最終更新日:2024年08月31日
安い温泉15選!日帰り入浴200円以下で名湯・極上湯が堪能できる温泉施設を厳選【全国版】 全国
世界屈指の温泉大国である日本。古くから様々な形で温泉が利用され続けてきました。中には地元住民が普段入浴する共同浴場を低料金で一般開放したり、温泉地振興などの目的で無料開放する温泉も存在します。
今回は筆者が過去入浴した中から、入浴料200円以下で日帰り入浴できる温泉施設を15ヶ所ご紹介。源泉かけ流しと泉質にもこだわり、王道の名湯から穴場の極上湯まで幅広くセレクトしました。また、安い温泉が温泉通に好まれる理由も併せて解説します。
今回は筆者が過去入浴した中から、入浴料200円以下で日帰り入浴できる温泉施設を15ヶ所ご紹介。源泉かけ流しと泉質にもこだわり、王道の名湯から穴場の極上湯まで幅広くセレクトしました。また、安い温泉が温泉通に好まれる理由も併せて解説します。
温泉通に“安い温泉”が好まれる理由
安い温泉の一般的傾向
入浴料が100円とか200円もしくは無料など極端に低価格の温泉は、一概には言えないものの、大きく分けると2つのパターンがみられます。
一つは、古い温泉地では多い共同浴場。これは主として地元住民の普段の生活のために設けられたお風呂で、総じて低価格で入浴できます。中には「地元専用浴場」といって、当温泉の組合員しか入浴できないものもありますが、外来客も入浴可能な共同浴場もあります。
湯の鶴温泉「きくの湯」(熊本県水俣市)。外来客も入浴可能な共同浴場です。
二つ目は、自治体や温泉地関係者が地域振興等を目的に造った温泉です。このパターンは、温泉街中心部など比較的目立つ場所にあることが多いです。一方でルール違反などの問題で、全身入浴可能な施設から足湯に変更になるケース※も見受けられます。
※事例として、下呂温泉「噴泉池」(岐阜県下呂市)や四万温泉「山口川音の足湯」(群馬県中之条町)などがあります。
三朝温泉「河原風呂」(鳥取県三朝町)。温泉街中心部にある無料露天風呂です。
上記のような地域性があるため、極端に安価な温泉施設は全国どこでもある訳でなく、その数は地方によって偏りがあります。共同湯文化が古くから根付いた九州・信州・東北地方などは、安価な共同浴場が各所に点在。また無料開放温泉についてはマナー等の理由から、大都市圏に近い温泉地では比較的少ない(もしくは閉鎖される)傾向にあります。
温泉は“安かろう良かろう”が通の間で常識!?
一方で、温泉通は入浴料が安い温泉を好む傾向にあります。“安かろう悪かろう”といった他のジャンルと異なり、“温泉は安い方が良い※”と断言する温泉通もいるほど。それは単に金額が安いだけでなく、以下の様な理由のためです。
※もちろん金額が高くても良い温泉は沢山あります。
あつみ温泉「湯之里公衆浴場」(山形県鶴岡市)。入浴料200円。
1.源泉がそのままかけ流されているケースが多い。
人が入浴する温度(概ね40度)以上の温泉が湧く地域では、源泉をそのままかけ流しているケースが多いです。そういった施設はお湯を沸かす・循環させる必要が無いため、結果として低コストで運営可能。つまり安い温泉は、源泉かけ流しである確率が高いのです。
2.古くからある共同浴場は、その地を代表する源泉が使用されるケースが多い。
温泉が湧き出してきたところに湯小屋が建てられ、そこが地元の人々が集まる共同浴場になったケースが、全国各地の温泉地では数多く見られます。
一概には言えないものの、低価格の共同浴場はその温泉地で最も代表的な源泉が使用されている場合も多く、温泉通に好まれる傾向にあります。
野沢温泉 共同浴場「大湯」(長野県野沢温泉村)。野沢温泉では13ヶ所の共同浴場が寸志で利用可。
筆者は初めて行く温泉地で共同浴場がある場合、ホテルや旅館の風呂ではなく、まずは共同浴場へ行くケースが多いです。あくまで確率論ですが、その地を代表する温泉に出会える可能性が高いからです。
入浴料無料~200円以下で入浴できる温泉施設15選
では、入浴料無料~200円以下で入浴できる温泉施設を一挙ご紹介します!
