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愛媛県「道後温泉本館」7月11日営業再開!3000年の歴史を紡ぐ文化財が復活 愛媛

日本最古の湯として知られている愛媛県松山市・道後温泉。そのシンボルともいえるのが明治時代に建てられた「道後温泉本館」です。平成31年1月から約5年半にわたって行っていた保存修理工事が終わり、いよいよ2024年7月11日から全館営業再開となります。

道後温泉本館とは

道後温泉本館(夜)
愛媛県松山市にある、3000年以上の歴史を持つ道後温泉。「日本書紀」や「源氏物語」などにも登場する日本最古の温泉です。そのため、大国主命が少彦名命の病を治した話や聖徳太子の来浴など、多くの言い伝えが残っています。

現在の道後温泉本館・神の湯棟は、明治27年(1894年)に完成。戦前に建築された近代和風建築ということで、平成6年(1994年)に国の重要文化財(文化施設)に指定されています。
ですが、建物の老朽化のため平成31年(2019年)1月15日から保存修理工事が始まり、1階の一部浴室以外が休館となっていました。

当初工事期間は6年の予定でしたが、半年早く工事が終了し、今年の7月11日から5年半ぶりに全館営業を再開をします

2024年5月撮影 道後温泉本館
2024年5月撮影

冠山頂上にある無料の足湯「道後温泉 空の散歩道」からは、道後温泉本館全体を見下ろすことができます。時間があったら、ぜひ、のぼってみてください。夜は特にきれいですよ。
道後温泉 空の散歩道から見る道後温泉本館
道後温泉 空の散歩道から見る道後温泉本館

重要文化財としての魅力

道後温泉本館で重要文化財に指定されているのは下記の4ヶ所です。

神の湯本館棟

左手が神の湯本館棟
正面から見て左の3階建ての建物が神の湯本館棟
木造3階建ての建物で、1階脱衣場、2階大広間、3階客室となっています。2階大広間の休憩室はテレビなどでもよく紹介されています。

神の湯2階休憩室
神の湯2階休憩室

こちらでは、お風呂上りにお茶とお菓子がいただけます。

お風呂上りにお茶とお菓子がいただけます
お茶はおかわり自由

3階の客室は個室となっています。

3階個室 2014年撮影
3階個室 2014年撮影

窓を開けて道後の街を浴衣で歩く人々を眺めることができ、温泉情緒たっぷりでした。

3階坊ちゃんの間 2014年撮影
3階坊ちゃんの間 2014年撮影

また、3階「坊ちゃんの間」は、松山市に英語教員として赴任してきた夏目漱石が、道後温泉本館でよく利用したお部屋を再現しています。昭和41年(1996年)に造られました。注目は夏目漱石の若い頃の写真。ものすっごいイケメンですよ。

又新殿・霊の湯棟(ゆうしんでん・たまのゆとう)

又新殿
又新殿

正面入り口とは反対側にあるのが又新殿・霊の湯棟。1899年(明治32年)に建築された皇族専用のお風呂がある建物で、昭和天皇も利用されたことがあり、一般の人も有料で見学できます。

御湯殿
又新殿の中にある皇族専用のお風呂「御湯殿」 2014年撮影

皇族専用のお風呂「御湯殿」はとても大きな浴槽で、御影石の中でも貴重な香川県の庵治石(あじいし)を削って造られています。こんなに大きな浴槽なのに元は1個の石というのですから驚きですよね。

玄関棟

道後温泉玄関棟
大正13年(1928年)に建てられました。正面の道後温泉の看板ができたのは意外に新しく、昭和25年(1950年)映画のロケで道後温泉だとわかるものが必要となり作られたそうです。

南棟

玄関棟と同じく大正13年(1928年)に建てられました。本館と又新殿の建物を2階の廊下で繋いでいます。
下は重要文化財ではありませんが、見逃せないところばかりですよ!


振鷺閣(しんろかく)

振鷺閣

道後温泉本館3階の屋根の上にある塔屋。道後温泉を見つけたのが傷ついた白鷺という言い伝えがあることから、白鷺は道後温泉のシンボルとなっています。塔屋の上には白鷺のオブジェが飾られ、中にある刻太鼓は午前6時、正午、午後6時の3回打ち鳴らされます。

ガス灯

2014年撮影

道後温泉本館のまわりには7本の本物のガス灯があります。夜はガス灯のやさしい灯りがまわりを照らします。

玉の石

2014年撮影

本館棟左奥にはパワースポット玉の石があります。これは大国主命(オオクニヌシノミコト)、少彦名命(スクナヒコ)の親子が旅をしていた時、病気になった少彦名命を道後温泉にいれたところ、たちまち元気になり、この石の上で踊ったという話が伝わっている石です。

手前にある柄杓で水を3回かけながら願い事をすると叶うと言われています。筆者は最初に出かけたとき「また、道後温泉に来れますように」と願いました。その願いが聞き届けられたのか、今年3度目の道後温泉訪問が叶いました。

