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紫尾温泉「四季の杜 紫尾庵」宿泊レビュー!温泉通絶賛の全室源泉かけ流し温泉付離れ旅館を解説【鹿児島】 鹿児島

紫尾(しび)温泉(鹿児島県さつま町)は、北薩地方にある霊峰「紫尾山」の麓に位置する小さな温泉地。トロトロとした肌触りの美人湯で知られ、メインの源泉は紫尾神社から湧出。別名『神の湯』と呼ばれています。

「四季の杜 紫尾庵」は、神の湯の源泉を使用した全室源泉かけ流し温泉付きの湯宿。広大な敷地の中に、わずか8室の客室が点在し、凛とした大人の隠れ家という言葉がピッタリでしょう。また、温泉通からも高く評価されている宿で、遠隔地ながら日本全国から常連客が訪れます。

今回筆者は実際に宿泊し、客室・温泉・夕朝食・姉妹館「旅籠 しび荘」の浴室まで、その全貌をご紹介。「旅籠 しび荘」との比較も踏まえながら、徹底解説します!

紫尾温泉とは 

紫尾温泉は、約750年の歴史を持つといわれる鹿児島県屈指の古湯のひとつ。2026年現在で、4軒の旅館と1軒の公衆浴場があります。筆者はこれらすべての施設の温泉に入浴したことがありますが、どの施設も源泉かけ流しで提供されていました。
 
紫尾温泉中心部。上画像中央の建物が「紫尾区営大衆浴場」。一人300円で外来者も入浴可能
 
紫尾温泉の主要源泉である「神の湯」(源泉名:紫尾1号)は、紫尾神社の拝殿下から自然湧出。泉質名は「アルカリ性単純硫黄温泉」。泉温は50.4度と理想的であることもあり、加水加温が不要である点が大変貴重です。
 
「旅籠 しび荘」の大浴場の湯口。一切無加工の源泉が滔々とかけ流されています。
 
温泉は、ヌルヌルトロトロとした柔らかな肌触りとほのかな硫黄風味が特徴。三大美肌泉質(炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・硫黄泉)のうち、炭酸水素塩泉と硫黄泉の個性が明確に感じられ、典型的なクレンジング系(余分な皮脂を落とす効果が期待できる)美肌湯といえるでしょう。
 
 
紫尾神社の境内

「四季の杜 紫尾庵」に潜入!

それでは、早速「四季の杜 紫尾庵」※をご紹介します!
※以下、紫尾庵と略します。
 
レセプション(受付)への入口
 
紫尾庵は温泉街中心部から至近距離ですが、清流(夜星川)をはさんで裏手に位置するため、凛とした静寂な環境にあります。
 
レセプション
 
最初にレセプションに入ると、木の温もりとモダンさを掛け合わせた瀟洒な造り。大切な人を連れてきたい、そんな大人の雰囲気に包まれた空間です。
 
夜はバーも営業。薩摩焼酎をはじめ、洋酒も品揃え豊富です。
 
紫尾庵のコンセプトは『自然との共存』。「日頃の喧噪を忘れ、なにものにも邪魔をされない時間の中で、”時間を愉しむ“という贅沢」、という経営者の思いが貫かれています。
 
客室棟は広大な森の中に、全8室の離れが点在しています。

源泉かけ流し温泉付離れ客室レビュー!

紫尾庵では4つのタイプの客室があります。うち3つは1~2名専用の客室であり、今回筆者は最も大きな客室(Type C。1~4名まで対応可能)に宿泊しました。今回はType Cの「ほたる」という客室について解説します。
 
客室「ほたる」の玄関
 
玄関へ到着すると、客室というよりも、まるで友人の別荘に招かれたようなプライベート感溢れる佇まいです。
 
居間兼寝室。別に専用の寝室もあります。
 
客室は、和モダンな造りが特徴。居間兼寝室は基本畳敷きですが、一段上がった位置にベッドが配置されており、足腰の悪い宿泊客にも配慮。和と洋の良いところを取り入れた印象です。
 
