豊富温泉「川島旅館」宿泊レポート!天然オイルバス&名物バター料理を満喫【北海道】 北海道

日本最北の温泉郷とされる豊富温泉。油分を含む特殊な泉質で知られ、遠隔地ながらも全国から多くの湯治客や温泉ファンが訪れる地です。
「川島旅館」は、豊富温泉の開湯当初から営業する老舗旅館。とりわけ温泉の良さと名物のバター料理に定評があり、口コミの評判も非常に高い宿。今回は筆者自ら宿泊し、自慢の温泉や料理をはじめ、パブリックスペース・客室など宿の全貌を徹底的にご紹介します!
「川島旅館」は、豊富温泉の開湯当初から営業する老舗旅館。とりわけ温泉の良さと名物のバター料理に定評があり、口コミの評判も非常に高い宿。今回は筆者自ら宿泊し、自慢の温泉や料理をはじめ、パブリックスペース・客室など宿の全貌を徹底的にご紹介します!
豊富温泉「川島旅館」とは
豊富温泉は、大正15年(1926年)に、石油の試掘の際に高圧の天然ガスと共に湧出した温泉。昭和初期には温泉街が形成され、開湯当初から多くの入浴客で賑わいました。平成に入ってからはアトピーや乾癬などの皮膚疾患に良いとの評判が高まり、平成4年(1992年)には環境省から「国民保養温泉地」の指定を受けました。

川島旅館 外観
「川島旅館」は、豊富温泉の開湯当初から営業する老舗旅館。令和の現代においても豊富温泉のリーダー的存在の宿であり、温泉地をずっと支えてきた存在です。
平成28年(2016年)には、宿を全面リニューアル。湯治場的な側面だけでなく、若い客にも受け入れやすいアットホームな雰囲気に生まれ変わりました。
パブリックスペースはどんな感じ?

エントランス&フロント
玄関をくぐった途端、木の温もり感じさせる瀟洒(しょうしゃ)な雰囲気に! 同時に館内からほんのりと温泉の香りが漂い、“温泉地に来たなあ”と気分が自然と高まります。

ロビーラウンジ
エントランス&フロントのすぐ横にあるロビーラウンジは、こじんまりとしながらも吹抜けを有した開放的な空間。宿泊客の憩いのスペースです。また薪ストーブも設置され、寒い時期にはここでゆったりと暖をとれそうです。

キッズコーナー
ロビーラウンジのすぐ横には、キッズコーナーを配置。まるで隠れ家のような部屋の中には絵本やおもちゃがあり、親の目が届きやすい場所で子供を遊ばせることができます。


図書コーナー
2階のホールや廊下には、図書コーナーもあります。ロビーや客室に持ち帰って読書を楽しむことも可能。筆者は好きな漫画を借りて、お風呂上がりの休息時間に利用しました。
世界的に希少な天然オイルバス!温泉施設の全貌
川島旅館は、温泉抜きでは決して語れません。豊富温泉はアトピーや乾癖(かんせん)などの慢性皮膚疾患をはじめ、美肌効果に優れた泉質として有名な存在。
川島旅館では、露天風呂付きの内湯と貸切露天風呂(有料)があり、その全てが源泉かけ流しで提供。さらには川島旅館の社長自らが湯守として温泉を管理し、温泉の鮮度にこだわり抜いた“生源泉”を存分に堪能できます。

豊富温泉の泉質
豊富温泉は、世界的にも大変珍しい“天然オイルバス”です。源泉井戸から湧出する温泉には、石油や天然ガスが含まれているために油分を含有。川島温泉で使用されている源泉の泉質名は「含ヨウ素-ナトリウム-塩化物泉」です。
人間の体液よりも濃い高張性の食塩泉のために温泉成分が体内に浸透しやすく、保温効果抜群。また温泉に含まれる油分が皮膚表面を覆い、保湿効果にも大変優れます。美肌成分で知られる重曹・消毒作用が期待できるメタほう酸も含有し、美肌効果抜群の泉質なのです。
内風呂
内風呂では、適温に調節されたメイン浴槽と加温しない源泉そのままの冷たい浴槽(湯船の中で概ね30度弱ほど)の2つの浴槽があります。

内風呂。手前が適温の加温浴槽。奥に非加熱浴槽が有ります。
浴室に入って最初に印象的なのが、温泉通が“アブラ臭”と呼ぶ湯の香りでしょう。確かにガソリンの様な石油の匂いがしますが、植物起源の有機質からなるモール成分も含有。ハーブの様な清々しい植物性の香りも同時に感じられ、不思議と癒されるアロマです。
また、非加熱源泉浴槽は豊富温泉の宿泊施設の中では唯一であり、温泉ファンには見逃せないでしょう。
露天風呂
露天風呂は、おふたりサイズ程度の小ぶりなもの。やや熱めに調整され、内風呂との温冷交代浴が実に心地良いです。

露天風呂
入浴の順番に決まりはありませんが、筆者的には適温の内風呂で体を慣らし、その後は露天風呂~非加熱浴槽、と温冷交代浴をするのがおすすめ。心身ともにシャキッとリフレッシュできます。
また入浴し続けると、浸透圧が高い高張性の温泉成分が油分によって皮膚表面を覆いこみ、驚くほどの保温保湿効果を実感。皮膚病の治癒のみならず、美容効果も期待できます。
貸切露天風呂
また、別途有料になりますが貸切露天風呂をもあります。事前予約制なので、利用されたい方はチェックイン後に予約をしましょう。

