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鳴子温泉「旅館すがわら」宿泊レビュー!3本の自家源泉と8つの浴室で“湯めぐり三昧”可能な温泉特化型宿 宮城

宮城県・鳴子温泉郷の中心部に位置する「旅館すがわら」は、創業150年超の老舗でありながら、2023年4月に「素泊まり専門の宿」としてリニューアルオープン。同時に温泉熱を利用したサウナも新設され、温泉ファン・サウナ―双方に注目のスポットです。



特筆すべきは、館内で完結する圧倒的な「湯めぐり」のバリエーション。“温泉のデパート”・“東の横綱”と称される鳴子温泉郷の中でも、3本の異なる自家源泉を使い分けるその実力は折り紙付き。実際に宿泊した筆者が、“温泉”を中心にその全貌を詳細レビューします!

「旅館すがわら」の概要・基本事項

旅館すがわらの外観
 
旅館すがわらは創業150年超、鳴子温泉を代表する老舗旅館のひとつです。以前は二食付きの典型的な和風旅館でしたが、2022年8月末をもって一旦休業。半年ほどの改装工事期間を経て、2023年4月に素泊まり専門宿としてリニューアルオープンしました。
※以下、すがわらと略します。
 
エントランスホール。二食付き旅館時代の名残も残されています。

館内に飾られた「鳴子こけし」。随所に鳴子らしさを感じさせます。
 
客室はいくつか種類がありますが、トイレがあるタイプと無いタイプがあります。気になる方は予約時にしっかり確認しましょう。また公共交通機関での宿泊の場合、JR鳴子温泉駅までの送迎がありますが、送迎時間などの詳細は個別で宿にお問合せして下さい。
 
筆者が宿泊した客室
 
素泊まり専門といっても、複数のプランがあります。通常は15時~チェックイン・翌10時までにチェックアウトが主ですが、筆者は今回リピーター限定の最大30時間滞在可能なプラン(11時チェックイン~翌日17時チェックアウト)を選択しました。すがわらの場合はとにかく浴室の数が多く、少しでもゆっくりと温泉を満喫したかったためです。
 
客室に設えられたアメニティ類
 
客室には、浴衣・羽織・タオル・バスタオル・歯ブラシ、写真にはありませんがドライヤー・冷蔵庫も設置されていました。なお、すがわらの場合は客室喫煙可です。近年はほどんどの旅館・ホテルの客室が禁煙になっている中、大変珍しい事例。愛煙家には見逃せないポイントでしょう。なお、禁煙希望の方は事前に宿に伝えておきましょう。可能な限り消臭対応をした部屋を案内してくれます。
 
館内図
 
また、客室には「施設のご案内」と書かれた館内図が置かれています。すがわらは単に浴室の数が多いだけでなく、エレベーターが無い上に動線が長い建物。自分がどこにいるか分からなくなる&無駄な動きをする可能性も高いので、持ち歩いで館内を散策した方が良いでしょう。

3本の自家源泉・全8カ所の浴室+足湯をご紹介

最初に、源泉&浴室の概要から説明

冒頭でも申しましたが、すがわらでは3本の自家源泉を所有し、8つの浴室と別に足湯(冬季閉鎖)があります。すがわら最大の魅力は、敷地内に湧く3本の自家源泉を贅沢に使い分けている点、といっても決して過言ではないでしょう。

多くの浴室は日帰り入浴も可能であり、種別ごとにまとめてみると、以下の通りになります。
 
源泉
・源泉名「摩天の湯A」(泉質名:ナトリウム―炭酸水素塩泉)
・源泉名「摩天の湯B」(泉質名:ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉)
・源泉名「摩天の湯C」(泉質名:ナトリウム―塩化物・硫酸塩泉)
※どの浴室にどの源泉が使用されているかは、記事後半にある各浴室の解説の中でご説明します。
 
筆者宿泊時は、雪見露天風呂を楽しめました。
 
浴室
男女別大浴場「うるおいの湯」
宿泊客:24時間利用可。日帰り入浴:10時30分~17時。日帰り大人一人700円。
男女交代制大浴場「摩天風呂」
宿泊男性:20時~翌8時45分、同女性:9時~19時45分。日帰り入浴:10時30分~17時。日帰り大人一人500円
男女交代制浴場「美肌の湯」
宿泊男性:9時~19時45分、同女性:20時~翌8時45分、日帰り入浴:10時30分~17時。日帰り大人一人500円
※日帰りは「美肌の湯」と「美肌の湯・露天」合わせて大人一人500円です。
男女交代制浴場「美肌の湯・露天」
利用時間帯・日帰り料金は「美肌の湯」と同じ。
1階貸切風呂(全2箇所)
宿泊客:24時間利用可。日帰り入浴:10時30分~17時。日帰り大人一人40分500円。
・3階貸切露天風呂(全2箇所)
宿泊客:24時間利用可。日帰り入浴:不可
・足湯「蒼天の湯」
8時~17時。冬期利用不可
 
