京都府の日本海側に位置する舞鶴市は、魚の町にしてレトロな商店街が残る西地区(西舞鶴)と、海軍ゆかりの赤れんがパークや海上自衛隊施設のある東地区(東舞鶴)に分けられます。今回案内するのは西地区に今も残る2軒の銭湯「日の出湯」と「若の湯」。いずれも国の登録有形文化財に指定された歴史ある建物でありながら、今も現役のお風呂屋さんです。
漁師町や商店街で働く人々を支えてきたこの2軒の銭湯とともに、立ち寄りたい舞鶴の観光スポットや温浴施設を紹介します。
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西地区の2軒の銭湯「日の出湯」と「若の湯」
今も舟屋の景色が見られる漁師町の「吉原入江」。「日の出湯」はこの近くにある。
西地区は田辺城の城下町として栄えた歴史を持つエリア。JR西舞鶴駅から海側に向けて商店街が伸び、その商店街の通り沿いに「若の湯」が、また伊佐津川が海にそそぐ入江の近くに「日の出湯」があります。
昔はこの辺りに28軒もあったという銭湯ですが、今はもう「日の出湯」と「若の湯」の2軒を残すばかり。しかし「日の出湯」は令和3年(2021)に、「若の湯」はさらに3年早い平成30年(2018)に、それぞれ国の登録有形文化財に指定されました。それだけ貴重な建物と文化を今に残しているといえます。
ユニークなロシア風アーチのある平野屋商店街。「若の湯」はこの近くにある。
漁師町に建ち、戦前の町家風銭湯建築を残す「日の出湯」と、商店街に建ち、創作的な洋風意匠も華やかな「若の湯」。似ているところもあれば、対照的なところもあるこの2軒のレトロ銭湯は、およそ950mほど離れています。歩いてだいたい片道10分ちょっと。水曜を除く平日なら両方はしごして入浴することもできるでしょう(土日は定休日の関係から1日に片方しか入れません。また水曜は若の湯の定休日です)。
町家風銭湯建築の「日の出湯」
毎日開店時間に合わせて暖簾を提げるご主人の高橋さん
「日の出湯」はもともと町が作った公営の銭湯だったといいます。その後に吉田さんという方が引き継ぎ、屋号が吉田屋だったことから、地元では「日の出湯」に行くことを「よしだやに行く」と言うようになったとか。ご主人のおじいさまの代から高橋家が「日の出湯」を経営していますが、今でも親しみを込めて「よしだや」と呼ぶ人が残っているそうです。
男性が漁に出て、女性は海産物の加工などで生計を立てる家が多かった吉原地区、ここに住む人たちの多くは、およそ300年前に城下町の大火をきっかけに移り住んできました。さらに明治42年にはこのあたりでも大火が発生し、一帯は大きな被害を受けました。
タイルのカラーリングが絶妙な浴室
町内の役員の仕事をしていた高橋さんのおじいさんが、乞われて「日の出湯」を再開させたのが大正9年(1920)のこと。
「日の出湯」の女湯
またレトロなカラーリングが印象的な浴室のタイルは、もともと石で作られていた浴槽などに上からタイルを張ったものだそう。
何故タイル張りのお風呂にしたのかというと、近くに「たこや」というタイル張りの新しいお風呂屋さんができて人気を博したから。負けずに「日の出湯」も華やかなタイル張りの浴室にしたといいます。しかしその「たこや」は既に廃業してしまい、現在はもう残っていません。
天井近くのタイルの色はこだわりのビルマバイオレット。
「日の出湯」の男湯、浴槽の形もタイルの色も女湯とほぼ同じ
浴槽は2つの槽に分かれていて、片方は中央が深くなり、内側を向いて座れます。お湯は五老ヶ岳の伏流水を敷地内の深さ3mの井戸から汲み上げ、重油で沸かしています。
今ではレトロな銭湯でしか見られない固定式のシャワーも、当時は京都の中心部の銭湯から"はやり"を取り入れた流行の最先端でした。
脱衣所の洗面台のタイルも可愛らしい。ケロリン桶の黄色が映えますね。
マッサージチェアが10円!さらに10円玉1つで3つの機械が同時に動く!?
