「湯川内温泉 かじか荘」が2025年4月26日~プレオープン!最新情報を詳細レビュー【鹿児島】 鹿児島

「湯川内温泉 かじか荘」(鹿児島県出水市)は、江戸時代に開かれた足元湧出の名湯。遠隔地ながらも全国から温泉愛好家が訪れ、温泉ファンなら一度は入ってみたい憧れの温泉ともいえる存在です。2023年にいったん閉館しましたが、その後経営が変わり、復旧作業を実施。2025年4月26日に日帰り入浴施設としてプレオープンしました。
筆者自身、閉館中もボランティア作業や取材等で数回現地へ乗り込みましたが、今回もオープン前日から初日にかけて現地訪問。リニューアルした浴室・最新情報を中心に、以前との相違点や注意事項などを詳細レビューします。
筆者自身、閉館中もボランティア作業や取材等で数回現地へ乗り込みましたが、今回もオープン前日から初日にかけて現地訪問。リニューアルした浴室・最新情報を中心に、以前との相違点や注意事項などを詳細レビューします。
「湯川内温泉 かじか荘」復活までのあらすじ
「湯川内温泉 かじか荘」は、九州新幹線 出水駅から車で15分ほどの山間にある温泉。江戸時代には、島津家御用達の温泉として利用されていました。明治時代以降は一般開放され、湯治場として親しまれ続けてきました。

湯川内温泉 かじか荘の外観。上写真の建物の右手に受付があります。
2023年9月に、施設老朽化などの理由で閉館。2024年7月に一般社団法人純温泉協会が購入し、復旧作業を進めていました。
その後、台風の影響で壊滅的な被害を受けましたが、多くの寄付・ボランティアや自治体の協力に支えられながら復旧作業を実施。2025年4月26日に日帰り温泉としてプレオープンしました。

再開のお知らせ。この看板もボランティアによって製作
またプレオープン前日の4月25日には、「復旧再開お祓い祭」が厳粛な雰囲気の中で執り行われました。

復旧再開お祓い祭では、マスメディアや地方自治体を含む多くの関係者が参列


一般社団法人純温泉協会 山口貴史代表。様々な紆余曲折を経たせいか、かじか荘に対する熱い思いが伝わってきました。
※湯川内温泉 かじか荘の復旧の経緯につきましては、別記事にて詳細にご紹介しております。ご興味ある方はぜひご覧になられて下さい。
気になる温泉と浴室はどんな感じ!?
以前からの温泉ファンならば、温泉や浴室がどのように変わったのか気になりますよね!
以下、浴室 (下の湯・上の湯)を詳細レビューします。
※浴室画像は、プレオープン前日の2025年4月25日に撮影
下の湯
まず最初に、下の湯と上の湯について、以前との大きな変更点は以下の通りです。
1.下の湯の男女仕切り壁を設けない点
2.上の湯の男女浴室は同時に入浴できる点
3.下の湯と上の湯が一日の中での時間帯で男女交代する点
※男女浴室交代時間などの基本情報は、本記事巻末に記しております。
下の湯のメイン入口は、旧女湯の入口になります。
(旧男湯側の入口も残されています。)

下の湯の外観。暖簾(のれん)がかかった部分がメイン入口です。
暖簾をくぐると脱衣室があります。脱衣室は、下の湯・上の湯ともに棚とカゴがあるだけのシンプルなもの。鍵付きロッカーは無いので、貴重品は受付に預けるか、車の中に保管するなど自己管理してください。

メインの脱衣室
旧男性浴室側にも小さな脱衣室があります。なお、旧男性脱衣所は台風被害の原因のひとつとなった場所であるため、一部解体されて縮小しています。

旧男湯側の脱衣室
浴室は男女仕切り壁が撤去されたこともあり、以前と比べて広々とした空間。浴室自体の風格が増したように感じられます。また温泉そのものは以前と全く変わらず、浴槽の底から源泉が自噴する「足元湧出温泉」。温泉通から“究極の温泉”とも呼ばれる大変貴重な温泉形態です。

下の湯の浴室
なお、下の湯・上の湯と共通してシャワーと石鹸はありますが、シャンプーは設置されていません。使われる方は持参しましょう。
上の湯

上の湯の外観。向かって右側が旧男湯、左側が女湯です。
上の湯は記事最初の方でも記述しましたが、旧男湯・旧女湯の両方ともに利用できます。源泉の湧出量や温度が微妙に違うので、温泉ファンなら両方とも入って比較してみましょう!

旧男湯側の脱衣室

旧女湯側の脱衣室
上の湯の脱衣室も、棚とカゴがあるだけのシンプルなもの。また周辺が森で虫が多いため、窓を開放しても網戸は開けないようにしましょう。ちなみに上の湯自体は台風被害が無く、老朽化部分の補修で対応しています。

旧男湯側の浴室。以前と全く変わらず、湯船の底から源泉が湧いています。
旧男湯の浴槽は基本的に変化なく、足元湧出はそのまま維持。以前とまったく変わらず、この上なく透き通ったピュアな源泉がプクリプクリと底から自然湧出しています。

