
[浴用]アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症、耐糖能異常(糖尿病)

■酸性泉を楽しめる代表的な温泉地
新玉川温泉(秋田県)、岳温泉(福島県)、草津温泉(群馬県)

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含よう素泉

含よう素泉は、温泉水1kg中によう化物イオンが10mg以上含まれる温泉。非火山性の温泉に多い泉質で、湯色は茶褐色が一般的です。強めの殺菌作用があり、体内の代謝や内臓の働きを促進します。
飲泉すると独特の苦みを感じられます。総コレステロールを抑制する効果が期待できますが、甲状腺機能亢進症がある場合は注意が必要です。

■泉質別適応症
[飲用]高コレステロール血症

■含よう素泉を楽しめる代表的な温泉地
強首(こわくび)温泉(秋田県)、前野原温泉(東京都)

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硫黄泉

硫黄泉は、温泉水1kg中に総硫黄が2mg以上含まれる温泉。日本でよくみられる泉質で、硫黄型と硫化水素型に分類されます。殺菌力が強く、角質をやわらかく溶かす作用もあるため、ニキビや吹き出物などの肌トラブルを解消し、美肌効果をもたらすとされています。
茹で卵のような独特のにおいで知られる硫化水素型は、有毒のため換気が必須。硫黄には金属を腐食させる作用もあるので、アクセサリー類も要注意です。

■泉質別適応症
[浴用]アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症、(硫化水素型)末梢循環障害
[飲用]耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症

■硫黄泉を楽しめる代表的な温泉地
草津温泉(群馬県)、奥日光湯元温泉(栃木県)、雲仙温泉(長崎県)

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白濁硫黄泉10選!香しきゆで卵の香りに癒されよう【全国版】

放射能泉

放射能泉は、温泉水中にごく微量のラドンを含む温泉。「ラドン泉」「ラジウム泉」などと呼ばれることもあります。レントゲンなどよりもはるかに少ない放射線量で、免疫力の向上や炎症に効果的とされています。

■泉質別適応症
[浴用]高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など

■放射能泉を楽しめる代表的な温泉地
三朝温泉(鳥取県)、玉名温泉(熊本県)、湯の山温泉(三重県)

放射能泉についてより詳しくは、こちらの記事もお読みください!
ニフティ温泉で特におすすめの放射能泉も紹介しています。
ラドン温泉とラジウム温泉の違いとは?効能・入り方と実際に入れる温泉施設を紹介

体の悩み別おすすめの温泉の種類

体の悩み別おすすめの温泉の種類
胃腸機能の低下や冷え性、肌荒れの改善に最適な泉質をピックアップしました!

胃腸が弱っている場合に利用したい温泉の種類

実は、10の泉質すべてで胃腸機能への作用が期待できるのですが、特に注目されているのが塩化物泉炭酸水素塩泉硫酸塩泉。この3泉質なら、温泉水を飲む「飲泉」で、体の内側から胃腸にやさしく働きかけるとされています。
※飲泉は飲用許可のある施設に限られます。

炭酸水素塩泉は、特に胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎の症状を抱える方に好まれており、硫酸塩泉は、胃腸のぜん動運動を促す作用があるとされ、便通を整える目的でも利用されることがあります。

飲泉の効果や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひお読みください!
飲泉とは?効果や注意点、おすすめの飲泉できる温泉を紹介!

冷え性の改善で利用したい温泉の種類

冷え性の改善には、塩化物泉含鉄泉二酸化炭素泉硫黄泉がおすすめです。

塩化物泉は「熱の湯」とも呼ばれるとおり、温泉に含まれる塩分が肌を覆って保温するだけでなく、保湿効果も期待できます。含鉄泉も保温・保湿効果が高いとされています。
二酸化炭素泉硫黄泉には末梢血管を広げて血流を促す作用があるとされ、冷え性に悩む方に適した泉質とされています。

冷え性を改善するためのヒントや、おすすめのスポットを紹介しているこちらの記事も、参考にしてみてください!
冷え性改善のススメ!つらい手足の冷え改善に効果が期待できる方法まとめ

肌荒れの改善で利用したい温泉の種類

肌荒れの改善におすすめの泉質は、硫酸塩泉炭酸水素塩泉酸性泉硫黄泉

硫酸塩泉は高い保温・保湿効果に加えて、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を助ける働きがあるとされます。炭酸水素塩泉は、不要な角質や皮脂の汚れを洗い流し、肌表面をなめらかに整える効果が期待できます。

どちらの泉質でも、「カルシウムー硫酸塩泉」のように泉質名に「カルシウムー」や「マグネシウムー」が付く場合には鎮静作用があるとされ、肌の炎症を和らげる目的で利用されることもあります。

酸性泉には強い殺菌作用があるとされ、肌表面の細菌やウイルスの繁殖を抑える目的で利用されることがあります。「皮膚の感染症」や「アトピー性皮膚炎の炎症」「尋常性乾癬」「表皮化膿症」などへの泉質別適応症にも挙げられています。

硫黄泉も殺菌作用があるとされ、シミの原因となるメラニンの分解を助ける作用があるといわれています。硫化水素型は代謝を促進するとされ、肌のターンオーバーにも好影響が期待できます。

こちらの記事では、美肌効果が期待できる泉質を詳しく解説しています。ぜひお読みください!
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温泉の特徴を知って目的に合う温泉を楽しみましょう

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温泉の分類方法や10種類の泉質、お悩み別におすすめの泉質についてご紹介しました。次の温泉旅の行き先には、効能が気になる泉質の温泉地を選んでみてはいかがでしょう。温泉効果がより実感でき、満足度の高い体験になりそうですね!

※本記事の内容は、温泉法に基づく泉質別適応症など公的な情報を参考にしていますが、感じ方や効果には個人差があります。体調や症状によっては医師の指導のもとでの利用をおすすめします。
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この記事を書いたライター
タツエダコ
タツエダコ

関東在住ライター。万年コリコリの首と肩をほぐしてくれる温泉でのひととき(と、その後の一杯)を楽しみに、日々を過ごしています。真冬の寒い夜に、露天風呂で長湯するのが好きです。

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