貸切露天風呂
他人に肌を見せたくないなど一人で温泉を楽しみたい方、小さなお子さん連れの方には特におすすめです。
口コミの評判高い“料理”は?
また川島旅館の場合、料理目的で宿泊する方も多いでしょう。それもそのはず。川島旅館の社長はイタリアンや中華の巨匠料理人の下で修行し、有名料亭などでも料理の腕を磨いた板長。北海道産の食材にこだわった独自の創作料理を楽しめるからです。

レストラン
夕食・朝食共に、1階フロント横にあるレストランで食事を頂きます。席の間隔は広めに取られ、各々に衝立が設置してあるので、半個室のような感覚で食事を楽しめます。
夕食
夕食は、板長おまかせのディナーフルコースや野菜たっぷりのデトックスコースなど、値段や好みによって幾つか選択できます。
筆者は、とりわけ評判の高い「バターづくしプラン」をセレクト。というのも、川島旅館がある豊富町は、道内でも有名な乳牛の生産地。その生乳を使った「とよとみフレーバーバター」は、知る人ぞ知る注目の一流グルメなのです。

バターづくしプランの一部。
写真左上:ホタテのカルパッチョ。左下:豊富バターのアヒージョ。右上:鮭のクリーム煮。右下:エゾシカ肉のソテー
料理は、一品一品頃合いを見計らいながら丁寧に運ばれます。一品ずつ提供されるのは、できたての料理を味わってほしいからでしょう。食材から味まで徹底したこだわりを感じずにはいられません。
バター料理と言えば一見しつこいイメージかもしれませんが、どの料理も素材の味を引き立たせるためにさりげなくバターを使用しているといった印象。むしろサッパリとしたヘルシーかつ上品なお味で、体の中から健康になるかの様でした。
朝食

朝食
朝食は、和と洋が融合したもの。和食で印象的だったものは、トロトロと茹で込まれた湯豆腐。あっさりしているので、炊きたてご飯との相性も抜群です。
洋食で特筆すべきは、豊富産の牛乳。まるで無糖のソフトクリームとでも言いたくなるほどのクリーミーさ。おかわり自由のパンが一段と美味しく感じられます。
種類豊富なバター
また朝食で注目すべきは、種類豊富なバターをバイキング形式で自由にいただける点。ご飯でもパンでも相性抜群で、お好きな味をセレクトできるのも嬉しい配慮。“バターって、こんなにアッサリ美味なんだ”、と新発見できました! 口コミの高さにも納得です。
客室は全3タイプ
客室はA・B・Cと、全3種類あります。筆者は気ままな一人旅だったので、最もシンプルなAタイプ(シングル)を利用しました。

Aタイプ(シングル)
シングルルームとはいえ、冷蔵庫・テレビ・インターネット無線LAN(Wi-Fi)完備。不自由することは全くありませんでした。
また電気ポットも設置されていますが、使用する水は水道水がおすすめ。もちろん自販機のペットボトルを購入しても構いませんが、豊富町は水が本当に美味しい地域で、水道水でもミネラルウォーター並みの水が飲めます。

浴衣。伸縮性のある帯は着心地抜群!
アメニティ類は、浴衣・バスタオル・フェイスタオル・ハブラシ・カミソリ、と一通り揃っています。特筆すべきは、浴衣の帯が若干伸縮性のあるものを使用し、これがお腹にピッタリとフィット。滞在中はどうしても浴衣でいる時間が長いので、これは嬉しい配慮と言えるでしょう。
ちなみに、Bタイプ(ツイン)とCタイプ(デラックス)は、以下の通りです。
Bタイプ(ツイン)
Cタイプ(デラックス)。部屋から貸切露天風呂へ行くことも可能。
いずれの部屋も一人泊可能であり、療養目的で訪れる方にも配慮されています。高級旅館では一人泊が難しい場合も見受けられますが、湯治客を大切にし続けた豊富温泉ならではのサービスを至るところで感じるでしょう。
豊富温泉「川島旅館」は、どんなに人におすすめ?
以上、豊富温泉「川島旅館」の宿泊レポートをご紹介させてきました。日帰り入浴も可能な宿ですが、その魅力を十全に満喫するならば、やはり宿泊がベスト。
最後になりますが、川島旅館は以下のような方におすすめです。
・泉質重視。世界的にも希少な“天然オイルバス”を存分に満喫されたい方
・北海道産の食材にこだわった美食会席を楽しみたい方
・オシャレで小綺麗な宿がお好みの方
・一人旅、療養目的で訪れたい方
ぜひ、参考にされて下さいね!
▼豊富温泉についてはこちらの記事もご覧ください
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この記事を書いたライター
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- 権丈 俊宏
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良質の温泉を求め、全国を旅すること20数年。特技は、自らの五感を駆使したオリジナルの泉質分析。“温泉は数より質”がポリシー。一級建築士。
温泉マイスター,サウナ・スパ健康アドバイザー,一級建築士,ソニー・イメージング・プロ・サポート会員
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