電子チケットで温浴施設の利用がもっと便利に!
ニフティ温泉ニュース
人気エリア
東京
関東
神奈川
埼玉
北海道
大分
関西(近畿)
千葉
大阪
愛知

三朝温泉の天然ラドン熱氣浴でプチ湯治!体験レビュー・おすすめ温泉施設・アクセスをご紹介【鳥取】 全国

三朝温泉(鳥取県三朝町)は、世界屈指の濃度の天然放射能泉が湧出する山陰地方の名湯。2泊3日程度の短期間でも健康増進につながる「現代湯治」を提案する温泉地でもあります。
放射能泉は、入浴以上に温泉の蒸気を呼吸で取り込むことによって効果が発揮。とりわけ、三朝温泉街中心部にある「すーはー温泉」は、日帰りで気軽に天然ラドン熱氣浴ができる施設として知られています。
今回はプチ湯治も可能な「すーはー温泉」をはじめ、三朝温泉ならではの名湯を楽しめるおすすめ温泉宿・アクセスをご紹介します!

三朝温泉とは? まずはカンタン解説!

三朝温泉(みささおんせん)は鳥取県中部、三徳川(みとくがわ)沿いに展開する温泉地。開湯850年を超え、古き良き日本の温泉街情緒が令和の現代にも現存。温泉宿や商店が路地の両脇に立ち並び、ぶらりと温泉街をそぞろ歩きしたくなる和情緒たっぷりの温泉地です。

三朝温泉の温泉街中心部
三朝温泉の温泉街中心部。細い路地の両脇に温泉宿や商店が立ち並びます。
 
三朝温泉は世界屈指の濃度を誇る高温の放射能泉が湧出することで有名。放射能泉は全国見渡しても温度の低い冷鉱泉や低温泉の場合が圧倒的に多く、加温無しで源泉を利用可能な点が大変貴重です。
 
また三朝温泉の場合は深いボーリングではなく、多くは地下の浅い部分から温泉が湧出する傾向にあり、足元湧出温泉が多い点も特徴。三徳川の水位程度の地下に浴室がある宿が多いのは、そのためです。
※足元(足下)湧出温泉とは、温泉が地下から自然の力で湧出し、その湧出した場所で入浴できる温泉のこと。究極の温泉とも言われ、全国的にも大変貴重な温泉湧出形態です。

放射能泉ならではのホルミシス効果、ラドン熱氣浴とは?

この様に独自性が極めて高い温泉地ですので、三朝温泉では泉質を抜きに語れません。三朝温泉の泉質は、基本的に高濃度のラドンを含む放射能泉。放射線であるラドンを体に浴びると新陳代謝が活発になり、免疫力や自然治癒力が高まります。それを「ホルミシス効果」と呼びます。
※ラドンとは、ラジウムが分解されて生じる弱い放射線のこと
 
三徳川沿いにある足湯
三徳川沿いにある足湯。三朝温泉には足湯や飲泉場が複数点在しています。
 
また、放射能泉は入浴以上に気化したラドンを吸入することによって効果を発揮すると言われています。三朝温泉では湧出する温泉熱や蒸気を利用した「熱氣浴室」を設けている施設がいくつかあり、ラドンを効率良く体内に取り込むことができます。
 
三朝温泉では病院と街と旅館が連携し、中々長期の湯治ができない現代人に適した新しいスタイルの「現代湯治」を提案。2泊3日程度の期間でもストレス緩和・健康増進が期待でき、温泉を活用した健康づくりをテーマに今も発展し続けている温泉地なのです。

天然ラドン熱氣浴泉「すーはー温泉」体験レビュー

それでは、天然ラドン熱氣浴を気軽に利用できる日帰り施設である「すーはー温泉」の体験レポートをご紹介します。
 
すーはー温泉の外観
すーはー温泉の外観
 
「すーはー」温泉は、2020年6月にオープンした熱氣浴専門施設。建設は大正時代の1918年。1950年以降は岡山大学病院の分室となり、温泉医学の研究や患者の治療を行う施設として利用されていました。
 
その後、岡山大学が所有する建物を三朝町が借り受け、2010年から熱気浴施設として利用。しかし、2016年の鳥取県中部地震により建物が被災。一時は取り壊しの決定がなされていましたが、三朝町が跡地を取得して熱気浴を復活させました。