※入浴料金・営業時間は2024年8月現在の情報です。時期により変更や廃止となる場合もありますので、お出かけの際はご注意ください。
コタン温泉 / 北海道弟子屈町:無料
「屈斜路湖(くっしゃろこ)」は、全域が阿寒摩周国立公園内に属する観光地。また有名な「砂湯」をはじめ、湖畔沿いには各所で温泉が自噴する温泉密集地帯でもあります。
絶景インフィニティ温泉で知られる「コタン温泉」
「コタン温泉」は屈斜路湖湖畔に佇み、絶景インフィニティ温泉として有名な存在。混浴露天風呂ですが男女別の脱衣所は完備され、中央の大きな岩が自然と湯船の仕切りとなっています。泉質名は「ナトリウム-炭酸水素塩泉」。ほんのり石油の様な香り(アブラ臭)が漂い、ロケーションと泉質双方を楽しめる名湯です。
■日帰り入浴時間:24時間可能 ※火・金曜日の8時~16時は清掃のため入浴不可
吹上温泉 吹上露天の湯 / 北海道上富良野町:無料
吹上温泉は、十勝岳中腹にある小さな温泉地。有名な絶景スポットである「青い池」からも程近く、豊かな森の自然を感じさせる地です。
「吹上露天の湯」は有名な無料混浴露天風呂
吹上露天の湯は、TVドラマ「北の国から」で宮沢りえが撮影のために入浴したことで一躍有名になった無料混浴露天風呂。泉質は酸性泉で、熱めで少々ピリッと刺激のある泉質。駐車場から露天風呂までの道中は足元が悪い箇所があるので、滑りにくい靴を履いて行きましょう。
■日帰り入浴時間:24時間可能
虹の湖温泉食堂 / 青森県平川市:200円
青森県南西部にある虹の湖周辺は、観光色は無いもの良質の温泉が点在する地。一部のコアな温泉ファンから熱く支持されています。
「虹の湖温泉食堂」はコアな温泉ファンに絶賛される穴場湯
「虹の湖温泉食堂」は知る人ぞ知る穴場湯。食堂施設は廃業しましたが、日帰り入浴は受け付けています。泉質名は「ナトリウム・塩化物-硫酸塩泉」。典型的な硫酸塩泉の特徴を持つ泉質で、浴後はしっとりツヤツヤお肌へと変貌。化粧水要らずの保湿系美肌湯といえるでしょう。
■日帰り入浴時間:9時~19時
蔵王温泉 上湯共同浴場 / 山形県山形市:200円
蔵王温泉は、開湯1900年と言われる日本屈指の古湯のひとつ。一般的にはスキーリゾートで知られていますが、強酸性泉が各所で湧出し、“東北の草津”と呼ばれるほど泉質自慢の温泉地です。
上湯共同浴場は強酸性泉の名湯
蔵王温泉で外せないのが3つの共同浴場。源泉かけ流しの名湯が、いずれも入浴料200円で楽しめます。中でも「上湯」は、温泉街の最奥付近にある共同浴場。泉質名は「酸性-含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物温泉」。強酸性泉らしいピリッとした肌触りが特徴で、硫化水素の香りも温泉情緒満点。濃厚な温泉がお好きな方におすすめです。
■日帰り入浴時間:6時~22時
飯坂温泉 鯖湖湯(さばこゆ) / 福島県福島市:200円
東北地方で共同浴場巡りと言えば、首都圏からのアクセスが良い飯坂温泉は外せない存在でしょう。温泉街に点在する全9か所の共同浴場のうち、8か所は入浴料200円と格安な点も見逃せません。
観光客に一番人気の「鯖湖湯」
鯖湖湯(さばこゆ)は、飯坂温泉のシンボル的存在の共同浴場。威風堂々とした外観と、高い天井が特徴である湯屋造りが印象的です。熱めの湯が多い飯坂温泉ですが、鯖湖湯は観光客用に比較的入り易い温度に調整。泉質名は「アルカリ性単純温泉」ですが、硫酸塩泉系統のサッパリとした浴感の良泉。温泉ファンなら一度は訪れてみたい共同浴場の一つでしょう。
■日帰り入浴時間:6時~22時
四万温泉 御夢想の湯 / 群馬県中之条町:無料
四万(しま)温泉は、“四万(よんまん)の病を癒す霊泉”という伝説に由来する関東地方屈指の名湯。環境省から国民保養温泉地第一号に指定され、飲んでは“日本三大胃腸病の名湯”とも言われています。