「日の出湯」の脱衣所で面白いものを見つけてしまいました。
なんとマッサージチェアが10円で動きます(20円で動くものもありました)。えっ!10円?安すぎます。
とてもとても年季が入っていますが、今でもちゃんと動く現役。
マッサージチェアとドライヤー、10円玉を投入すると同時に使えます
さらに面白いのは、なんとこの10円玉を入れる箱がドライヤーや振動エクササイズマシンと共通なのです。なので、なんと10円でドライヤーとマッサージチェアと振動エクササイズマシンが同時に使えちゃう!
飲料の冷蔵庫と振動エクササイズマシン
ただしさすがにマッサージチェアとエクササイズマシンは一人では同時に使えません。体は一つしかありませんからね。
マッサージチェアとドライヤーだけならなんとか。ただし3分で全て止まります。
床の間のある「日の出湯」の2階
さて、「日の出湯」が登録有形文化財に指定された理由は、1階の浴室部分だけにあるのではありません。2階に上質な床(床の間)の座敷を配していることも、戦前の町家風銭湯建築の特徴として評価されています。
この2階の座敷は以前は吉原の町の役員たちが会議などに使っていたもので、現在は特別な時を除き一般公開はされていません。しかし最近では、映画『国宝』のロケが吉原入江で行われたときに、出演者やスタッフの休憩所として活躍したようです。
「日の出湯」のお話を聞かせてくれたのは、ご主人の高橋さん。前職は小学校教諭でした。99歳まで番台を勤めたお母さまが昨年亡くなって、そのあとを継ぎ「日の出湯」を切り盛りしています。
入り口の暖簾は毎月変えているそうですが、その月の暖簾をどれにするかはわりと適当で、冬なのに花火の柄を選んでしまったこともあるそうです。
擬洋風建築の「若の湯」
まだ営業時間前なので暖簾が出ていない「若の湯」
JR西舞鶴駅前から続くアーケードの屋根のある通りは「マナイ商店街」。その「マナイ商店街」のアーケードを出たところに「若の湯」は建っています。その先は看板こそ残されていますが既に商店街としては解散した短い距離の「中央商店街」があり、さらにロシア風アーチのある「平野屋商店街」に続いていきます。
つまり、「若の湯」の左右はずらりと商店街が続いているのです。商店街で営んでいる人たちや、商店街にお買い物に来たお客さんに長く愛されてきたお風呂屋さんであることが伺えます。
切妻造の屋根などは日本家屋風に見えますが、壁や屋根周りの意匠など洋風で、しかも後ろに銭湯ならではの煙突がそびえているところなど、とても絵になる可愛らしさです。
創業は明治36年(1903)。今の洋風の建物に建て替えたのは大正12年(1923)、まさに大正浪漫な銭湯といってよいでしょう。
4代目の若井さんは、お姑さんが引退したのち、しばらく閉めていた「若の湯」を再開することを決意。水漏れなどを修繕して銭湯業を始めました。当時は小さいお子さんを二人育てながらの忙しさでしたが、家で仕事ができて、夕方から営業する銭湯なら両立ができると考えて奮闘。常連さんたちも再開を喜んでくれました。
タイル絵ではなくペンキ絵のこだわり
営業時間前に撮影させてもらったので、まだお風呂に蓋がされている女湯
さて、「若の湯」の壁に描かれているのはペンキ絵です。関西ではお風呂屋さんの壁にあるのはタイル絵がスタンダードだということで、ペンキ絵はかなり珍しい。
ペンキ絵にすることを決めたのは若井さん。なぜかというと、お風呂に入る人に楽しんでほしいから。建物が洋風なのでステンドグラスにすることも考えたそうですが、コストやお風呂から見上げた時の印象など考えて、ペンキ絵を選んだそう。
男湯は天橋立と富士山のペンキ絵
現在、日本で3人しかいないペンキ絵師の一人、中島盛夫さんにお願いして、女湯は縁起物の「赤富士」、男湯はご当地の景勝である「天橋立」の後ろに「富士山」という現実にはあり得ないけれども、あったらいいなと思う景色をそれぞれ描いてもらいました。
ペンキ絵師は作業が早いことでも知られますが、この時も定休日に来てもらい、その場で絵のモチーフなどを打ち合わせて約1日で書き上げてもらったそう。壁の一面だけでなく、二面にまたがっているのも若井さんの要望で、立体感と迫力のある仕上がりとなっています。