すーはー温泉の利用方法

熱氣浴泉は、通常の温泉入浴とはかなり勝手が異なります。イメージ的にはミストサウナに近いですが、ここからは利用方法・手順を詳細に解説します。
 
受付兼待合室
受付兼待合室。木の温もりたっぷりの真新しい雰囲気です
 
まず、すーはー温泉は事前予約制になります。熱氣浴室が3箇所と乾式熱氣浴室が1箇所あり、その中から希望するコースを選びます。

熱氣浴室※1は、以下の通りになります。
・高濃度熱氣浴室「不老庵」:1人1回2,200円
・熱氣浴室「恋泉庵」・「蒸熱庵」:1人1回1,760円
・乾式熱氣浴室「ヴァポリウム」※2:1人1回550円
※1 熱氣浴室の利用時間は季節によって異なります。詳細は本記事の後の方にある情報を参考にするか、施設に直接お問い合わせください。
※2 ヴァポリウムは、不老庵・恋泉庵・蒸熱庵の利用の場合は30分間サービスで利用可能。ただし他の利用客が居ない場合に限ります。
 
簡単に言えば、すーはー温泉の地下には3つの源泉(いずれも足元湧出温泉。入浴不可)があり、その温泉熱と蒸気を利用して3つの熱氣浴室が造られています。ラドン濃度は「不老庵」が最も高く次いで「恋泉庵」・「蒸熱庵」の順になります「ヴァポリウム」は地下に湧出する温泉の蒸気を2階まで上げており、低温の熱氣浴ができます。

1階の脱衣室
1階の脱衣室
 
まず、事前予約で利用する浴室を選んだ後、現地には予約時間の10分前までに到着しましょう。その後、受付(利用料金支払い)を済ませます。この時に重要なのが、飲料水を事前に用意すること。熱氣浴室では大量に発汗するので、適宜水分補給が必要です。事前に持参するか、施設内でも購入できます。

その後、1階にある更衣室で専用着(男性:バスローブ、女性:作務衣またはバスローブ)に着替えます。貴重品は鍵付きの無料ロッカーがあるので、そこに保管しましょう。

バスローブ・バスタオル・ハンドタオル
バスローブ・バスタオル。使用済みのものは上画像左の黄色いカゴに入れます。
 
バスローブ・バスタオルは備え付けのものを利用できますが、一人一枚ずつしか利用できないので注意しましょう。
 
シャワールーム
シャワールーム
 
また、更衣室にはシャワールームが設置。これは熱気浴を利用した後に利用するためのものです。
※シャワールームでは、石鹸類の使用は不可です。

高濃度熱氣浴室「不老庵」に潜入!

地下の廊下
地下の廊下。ここに3つの熱氣浴室があります。

それでは専用のバスローブまたは作務衣に着替えて、早速熱氣浴室へ行ってみます! 筆者は前日に予約し、最もラドン濃度と室温が高い「不老庵」を体験しました。

ドアを開けると、熱気が一気に押し寄せます!
ドアを開けると、熱気が一気に押し寄せます!
 
利用時間は着替え込みの1時間。熱氣浴室内の利用は最大30分まで(冬期11月~4月までは40分まで)なので、必ず守りましょう。
 
不老庵の熱氣浴室
不老庵の熱氣浴室
 
熱氣浴室では、ひたすらリクライニングチェアに横たわるだけ。室温は45度前後(季節・天候により変動)ですが、発汗が尋常でありません。通常のサウナだと身体が火照ったように温まって汗をかきますが、不老庵の場合、まるで体の細胞が活性化したかのごとく、体の芯がカーっと熱くなるといった印象。人工のサウナとは似て異なるものであり、これがホルミシス効果なのでしょう。飲料水持ち込み可で、水分補給は必須です!
 
ちなみに、不老庵の泉質名は「含放射能―ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉」。保湿効果の高い食塩と美肌効果に定評のある重曹成分を含むせいか、温泉蒸気だけでひと皮剥けたかのように肌がしっとりツヤツヤと潤う点にも注目。美肌効果もかなり期待できます!
 

乾式熱氣浴室「ヴァポリウム」とは!?

高濃度熱氣浴室に入浴した後は、2階にある乾式熱氣浴室「ヴァポリウム」を利用してみました。通常は1時間利用の部屋ですが、3つの熱氣浴室利用者は30分間サービスで利用できる場合があります。
 
乾式熱氣浴室「ヴァポリウム」
乾式熱氣浴室「ヴァポリウム」
 
室内はエアコンが効いており、涼し気で実に快適な空間。一見、最近流行りのスパ施設でよくみられるリラクゼーションスペースのようにも感じられます。
 
円筒を通して、地下からラドン含有の蒸気が引かれています。
円筒を通して、地下からラドン含有の蒸気を上げています。
 
しかし、一般的なリラクゼーションスペースと異なるのが、ラドン含有の蒸気を上げている点。効果は地下浴室に比べるといたってマイルドですが、体力に自信の無い方には体にむしろ良いとのこと。リクライニングチェアに横たわっていると、心身ともにリフレッシュできました!
 