客室専用テラス
 
居間の奥には、テラスがあります。湯上りで涼むのにピッタリ。また、テラスでは喫煙も可能なので、愛煙家の方は嬉しい配慮でしょう。
※客室内は禁煙です。
 
洗面化粧台
 
洗面所には、ドライヤー・ハンドタオル・バスタオル・歯ブラシ・ハンドソープ・化粧落とし・化粧水・オールインワンジェル※などが揃えられています。特にこだわりが無い限り、用意されたアメニティで事足りるでしょう。
※オールインワンジェルとは、化粧水や乳液・美容液など複数の機能が1つになったスキンケアアイテムのこと。
 
源泉100%かけ流し客室風呂
 
客室の風呂はほぼ1人用サイズの小ぶりなものですが、紫尾神社から湧出した『神の湯』が滔々とかけ流されています※。ぬるい場合は浴室内にあるボタンを押すと、注がれる源泉の量が増えて熱くなります。
※天候等の諸条件により、神の湯源泉にしび荘の自家源泉をブレンドして提供する場合があります。

湯船が小さい分、他の入浴客が居ない分、とにかくお湯の鮮度が抜群! ローションのようなトロトロとした感触と、硫黄由来のゆで卵のような香りに癒されます。
 
客室風呂のシャワースペース
 
シャワースペースには、ボディソープ・シャンプー・コンディショナーを設置。なお、シャワー水は温泉ではなく、真水を沸かしたものを使用しています。
 
神の湯の源泉はpH9.51と高いアルカリ性を示します。肌質によっては刺激を感じる場合もあるため、気になる方は無理をせず、シャワーで洗い流すとよいでしょう。
※筆者の場合、紫尾温泉に入るといつも適度に皮脂が抜けて肌がスベスベになりますが、これは個人差があります。

姉妹館「旅籠 しび荘」の温泉も宿泊者は無料で入浴可!

また紫尾庵の宿泊者は、姉妹館である「旅籠 しび荘」※の男女別大浴場と貸切露天風呂が無料で入浴できます。
※以下、しび荘と略します。
 
しび荘の温泉は日帰り入浴不可※1であり、さらにはしび荘の自家源泉(源泉名:紫尾2号)を使用した浴槽があります。紫尾庵から徒歩1~2分程度の場所にあり、温泉好きならずともぜひ入浴※2をおすすめします!
※1 コロナ禍の影響により、2021年1月より日帰り入浴不可になりました。
※2 紫尾庵宿泊者の入浴可能時間は7時~21時まで。
 
しび荘の男性大浴場。画像右の小判型の湯船が神の湯源泉、左の浴槽がしび荘自家源泉
 
紫尾温泉の源泉は基本的に無色透明ですが、状況次第で緑色に変化する摩訶不思議な泉質。筆者入浴時は、神の湯源泉がまるで宝石のようなうっすらとしたエメラルドグリーン、しび荘の自家源泉はやや深みのあるモスグリーンに変化していました。
 
また、しび荘の自家源泉は泉温42.5度。湯船の中で40度を少し切るくらいのぬるめの湯加減※。泉質そのものはどちらもほぼ同系統のお湯ですが、熱めの神の湯との交代浴が実に心地良いです。
※しび荘自家源泉は、冬期は加温して提供することがあります。
 
一人用サイズの水風呂
 
また浴室の隅には水風呂を設置。一気にクールダウンできるのは、粋な計らいといえるでしょう。
 
貸切露天風呂

一方、貸切露天風呂は空いていれば自由に利用できます。入口に札があるので、入浴中を表示させて利用します。
 
源泉は神の湯としび荘自家源泉をミックスして源泉かけ流しで提供。上質の美人湯をひとりじめできるのは、この上ない贅沢といえるでしょう。

気になる夕朝食はどんな感じ!?