営業時間直前のお湯が張られたところも撮影させてもらいました。
もうひとつ特徴的なのは、浴槽の周りに段差があるところ。昔からこの形だったそうで何故いつこういう形にしたのかは若井さんにもわからないそうですが、入浴に来たお客さんは浴槽に背を向けて段差に座っておしゃべりするなど、コミュニケーションの場として役立てているそうです。
なお、この段差はもともとは浴槽周りの3面にあったそうですが、今は1面をつぶして浴槽が壁に密着する形に。こうしたことでお掃除がとても楽になりましたと若井さん。それって大事です。
お湯は平成の名水100選にも選ばれている真名井の清水を井戸から汲み上げ、ガスで加温しています。地中で濾過されてきた水なので、肌あたりが優しいと評判とのこと。
また洗い場のタイルのデザインはレトロでハイカラ。今見ても洒落ています。
やはり「若の湯」のマッサージチェアも10円!
先ほど紹介した「日の出湯」のマッサージチェアが10円で稼働することに驚きましたが、なんと「若の湯」のマッサージチェアも10円ぽっきりでした。10円玉を入れて3分間稼働する機械はとてもシンプルな仕組みなのだそうで、簡単に値上げできるというものではないのだそう。
ドライヤーも10円
ただし「若の湯」の入浴料はQRコード決済などで払えるのに対し、マッサージチェアやドライヤーを使用するにはコインが必要なので、使いたい方は10円玉を用意していくと良いかも。
若い人にも銭湯の良さを伝えたい
小さいお子さんが飽きないようにおもちゃも用意されている
「銭湯はお風呂が無い時のインフラでもあるんです」と若井さん。
「引っ越してきたばかりの若い人が、まだお部屋のお風呂が使えなくて、水をかぶって出社して、夕方にうちに来てくれて、温かいお風呂に入れて本当に喜んでくれたんですよ」
お風呂屋さんはみんなが集える場所として、例えばお子さん向けのおもちゃなどを用意。またメッセージ帳もあり、お客さんの温かい感想やイラストが残されています。
「若の湯」のお話を聞かせてくれたのは4代目の若井さん。「若い人にも銭湯の良さを知ってほしい、一人旅で来られるお客さんも、こういうところに来る人は話したい人が多い。うちの番台スタッフはみんな話好きなのでぜひ気軽に会話して」と優しい笑顔。
西地区の見どころを紹介
2軒のレトロ銭湯が残る舞鶴市の西地区。ここからは、銭湯めぐりに訪れたらぜひ立ち寄ってほしいスポットをいくつか紹介します。
田辺城址/田辺城資料館
天下分け目の関ケ原の戦いの前哨戦ともいわれる、慶長5年(1600)の籠城戦。この舞台ともなったのが田辺城。わずか500人ほどの兵で52日間城を守った細川幽斎の活躍と、ドラマチックな生還劇が今に伝わります。その後も京極・牧野氏の居城として舞鶴の歴史を紡いできました。
【田辺城資料館】
住所:京都府舞鶴市南田辺15-22
電話:0773-76-7211
吉原入江
浮かぶ漁船と舟屋のある運河の風景が今も見られる西地区のフォトスポット。「日の出湯」からすぐ。
【吉原入江】
住所:京都府舞鶴市東吉原
天然温泉に入れる駅前の「ホテルルートイン京都舞鶴-西舞鶴駅前-」
画像提供:ホテルルートイン京都舞鶴-西舞鶴駅前-
舞鶴市内に温泉は少ないのですが、西舞鶴駅前の「ホテルルートイン京都舞鶴-西舞鶴駅前-」では大浴場に京都府亀岡市の亀岡天然温泉・源氏の湯を使用。
せっかく泊まるなら温泉がいいという方におすすめです。
東地区の見どころを紹介
西舞鶴駅から電車で一駅の東舞鶴駅から行く東地区にも見どころがたくさんあります。
魚の町であり、城下町の趣を残すレトロな町並みの西地区とはうってかわって、海軍の鎮守府としての歴史を持つ東地区は、今も海上自衛隊の港のある町。海軍ゆかりの赤れんが倉庫群がシンボルです。ぜひ、西地区の銭湯めぐりとあわせて訪れてみてください。
舞鶴赤れんがパーク
もと海軍の倉庫であった赤れんが倉庫群が、現在は赤れんが博物館やおみやげショップとして活用されています。ロマンティックなフォトスポットとして、またお土産探しやレストランに使えます。夜にはライトアップも!