旧女湯の浴室
旧女湯の浴槽も、以前と基本的に変化はありません。しかし、源泉湧出量が旧男湯側の方が多いせいか、旧女湯はほぼ体温ほど(36度前後)の湯加減。よりぬるめのお湯が好みの方にはおすすめです。
下の湯と上の湯の泉質解説
「湯川内温泉 かじか荘」では、3本の自家源泉を所有しています。下の湯と上の湯の足元湧出温泉、そしてシャワーも源泉が使用されています。泉質名はいずれも「アルカリ性単純温泉」。源泉温度は36~38度程度のややぬるめですが、加温・加水・循環・消毒ともに一切無し。地中から湧出したばかりの源泉をそのまま堪能できます。

上の湯の旧男湯。プクリと底から湧き出す源泉を肌で感じながら、至福の湯浴みを楽しめます。
泉質の特徴は、下の湯も上の湯もほぼ同様です。実際に湯に浸かると、硫黄成分由来のほのかなゆで卵のような香りが特徴で、肌をフワッと包み込むような独特の肌触りに癒されます。また硫酸イオンを微量に含むせいか、浴後は肌がしっとりと保湿。下の湯・上の湯ともに、五感に響く究極の極上湯と言えるでしょう。
「湯川内温泉 かじか荘」へのアクセス
湯川内温泉 かじか荘は山間の一本道の奥にある施設であり、公共交通機関はありません。九州新幹線 出水駅からタクシー(約15分)という手段もありますが、基本的に自家用車かレンタカーでの訪問が主なアクセス方法でしょう。

かじか荘へ行く一本道入口にある看板。「日本遺産 湯川内温泉」が目印です。
アクセスは、付近の幹線道路(北薩オレンジ道路)から分岐した一本道へ入ります。道中は道幅が狭く、徐行運転が望ましいです。一本道入口から車で10分程度(約3.4㎞)進むと、右手に湯川内温泉 かじか荘があります。
車の駐車は施設の前に第1駐車場があり、5台程度駐車可能です。余談ですが、駐車場のライン(塗装)は、純温泉協会の山口代表(かじか荘オーナー)と筆者とボランティアの仲間達で引きました(笑)

第1駐車場
なお、施設すぐ脇の裏山は土の地肌が一部むき出しになっており、小石など落下の可能性があります。施設前には車を乗り入れられません。

第2・第3駐車場へ行く道路
第1駐車場が満車の場合は、施設から少し道路を上った場所に第2・第3駐車場があり、計10数台駐車可能です。しかし途中から未舗装道路で滑りやすく、特に雨の日は運転に注意しましょう。
利用の際の注意事項
このように「湯川内温泉 かじか荘」は日帰り入浴施設として再開しましたが、一般的な公衆浴場とは異なる点がいくつかあります。
以下、利用の際の注意点を記します。
1.お風呂に浸かる前は衛生上の観点から、シャワーで体を洗う、もしくはかけ湯を10杯以上してから入浴してください。
2.下の湯においては、以前浴槽の底に敷かれていた玉砂利が衛生上の観点により撤去されました。必ずスノコの上で入浴して下さい。その下が自然のままの砂や石なので、踏んでしまうと砂が舞い上がって湯が濁ります。

下の湯。スノコの上で入浴を楽しみましょう。
またスノコはメンテナンスの関係で取り外し可能となっています。スノコが動く可能性があるので、そっと入ってください。
3.下の湯・上の湯ともに、温泉が直接湧いている場所は大変人気があります。譲り合って利用しましょう。
4.かじか荘は自然豊かな場所にあり、周辺にヒルやマムシが生息しています。ヒルは刺されても痛みが感じにくいこともあり、気付かずに出血し続ける可能性があります。サンダルや草履での移動は控え、靴と靴下を履いて訪問しましょう。また、マムシは臆病なので、音を出しながら歩くと安全です。
5.浴室を撮影されたい方は、必ず受付に申し出て下さい。
(撮影可能時間:13時30分~13時45分)
「湯川内温泉 かじか荘」の基本情報
プレオープン
2025年4月26日~7月中旬頃まで
営業時間:10時~13時30分、14時30分~18時
通常営業
通常営業は7月中旬頃から開始予定
営業時間:9時~13時30分、14時30分~19時
定休日
水曜日・木曜日(5月16~20日、6月20~24日、7月11~15日は臨時休業)
入浴料金
大人460円(プレオープン時は300円)、6歳~12歳未満150円、6歳未満80円
男湯と女湯の入浴入替時間
プレオープン期間中
奇数日
10時~13時30分 上の湯:男湯、下の湯:女湯
14時30分~18時 上の湯:女湯、下の湯:男湯
偶数日
10時~13時30分 上の湯:女湯、下の湯:男湯
14時30分~18時 上の湯:男湯、下の湯:女湯
通常営業時
奇数日
9時~13時30分 上の湯:男湯、下の湯:女湯
14時30分~19時 上の湯:女湯、下の湯:男湯
偶数日
9時~13時30分 上の湯:女湯、下の湯:男湯
14時30分~19時 上の湯:男湯、下の湯:女湯
※浴室の定員は、上の湯8名まで、下の湯10名まで。定員に達した場合は、お待ちになります。
※プレオープン期間は、入浴時間は1時間以内になります。
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この記事を書いたライター
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- 権丈 俊宏
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良質の温泉を求め、全国を旅すること20数年。特技は、自らの五感を駆使したオリジナルの泉質分析。“温泉は数より質”がポリシー。一級建築士。
温泉マイスター,サウナ・スパ健康アドバイザー,一級建築士,ソニー・イメージング・プロ・サポート会員
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