夕食と朝食は、レセプション(受付)奥にある個室食事処でいただきます。
 
食事処へ行くアプローチ。夕暮れは街路に明かりが灯され、落ち着きのある大人の雰囲気に包まれます。
 
専用の個室食事処があるのは、食をじっくりと嗜むには良い環境でしょう。厨房から近い場所で料理を提供できることは、出来立ての料理を少しでも早く味わえるという意味でも重要なポイント。温泉と同じく食も鮮度が命。冷たいものは冷たいうちに、温かいものは温かいうちに召し上がるのがベストです。

また、客室に料理の匂いが残ってしまうという問題もありません。
 
個室食事処。上画像は朝食時に撮影
 

夕食

夕食は、地元の食材をふんだんに使用し、海の幸・山の幸・川の幸を自在に取り入れた創作会席料理。旬の食材を使用するため、メニューは月替わりで変更されます。また、食物アレルギーを持つ方は、ある程度要望に応えることが可能。その場合は、チェックインの三日前までに宿に連絡してください。
 
以下、夜長月(9月)の料理の一部をご紹介します。
 
前菜:チーズ玉子豆腐、丸十檸檬煮、秋刀魚小袖寿司、紅景烏賊、栗麩豚巻照り焼き、菊浸し、銀杏串。どれも薩摩焼酎にピッタリ合います(笑)
 
造り:奄美中トロ、白姫エビ、フエフキダイの昆布締。中トロはサシの甘さが美味
 
豚肩角煮。口の中でとろけるほど良く煮込まれていました。
 
天婦羅:無花果、零余子、アボカド。どれもヘルシーなサッパリ味

 
黒毛和牛のヒレステーキ。柔らかな肉で、サッパリ風味の和風のおろしポン酢との相性抜群!
 
料理は客の食べるタイミングを見計らいながら、一品ずつ丁寧に運ばれてきます。夕食時間は2時間程とゆっくり目に取られ、飲める方はアルコール(私的には鹿児島の薩摩焼酎との相性バッチリ)でも嗜みながらじっくりと召し上がると良いでしょう。
 

朝食

朝食は、和食と洋食からセレクト可能。食はどうしても好みがあるので、選べるというのは見逃せないポイントです。チェックイン時に希望の食事を宿に伝えましょう。
 
筆者は今回、和食をセレクトしました。

 
朝食(和食)
 
朝食は、いかにも日本の朝ごはんといった奇をてらわないオーソドックスなメニューです。ご飯は自家製米のひのひかりを使用。ふっくらと炊き上がったご飯で、噛めば噛むほど甘味が増してくるようなお味。筆者はついついおかわりしてしまいました(笑)
 
朝食(洋食)
 
相方は洋食を注文。オムレツがサッパリした上品なお味で美味しかったとのこと。洋食でも湯豆腐が付いているのは、朝から贅沢です(笑)

まとめ。「四季の杜 紫尾庵」と「旅籠 しび荘」を比較すると!?

以上、紫尾温泉「四季の杜 紫尾庵」の宿泊レビューをご紹介しました。
施設の印象を一言でいえば、「静かな環境で、良質の温泉と食を満喫できる宿」といった印象です。
 
紫尾庵の客室風呂
 
前述しましたが「旅籠 しび荘」は姉妹宿であり、筆者はしび荘の宿泊経験もあります。しび荘は宿泊料金が紫尾庵の約半分で、コストパフォーマンスという点では紫尾庵を上回るかもしれません。
 
紫尾庵は、以下のような方におすすめです。
・離れの宿がお好きな方(プライベート重視の方)
・柔らかな肌触りのクレンジング系美肌湯をひとり占めしたい方
・伝統だけにこだわらない創作会席料理がお好みの方
 
一方で、しび荘は以下のような方におすすめです。
・古くともこじんまりとした和風旅館がお好みの方
・客室風呂にはこだわらず、とにかく泉質が良い温泉に入りたい方
・料理が美味しいハイコスパな宿をお探しの方
 
食事に関してはどちらもレベルが高いですが、料理長が紫尾庵としび荘では異なるので、別物と考えた方が良いでしょう。いずれにせよ、これらは完全に好みの問題であり、どちらの宿が優れているかという問題ではありません。自らの目的に合った方を選ぶことが重要です。
 
以上、参考になれば幸いです。
 

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この記事を書いたライター
権丈 俊宏
権丈 俊宏

良質の温泉を求め、全国を旅すること30年余り。特技は、自らの五感を駆使したオリジナルの泉質分析。“温泉は数より質”がポリシー。一級建築士。

温泉マイスター,サウナ・スパ健康アドバイザー,一級建築士,ソニー・イメージング・プロ・サポート会員

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