リニューアルで変わったところ

貸切部屋追加

今回のリニューアルでは、建物内の漆や土壁、障子、襖などがきれいになりましたが、さらに、新しく貸切部屋が2ヶ所設けられました。せっかく道後温泉本館に来たのなら、温泉に入ったあと、ゆっくりお部屋でお茶とお菓子をいただきながら休憩してみてください。

入浴券デザイン変更

また、入浴券のデザインが新しくなります。神の湯・霊の湯の入浴券は、道後温泉本館を中心とした道後温泉界隈の鳥瞰図や全館営業再開後の道後温泉本館 館内図が描かれたデザインになります。大正から昭和初期まで、何度も改修や増築を行った本館は、まるで迷路のように複雑。館内図は嬉しいですね。

新しくできる貸切室の入浴券デザインは、江戸時代からある立版古(たてばんこ)という技法を取り入れた立体的なもの。自分で組み立てて楽しむこともできるそうで、どちらも楽しみです。

整理券自動発券機を設置

今までは混雑時の整理券発行は、人の手によって行われていましたが、自動発券機で発行されるようになります。

道後温泉本館の館内紹介

<道後温泉本館>
 1階 神の湯男女浴室、霊の湯男女浴室、売店
 2階 神の湯二階席(大広間)、霊の湯二階席、展示室、又新殿
 3階 霊の湯三階個室、飛翔の間、しらさぎの間、坊ちゃんの間

霊の湯 男性浴室
霊の湯(男性)

浴室は男女ともに2つずつ。広々とした神の湯と、浴槽に庵治石や大島石を使った贅沢なつくりの霊の湯があります。道後温泉には温度や湧出量の違う19本の源泉があり、汲み上げた温泉を4か所の配湯施設へ集め、道後温泉内の各施設へ配湯しています。道後温泉本館では加水・加温していない温泉をかけ流しで楽しめます。

リニューアル後新しく新設された飛翔の間としらさぎの間は、公式ホームページから事前に予約可能(当日は電話予約のみ)。それ以外の休憩室は、当日出かけて空いていたら利用できます。

待ち時間なしですぐに入館できるときもありますが、以前は時間が書かれた整理券が入口で配布されていました。リニューアル後は自動発券機による整理券配布になります。

筆者は2021年と2024年の2回、どちらも整理券をもらいました。女性よりも男性の方が混雑していることが多く、お昼過ぎにはその日の整理券配布が終わっていることもありました。

5年半ぶりの営業再開、ちょうど夏休み期間ということで、しばらくは混雑するのではないかと、2024年のゴールデンウィークに出かけた時、受付の方がおっしゃってました。
「道後温泉」公式サイト

道後温泉別館 飛鳥乃湯・椿の湯 

道後温泉本館以外に別館として飛鳥乃湯、椿の湯があります。こちらも、ぜひ利用してみてください。

飛鳥乃湯

飛鳥の湯 2022年撮影
2022年撮影

平成29年(2017年)に開業した道後温泉別館。飛鳥時代の建築様式を取り入れたアートのまち道後らしい建物です。前の広場でプロジェクションマッピングを行うなど、温泉以外の見どころも満載です。
女湯 プロジェクションマッピング
女湯 プロジェクションマッピング

浴室には内湯と露天風呂があり、内湯の壁では毎日18時半から30分おきに22時半までプロジェクションマッピングが投影され、万葉和歌の世界と音と映像で体感できます。

<飛鳥乃湯 館内>
 1階 男女浴室
 2階 大広間・個室・特別浴室

混雑時は受付の呼び出しシステムに登録。順番が近づくと電話で教えてもらえます。
特別浴室
湯帳を着て入る特別浴室

特別浴室は90日前から公式ホームページ、電話、Eメールで予約可能。特別浴室は毎回お湯を新しく入れ替える専用の御湯殿(内湯)のある個室で、かつて貴人がまとって入浴したという湯帳(ユカタビラ)を着て、古代の入浴法を体験できるという温泉好きには垂涎ものの浴室。筆者も一度体験してみたいと思いつつ、なかなか予約が取れません。


椿の湯

昭和28年(1953年)、商店街の中に建てられた道後温泉の姉妹湯。昭和59年(1984年)に今の蔵屋敷風の建物に改築されました。道後温泉特有の花崗岩(かこうがん)の湯釜が置かれています。

椿の湯 男性浴室
椿の湯 男性浴室

観光客向けというより、地元の人のための温泉といった感じでしょうか。地元の方たちといろいろお話ができて楽しかったです。

<椿の湯 館内>
 1階 男女浴室

混雑時は整理券を配布します。

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この記事を書いたライター
さとちん
さとちん

温泉とご当地グルメを愛するおでかけ&グルメ&旅ライター。 休日や旅先では朝風呂でパワーチャージ! 温泉ソムリエになりました。

温泉ソムリエ,サウナスパ健康アドバイザー,銭湯検定4級,高齢者入浴アドバイザー

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