温泉街最上部にある共同浴場「御夢想の湯」
四万温泉には地元の人が利用する共同浴湯が3ヶ所有り、時間指定があるものの外来客も利用可能。「御夢想の湯」は、そのうちの一つ。泉質名は「カルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉」。特殊成分を含まない石膏泉であり、ほのかな湯の香とキシキシとした硬質感ある肌触りが、心身の疲れや汚れを落としてくれます。
■日帰り入浴時間:9時~15時。※その他の時間帯は地元専用浴場になるので注意。
草津温泉 白旗の湯 / 群馬県草津町:無料
草津温泉は、日本で最も有名な温泉地と言っても過言では無い名湯中の名湯。有名な湯畑周辺をはじめ温泉街の至る所に共同浴場がありますが、外来客は「白旗の湯」「千代の湯」「地蔵の湯」の3ヶ所が利用可能です。
写真左手前が「白旗源泉」。源泉保護のために建屋で囲まれています。
「白旗の湯」は最も湯畑に近い共同浴場ですが、使用源泉は草津でも評判の高い“白旗源泉”。泉質名は「酸性-含硫黄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉」。いかにも酸性泉らしいピリリとした肌触りと共にツルツルした感触も感じられ、源泉至近のフレッシュ湯を無料で満喫できます。
■日帰り入浴時間:8時~23時
鹿教湯温泉 高梨共同浴場 / 長野県上田市:200円
鹿教湯(かけゆ)温泉は、環境庁指定の国民保養温泉地に選ばれた信州の名湯の一つ。古くから湯治場として栄え、温泉街にはその名残が今も感じられます。
昭和レトロな浴室と透き通ったお湯が美しい「高梨共同浴場」
高梨共同浴場(町・高梨共同浴場)は、温泉街から少し離れた住宅街にひっそりと佇む地元密着型共同浴場。泉質名は「単純温泉」ですが、ほんのり硫黄風味を感じる硫酸塩泉系統のお湯。窓から差し込む木漏れ日が爽やかで、泉質の良さも相まって、ゆったりとした至福時間を過ごせます。
■日帰り入浴時間:5時~21時30分
東郷温泉 寿湯 / 鳥取県湯梨浜町:200円
東郷温泉は、東郷湖の南岸にある温泉地。江戸時代から温泉が湖中に湧出することが知られ、地元の人が温泉利用を願い出たことが東郷温泉の始まりと言われています。
“路地裏の隠し湯”と呼ばれる「寿湯」
「寿湯」は、住宅間の激細の通路を抜けないと行けない共同浴場。一部のコアなファンから熱狂的な支持を集めています。泉質名は「ナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩泉」。かなり熱めで、よく温まる保温&保湿系のお湯。鄙び好きな方には特におすすめです。
■日帰り入浴時間:8時~20時。月曜定休。
湯原温泉 砂湯 / 岡山県真庭市:無料
湯原温泉は、岡山県を代表する温泉観光地。湯原ダムの下流に位置し、十数軒のホテル・旅館が点在します。
名物の混浴露天風呂「砂湯」
中でも有名なのが、混浴大露天風呂である「砂湯」。美人の湯・子宝の湯・長寿の湯という3つの湯船があり、微妙に温度が異なる湯船を楽しめます。泉質名は「アルカリ性単純温泉」。重曹成分由来のスベスベ感ある肌触りが心地良く、ダムを眼前に豪快な湯浴みを満喫できます。
■日帰り入浴時間:24時間可能
雲仙温泉 湯の里共同浴場 /長崎県雲仙市:200円
雲仙温泉は、日本初の国立公園(雲仙天草国立公園)内にあるリゾート型温泉地。中心部の雲仙地獄では特有の硫化水素の香りが立ち込め、温泉情緒たっぷり。また、外国人向けの避暑地として開発された経緯もあり、どこか欧州風の雰囲気も感じられる地です。
シンプルな佇まいと良質のお湯が印象的な「湯の里温泉共同浴場」
「湯の里温泉共同浴場」は、雲仙温泉で最も歴史あるといわれる共同浴場。泉質名は「酸性-含鉄(Ⅱ・Ⅲ)-アルミニウム-硫酸塩泉」。先に紹介した草津温泉にも似た泉質で、硫黄香るサッパリとした浴感の良泉です。