※日帰り入浴は、いずれも16時30分が最終受付。金額は浴室1ヶ所あたりの価格です。
※タオル・バスタオル・浴衣は、日帰り利用でも有料で利用可能。手ぶらでも安心です。
 

男女別大浴場「うるおいの湯」

 
うるおいの湯の入口
 
男女別大浴場「うるおいの湯」は、2023年4月に新設オープンした最新の浴室。入口とアプローチからして、近年流行のスパ施設のような洗練された空間に驚かされます。
※以下のうるおいの湯の画像は、男湯のものになります。
 
アプローチ。女性浴室入口前
 
脱衣室は、大きめの洗面化粧台・ドライヤー・脱衣棚とカゴ、写真にはありませんが鍵付きの貴重品入れがあります。


 脱衣室

浴室
 
浴槽は、浴室中央奥にドーンとあります。源泉は摩天の湯B(含食塩―芒硝泉)と摩天の湯C(含芒硝―食塩泉)の混合泉が滔々とかけ流されています。泉質名の通り食塩と芒硝が拮抗した泉質であり、よく温まり肌が潤うMT湯(無色透明の温泉)です。
 
サウナ室。画像提供:旅館すがわら
 
温泉で軽く温まったら、サウナ室へ。100度近い自家源泉の熱を利用したサウナ室(フィンランド式サウナ)が造られています。サウナ横には水風呂もあり、浴槽の前にはととのいスペース(チェア)も配備されていました。

温泉~サウナ~水風呂~ととのいスペースの無限ループは、中々癖になりそうな心地良さ! 温泉がサッパリとした保湿系の泉質であり、サウナとの相性も抜群。「うるおいの湯」だけでも十分“ととのう”を実感しました。
 

男女交代制大浴場「摩天風呂」

摩天風呂は以前からすがわらを代表する浴室でしたが、2023年のリニューアルによって内湯から露天風呂に変更。以前とは大きく佇まいが変貌しました。男女交代制の浴室であり、日帰り入浴時間帯では女性専用になります。
 
脱衣室
 
脱衣室も、うるおいの湯と同様にシックで洗練された空間。洗面化粧台・ドライヤー・脱衣棚とカゴ、写真にはありませんが鍵付きの貴重品入れがあります。
 
シャワースペース
 
今回リニューアルで浴室が露天風呂になったので、脱衣室と浴室の間にある屋内部分にシャワースペースが設置されています。シャンプー・コンディショナー・ボディソープも常備しています。
 
露天風呂
 
筆者宿泊時は前日夜から大雪が降り、雪見風呂を堪能。九州在住の筆者にとっては、中々貴重な体験ができました。使用源泉は「摩天の湯B」で、泉質名は「ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉」です。

湯船に浸かった途端、温泉通が“芒硝臭”と呼ぶ独特の甘い湯の香りがしますが、これが不思議と心和む魅惑のアロマ。肌を湯船の中でさするとキシキシと硬質感ある肌触りですが、同時に肌を包み込むような柔らかさを実感。湯が新鮮でありながらも適度に湯がこなれ、至福のひとときを過ごせました!
 
すがわらブルーの「摩天風呂」(リニューアル前撮影)。画像提供:旅館すがわら
 
また摩天風呂は、状況によってお湯の色が水色に変化することでも有名。この青湯はすがわらをはじめ、大分県の別府・湯布院や熊本県のわいた山麓など、極一部の地域にしかない泉質です。今回宿泊時は無色透明でしたが、状況次第で通称“すがわらブルー”に出会える可能性があります。
 

男女交代制浴場「美肌の湯」&「美肌の湯・露天」

男女交代制浴場「美肌の湯」と「美肌の湯・露天」は、玄関から見て2階の一番奥にあります。男女交代制の浴室であり、日帰り入浴時間帯では男性専用になります。
※「美肌の湯・露天」は、以下「露天」と略します。
 
脱衣室。上画像左手前が「美肌の湯」入口、右奥へ曲がると「露天」入口です。
 
2つの浴室に分かれていますが、脱衣室は共通です。洗面化粧台・ドライヤー・脱衣棚とカゴは設置。またここでは、鍵付きロッカーとダイヤル式の貴重品入れが各々設置されています。
 
