熱波甲子園の仕掛け人!「おふろの国」林店長が語る熱狂の舞台裏と温浴エンタメの未来 全国

全国の熱波師たちがアツい魂をぶつけ合う「熱波甲子園」。プロデュースしたのは横浜のエンタメ温浴施設「ファンタジーサウナ&スパ おふろの国」の林和俊店長。単なる温浴施設をエンターテイメントの舞台へと変貌させたその情熱の元となったものは何なのか? 熱波甲子園の知られざる魅力、そして林店長自身の人物像、さらには「おふろの国」が描く今後の展開まで、熱波愛溢れる林店長にじっくりと話を聞きました。
横浜のエンタメ温浴施設「おふろの国」

横浜市鶴見区にある「ファンタジーサウナ&スパ おふろの国」は、エンタメ要素満載のスーパー銭湯です。全国の熱波師が集う熱波イベント「熱波甲子園」をプロデュースしたことでも知られていますが、他にも「熱波道プロレス」や「ハマ熱波」「鶴見川あおぎ始め」など、多数の熱波イベントを開催しています。

サウナイベントとは思えない公式ホームページのイベント案内
もちろん温浴施設としての設備も充実!お風呂とサウナはあわせて13種類もあり、ゆっくりとお風呂に浸かり心身ともにリラックスできます。男性向け施設と思われそうですが、女性用の脱衣所にはヤーマンのドライヤーが完備されていたりと、女性に嬉しいサービスも用意されています。

アツ湯やストロングバス、電気風呂などお風呂の種類も多い
また、ここは町中華か居酒屋かと錯覚してしまいそうな食事処も魅力満載。単品メニューも豊富で、お風呂上りにここで飲むのを楽しみに訪れる人も多いそうです。

黄色の短冊に書かれたメニューが居酒屋のよう
少々泥臭さい昭和レトロな雰囲気が残る「おふろの国」ですが、ここでしか味わえないアツい体験を求めて多くの人が訪れています。

グッズまでアツい!
「おふろの国」林和俊店長の熱い想い

「おふろの国」の店長を務める林和俊(はやしかずとし)さん。熱波への情熱とユニークな発想で、「おふろの国」を単なる入浴施設ではない、訪れる人々を熱狂させる体験型温浴施設へと進化させました。さらに、「熱波甲子園」や全国の温浴施設看板娘で構成するアイドルグループ「OFR48」をプロデュースしたり、月刊サウナの代表を務めたりと、温浴業界に新たな風を吹き込むキーパーソンといえます。そんな林店長とは、どのような人なのでしょうか。
ー温浴業界に入られたきっかけは何だったのでしょうか?
「おふろの国」がオープンしたのは2000年の11月15日で、僕はその半年後に入社しました。それまでは市場で魚の仲買人をやったり、その前は屋外広告を作ったりしていたんです。たまたま手に取った転職雑誌に、大きなヤシの木と建物のイラストが載っていて、「健康ランドみたいなところかな?」と思って応募してみたんです。実はそれまで、サウナにも入ったことがなかったんですよ。
ーそのような状態で最初は戸惑われたのでは?
ぜんぜん、そういう事はなかったですね。なんだかわからないけど、おもしろそうだぞ!と。もともと学校で広告関係の勉強をしてきたので、自分の興味や得意なことに合っているような気がしたんです。それに、スーパー銭湯のことを全然知らなかったからこそ、逆に色々なことを自由にやれたのかもしれません。
大手のチェーン店と違って、うちはここ1軒だけなので、本当に好きにやらせてもらっています。上から細かく指示されることもないので、自分のアイデアを形にしやすい環境なんです。
ー個性的なキャラクターが多い「おふろの国」。その発掘方法を教えてください。
実は、スーパー銭湯って、お笑い芸人を目指している人とか、昔劇団にいた人とか、結構いろんな面白い人が働いているんですよ。だから、何かイベントを頼むと、すごく積極的に参加してくれるんです。

公式ホームページではスタッフの他、協力いただいている方々を紹介している
今や「サウナ皇帝」としてその名を知られている井上勝正さんは、実は以前、大日本プロレスで活躍していたプロレスラーなんです。引退後、ご縁があってうちの夜間スタッフとして迎え入れたのが始まりでした。その後、熱波の世界に足を踏み入れたのですが、彼の持ち前のエンターテイナー精神と鍛え上げられた肉体から繰り出す熱波は、まさに圧巻。トークも抜群に面白く、お客さんを惹きつける魅力に溢れ、瞬く間に大人気熱波師となったんです。もちろん、それは彼の努力と熱心な勉強の賜物であることは言うまでもありません。
あと、お客さんを巻き込んでイベントをやっているうちに、お客さんの中からスタッフになってくれた人もいるんですよ。カメラマンもそうですし、イベントのことをSNSで自主的に発信してくれるのも、常連のお客さんなんです。
ー他にはない独創的なイベントはどうやって思いつくんですか?
世間で流行っていることで、自分が「これ見たいな」「これやりたいな」って思うことを、ここで実際にやっちゃってるんです。例えば、マグロの解体ショーが人気だと聞いて、じゃあ、それとプロレスを組み合わせようと思ったんですよ。それで、マグロとプロレスラーのアブドーラ小林さんに対決してもらうというイベントを行いました。そしたら、この人間対魚類の戦いが新聞にも大きく載っちゃって(笑)。その後、マグロだけじゃなくて、鮭とかタコとも戦いましたよ。