■日帰り入浴時間:9時~22時。火曜定休。
由布院温泉 石武温泉 / 大分県由布市:200円
由布院温泉は、日本第2位の温泉湧出量・源泉本数を誇る名温泉地。また、長閑な山村風情とオシャレな雰囲気が絶妙にミックスされ、日本屈指の人気温泉地の地位を不動なものとしています。
「石武温泉」は柔らかなお湯が魅力
「石武温泉」は由布院温泉街を離れた住宅街にひっそりとある共同浴場。泉質名は「単純温泉」。無色透明無味無臭の清澄なお湯で、重曹泉系統のツルツルした肌触りが心身を癒してくれます。
■日帰り入浴時間:11時~20時
阿蘇内牧温泉 大阿蘇 / 熊本県阿蘇市:200円
阿蘇内牧温泉は、阿蘇地方を代表する温泉地の一つ。夏目漱石や与謝野鉄幹・晶子夫妻など、多くの文豪も足を運んだと言われています。晴天時は阿蘇五岳を眼前に臨め、特有の温泉風情を楽しめます。
「大阿蘇」は加水加温消毒無しの源泉100%かけ流し
大きな特色が“町湯めぐり”と呼ばれる公衆浴場めぐり。「大阿蘇」は町湯の一つであり、多くの常連客に親しまれています。泉質名は「ナトリウム・マグネシウム・カルシウム-硫酸塩泉」。鉄分を含む芒硝泉ですが刺すような刺激は無く、優しく肌に馴染みます。どちらかと言えば通向けの良泉と言えるでしょう。
■日帰り入浴時間:7時~21時30分
湯の鶴温泉 きくの湯 / 熊本県水俣市:100円
湯の鶴温泉は、熊本県最南端にある山間の温泉地。清流に沿って数軒の旅館が点在し、静かに温泉を楽しみたい方にピッタリでしょう。
「きくの湯」は硫黄の香りとトロトロの肌触りが魅力
「きくの湯」は温泉地の最下流部にある共同浴場。泉質名は「アルカリ性単純温泉」。やや熱めの温泉が多い湯の鶴温泉ですが、「きくの湯」は40度弱のややぬるめ。甘い硫黄の香りとトロトロした肌触りが心地良く、ゆったりとした気分で湯浴みを楽しめます。温泉通が口を揃えて絶賛する穴場の極上湯です。
■日帰り入浴時間:8時30分~18時
浜児ヶ水区営温泉 / 鹿児島県指宿市:130円
「浜児ヶ水(はまちょがみず)区営温泉」は、有名な指宿温泉のさらに奥、九州本土最南端付近にある温泉。区民のコミュニティーや憩いの場であり、典型的な地域密着型の共同浴場です。
「浜児ヶ水区営温泉」の外観
自称“日本一安い温泉”を謳っており(実際は日本一安くはない)、ユーモアもたっぷり。泉質名は「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」。それほど食塩は濃くなく、汗を流しリフレッシュするには最適の湯。色々な意味で癒される温泉です。
■日帰り入浴時間:15時~19時30分
マナーを守って入浴しよう!
以上、入浴料無料~200円以下で入浴できる温泉を15施設ご紹介させて頂きました。
ご紹介した施設は、いずれも地元や関係者の好意で入浴できる点。モラルが乱れると、将来的に外来者入浴不可になったり、最悪の場合は施設自体が閉鎖になる可能性も有ります。
(過去にその様な事例は数多くあります。)
別府温泉「市の原温泉」(大分県別府市)。温泉郷全体では日本一の共同浴場の数。
マナーを守ることは、温泉入浴の基本。最後になりますが、温泉入浴における主なマナーを以下に記します。
- 浴室に入ったら、最初にかけ湯もしくはシャワーをする。
- 湯船にタオルを付けない。長い髪はゴムなどでまとめて湯に付けない。
- 大声で喋らない。(コロナ禍以降は特に重要な要素です。)
- 浴室から出る時は、浴室内でしっかりと身体を拭き上げる。
- ゴミは各自持ち帰る。
他人に迷惑を掛けずに、お互い気分良く入浴できるように心がけましょう。
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