天然ラドン熱氣浴泉 「すーはー温泉」
■営業時間・料金:
不老庵:9時30分~17時30分(冬期は17時40分)。1人2,200円
恋泉庵・蒸熱庵:10時~17時。1人1,760円
ヴァポリウム:10時~17時。1人550円
※1サイクル毎に男女入替制。要事前予約。貸切利用も可能。
※2025年9月現在の情報です。

三朝温泉の放射能パワーを体験できるおすすめ温泉宿

次に、三朝温泉ならではの放射能パワーを体験できるおすすめ温泉宿を、簡単ではございますがご紹介します。
 

木屋旅館

足元湧出の貸切風呂「楽泉の湯」
足元湧出の貸切風呂「楽泉の湯」
 
三朝温泉街の中心部に佇む国登録有形文化財の宿。男女別大浴場のほか、2つの貸切風呂があり、その一つは足元湧出温泉。ラドンミストサウナ・ラドンオンドル室も完備し、館内だけで湯めぐりが可能。ラヂムリエ(三朝温泉の専門家)が常駐している点にも注目です。

■日帰り入浴:不可

桶屋旅館

男女交代制浴室「桶屋の湯」
男女交代制浴室「桶屋の湯」
 
足元湧出温泉「桶屋の湯」で知られる老舗宿。桶屋の湯では天然岩盤浴や飲泉も可能。温泉マニアに大変人気の高い湯宿で、素朴な家庭料理にも定評。三朝温泉で安価に泊まれる湯宿をお探しの方におすすめです。
 
■日帰り入浴:不可

三朝温泉へのアクセスは?

最後になりますが、三朝温泉へのアクセスも簡単にご紹介します! 三朝温泉は山陰地方の山間に位置し、日本各地の大都市圏からは離れた場所にあります。今回は、東京・大阪・広島から公共交通機関及び車での一般的なアクセス方法をご紹介します。
 

東京からのアクセス

東京から三朝温泉に行くには距離があるので、基本的に飛行機を利用するのが良いでしょう。羽田空港発ならば、鳥取空港か米子空港からのアクセスが比較的近いです。
 
鳥取空港からアクセスするならば、空港からリムジンバスに乗車してJR倉吉駅で下車(約45分)。倉吉駅から路線バスに乗車し、20分程で三朝温泉へ到着します。
米子空港利用ならば、空港付近でレンタカーを利用し、約1時間40分で三朝温泉へ到着します。

 
羽田空港は様々な地方空港とアクセスされているため、移動の際に便利です。
 

大阪からのアクセス

大阪からの場合は、電車利用が一般的でしょう。JR大阪駅から「特急スーパーはくと」に乗車してJR倉吉駅で下車。そこから路線バスに乗って三朝温泉へ行きます。総移動時間は3時間20分前後です。また、大阪及び神戸から三朝温泉へ行く高速バスもありますが、本数が限られており、利用する際は発車時刻を調べて利用しましょう。
 
車利用の場合は、吹田ICから中国自動車道経由で院庄IC下車。そこから一般道で三朝温泉へ行きます。総移動時間は3時間20分前後です。
 

広島からのアクセス

広島から公共交通機関で移動する場合は、JR広島駅から山陽新幹線でJR姫路駅まで乗車。JR姫路駅から「特急スーパーはくと」に乗車してJR倉吉駅で下車。そこから路線バスに乗って三朝温泉へ行きます。総移動時間は4時間前後です。
 
車利用の場合は、中国自動車道及び米子自動車道を利用して湯原ICで下車。そこから一般道で三朝温泉へ行きます。総移動時間は3時間20分前後です。
余談ですが、湯原IC付近には岡山県側にある湯原温泉・真賀温泉・郷緑温泉などの名湯がひしめき、温泉ファンなら立ち寄り湯を満喫するのも良いでしょう。
関連タグ
この記事を読んだ方におすすめの関連記事
この記事を書いたライター
権丈 俊宏
権丈 俊宏

良質の温泉を求め、全国を旅すること20数年。特技は、自らの五感を駆使したオリジナルの泉質分析。“温泉は数より質”がポリシー。一級建築士。

温泉マイスター,サウナ・スパ健康アドバイザー,一級建築士,ソニー・イメージング・プロ・サポート会員

編集部おすすめの温泉・スパコラム
最新の温泉・スパコラム
エリア一覧
人気のタグ
TOPへもどる