「プロのレスラーよりうちのイベントの方が大きく紹介されたんです」と笑う林店長
自分のやりたいことをやってはいますが、目の前のお客さんがどうすれば楽しんでくれるか、ということを一番に考えています。
熱波師たちの頂上決戦「熱波甲子園」
全国の腕自慢の熱波師たちが集い、技術とパフォーマンスを競う「熱波甲子園」。2010年に始まったこの大会は、2024年秋に第21回を迎え、2025年1月には年間王者を決める「チャンピオンカーニバル」も開催された、10年以上の歴史を持つ全国規模の熱波イベントです。

ー熱波甲子園を思いついたきっかけは何だったのでしょうか?
実は、熱波師同士の繋がりを作りたかったというのが大きかったんです。当時はまだ熱波師という存在があまり知られていなくて、人数も少なかった。結構大変な仕事なのに、お客さんに邪魔だと言われてしまうこともあったりして、なかなか注目されていなかったんです。それで、熱波師がお互いに支え合えるような、横の繋がりを作りたいと思ったんです。
まぁ、もちろんそういう思いもあったんですが、正直なところ、始めたのは結構ノリだったんですよ。「熱波甲子園」っていう名前も、「汗をかくから甲子園でいいんじゃない?」「負けたら土の代わりにお風呂の水を持って帰るとか(笑)」って、4〜5人でワイワイ話しながら、軽い感じで決めちゃいました(笑)。
熱波甲子園の話が出てから、実際に第一回を開催するまで、半年もなかったんじゃないかな。本当に勢いだけで突っ走った、って感じですね(笑)。
ー熱波師の方々の反応はどうでしたか?
第一回の参加者は4、5組くらいだったかな。第二回も10組には届かなかったような記憶があります。第三回あたりから、ようやくイベントの形ができてきた感じですね。最初の頃は、お店からチームとして参加するというよりは、熱波師個人が「なんか面白そうなことをやっているぞ、ちょっと見に行ってみよう」っていう軽い気持ちで参加してくれていました。
その後、メディアなどでも取り上げられたこともあって、どんどん参加者が増えました。2024年の秋大会は過去最多の26チームが参加したんですよ。 個人や店舗からの参加はもちろん、自治体からの参加もあったのは本当に驚きましたね。熱波甲子園が、ここまで広がってきたんだなと実感しました。

ー熱波甲子園の見どころはどんなところでしょう?
熱波甲子園の採点は、実技得点と演舞・熱ッスル得点の合計で決まります。新競技の熱ッスルでは、サウナの中で熱波師同士がトークバトルを行います。お客さんがいかに楽しんでくれるか、おもしろいトークも審査基準になり、つまらなければ終了となることも。これはぜひ実際に目の前で体験して欲しいですね。

過去の大会の詳しいレポートは、こちらから見ることができます。
ー熱波甲子園で目的としていた横の繋がりはできましたか?
熱波師同士の繋がりはもちろんですが、お客さん同士の繋がりも生まれたのは嬉しいことですね。サウナが盛んな地域って、関東、関西、九州が多いんですが、関東のお客さんが関西のサウナに行くと、そこの常連さんが歓迎してくれたり、その逆もあったりするみたいです。
熱波甲子園を始めてから、いつもの常連さんだけでなく、遠くから来てくれる人も増えましたし、若い人もすごく増えました。最初は友達と一緒だったのに、その後、熱波にハマって一人で来るようになったという人も多いんですよ。
うちの食堂は居酒屋みたいに飲める雰囲気なので、そこで仲良くなって、お客さん同士の輪が広がっているみたいですね。
ー熱波甲子園の今後について、どのようなビジョンをお持ちですか?
熱波師って、実は日本独自の文化なんです。サウナの本場であるヨーロッパでは「アウフグース」という熱波サービスが有名で、世界大会も開催されています。僕は、そのアウフグースに、日本ならではの「おもてなしの心」がプラスされたものが、熱波師だと考えているんです。
だから、熱波師という存在がもっと世間に広く知られるようになって、いつか熱波甲子園も世界大会が開かれるくらいになったら嬉しいですね。日本の熱波師の技術と精神は、世界に誇れるものだと思っています。

熱波甲子園で熱狂の渦に飛び込め!
お話を伺って、熱波甲子園というのは単なるイベントではなく、熱波師同士、そして熱波を愛する人々が集う、熱気あふれるコミュニティだということがわかりました。
「もっと熱波の楽しさを広めていきたいですね。一度体験したらおもしろさがわかってもらえると思うんです」と林店長。
2025年熱波甲子園、最初の戦いとなる春大会は5月19日開催です。ぜひ「おふろの国」で、この熱狂と感動を体感してみてください。
過去開催の熱波甲子園の動画も特設サイトから見ることができます!
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この記事を書いたライター

- さとちん
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温泉とご当地グルメを愛するおでかけ&グルメ&旅ライター。 休日や旅先では朝風呂でパワーチャージ! 温泉ソムリエになりました。
温泉ソムリエ,サウナスパ健康アドバイザー,銭湯検定4級,高齢者入浴アドバイザー
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