【舞鶴赤れんがパーク】
住所:京都府舞鶴市字北吸1039番地の2
電話:0773-66-1096
海軍ゆかりの港めぐり遊覧船
東舞鶴港を120%楽しむなら、おすすめしたいのが「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」。かつて鎮守府が置かれた舞鶴・横須賀・呉・佐世保の4つの港のうち、米軍基地が無く、現在、海上自衛隊の艦艇のみが停泊しているのはここ舞鶴のみ。そのため「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」では、他の港と異なり、艦艇のかなり近くまで近づいての撮影が叶います。海上自衛隊OBの軽快な案内と楽しいダジャレが聞けるかも!
※寄港している艦艇の数や種類は行くまでわかりません。
【海軍ゆかりの港めぐり遊覧船】
住所:京都府舞鶴市北吸
電話:090-5978-8711
舞鶴引揚記念館
シベリア抑留の収容所を再現した抑留生活体験室
終戦時、大陸に残った日本人が帰国するための移動を引き揚げと呼びます。旧ソ連軍による過酷なシベリア抑留では、最後の抑留者が帰るまで13年もの月日を擁しました。その貴重な記録や再現模型などが「舞鶴引揚記念館」で見学できます。
舞鶴必見のスポットです。
【舞鶴引揚記念館】
住所:京都府舞鶴市字平1584番地 引揚記念公園内
電話:0773-68-0836
高台の複合施設「atick(アティック)」に「海の見える絶景サウナ」!
「atick」2階屋上。奥に見えるのが「海の見える絶景サウナ」の入り口
舞鶴赤れんがパークからすぐの高台の「atick(アティック)」。ここにはお洒落なショップやお土産店のほか、なんとサウナ施設まであるのです。その名もそのまんまの「海の見える絶景サウナ」。
1枠100分で完全予約制。利用は1名から10名まで、要水着着用。貸切利用(貸切の場合は8名まで)も可能です。
バレルサウナの中からも水風呂からも海が見えます。
それも水平線が見えるだけ、みたいなシンプルな海じゃないんですよ。自衛隊の艦艇が停泊する舞鶴港が見えるのです。すなわち、護衛艦や掃海艇が出入りする瞬間なんかもサウナから見えちゃう可能性があります。これはマニアならずとも楽しすぎる。
開放感もあってよいですよね。海風でととのえそうです。面白いところにサウナを作ったな~と思います。
レトロ銭湯めぐりとともに舞鶴観光を楽しんで
京都駅から特急まいづるで約1時間半。今まで知っていた有名観光地としての京都とは違う京都を知ることができます。ぜひ舞鶴を訪れて、レトロな銭湯をめぐり、商店街を歩いて、自分だけの景色を見つけてください。
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提供元:京都府舞鶴市【PR】
この記事は京都府舞鶴市のPR記事です。