「美肌の湯」の浴室
 
美肌の湯の使用源泉は「摩天の湯B」。先に紹介した摩天風呂と同じ泉質です。摩天風呂に比べると湯船が小さいせいか、やや熱めに感じるフレッシュなお湯。摩天風呂とは一味違った心地良さを感じさせます。
 
「露天」の浴室。こちらでも見事な雪見風呂を堪能できました。
 
一方で、露天の使用源泉は「摩天の湯A」。ここでしか入浴できない源泉です。驚くべきは他の2源泉と泉質が全く異なり、アブラ臭がする濃厚な黒湯である点。とはいえ石油の様な機械油系の香りではなく、モール泉を更に強くしたような芳香。まさに東鳴子温泉系統の重曹泉であり、隣り合う浴室で全く異なる泉質を味わえる鳴子温泉ならではの光景でしょう。
 
筆者はこの2つの浴室が特に気に入り、何度も繰り返し入浴しました。どちらのお風呂も絶品ですが、「美肌の湯」を最後に〆で入浴すると肌がしっとり保湿・パックされ、芒硝泉(硫酸塩泉)の美肌湯効果をより一層実感するに違いありません。
 

1階貸切風呂(全2箇所)

また、1階受付の奥に貸切風呂が2箇所あります。宿泊客のみならず、空きがあれば日帰り入浴も可能です。
 
1階貸切風呂(向かって左)

1階貸切風呂(向かって右)
 
使用源泉は「摩天の湯C」で、泉質名は「ナトリウム―塩化物・硫酸塩泉」です。単独源泉としては、ここだけで使用されている源泉です。食塩泉と芒硝泉の特徴が拮抗した泉質で、肌をさすると弱いツルツル感(お湯の柔らかさ)が心地良いです。比較的大人しめの優しい泉質であるものの、旅の疲れを癒すにはむしろピッタリのお湯でしょう。
 

3階貸切露天風呂(全2箇所)

また、3階廊下奥には、屋根が付いた半露天タイプの貸切風呂が2箇所あります。宿泊者専用で、日帰りでは利用できません。

3階貸切風呂(向かって左)

3階貸切風呂(向かって右)
 
使用源泉は「摩天の湯B」(泉質名:ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉)で、露天風呂「摩天風呂」や2階「美肌の湯」でも同じ源泉が利用されています。筆者はブルーアワーを狙って利用しましたが、美しい情景をひとり占めで楽しむことができました。
※ブルーアワーとは、日の出前と日の入り後に発生する空が濃い青色に染まる時間帯のこと
 

足湯「蒼天の湯」

また、1階の中庭には「蒼天の湯」と呼ばれる足湯があります。
 
足湯「蒼天の湯」
 
使用源泉は「摩天の湯B」(泉質名:ナトリウム―硫酸塩・塩化物泉)。しかし冬期は使用されておらず、お湯が溜められていませんでした。

「旅館すがわら」では、食事はどうするの!?

素泊まり専門宿の場合、どうしても気になるのが食事。事前に調達する・外食で済ませるなど、事前に考えておかなくてはいけません。

筆者が朝食で利用した「豚汁定食」
 
鳴子温泉は程良い規模の温泉街を持つ温泉地であり、各所に食事処は点在しています。また徒歩4分(約280m)の場所に全国チェーンの24時間営業のコンビニエンスストアがあり、そこで買い出し・持ち込みしても良いでしょう。
※ソフトドリンクの自動販売機は、宿内に設置されています。

まとめ:温泉を主役にするなら「旅館すがわら」は理想の湯宿

贅沢な眺め・洗練された接客・豪華な食事よりも、とにかく「良質な湯に浸かりたい」「いろんなお風呂を独り占めしたい」という温泉ファンにとって、旅館すがわらは理想郷のような宿に違いありません。

「温泉はお湯こそが主役」と思われる方ならば、“東の横綱”とも呼ばれる鳴子温泉が持つ湯の力を、ぜひ館内のフルコースで体感してみてください。


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この記事を書いたライター
権丈 俊宏
権丈 俊宏

良質の温泉を求め、全国を旅すること30年余り。特技は、自らの五感を駆使したオリジナルの泉質分析。“温泉は数より質”がポリシー。一級建築士。

温泉マイスター,サウナ・スパ健康アドバイザー,一級建築士,ソニー・イメージング・プロ・サポート会員

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