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最終更新日:2024年03月11日

湯船と浴槽の違いって?日本のお風呂の歴史と湯船につかる健康効果を解説! 全国

「湯船につかる」という表現は、日本のお風呂文化特有のものです。日本語では「湯船」と似た言葉に「浴槽」がありますが、英語では「バスタブ」という一語で表現され、他に変わる言葉はありません。

そこで本記事では、湯船と浴槽の違いを日本のお風呂文化の歴史から深掘りして紹介するとともに、湯船につかることで得られる健康効果を詳細に解説します。

シャワーだけでなく湯船にゆっくりとつかった方が良いといわれる理由を知り、日々のバスタイムをより有意義なものにしていただけると幸いです。

湯船の歴史

湯船の歴史に触れるにあたって、まずはその語源から紹介します。

湯船の語源

湯船の語源が何かについては諸説ありますが、江戸時代の移動式銭湯が由来といわれています。

移動式銭湯は、川を渡る小船に浴室や浴槽を取り付けたもので、最初はたらいを積んだだけの簡素なものでした。その後時代を経て改良され、屋形船を用いた移動式銭湯へと発展していきました。

江戸時代は、世に銭湯が広まった時代ともいわれていますが、街外れには銭湯が普及していない地域もあり、移動式銭湯が使われていたそうです。その後時代とともに家庭に浴槽が普及し、移動式銭湯の存在は消え、「湯船」という名前だけが残りました。

「湯船」は江戸時代に使われていた言葉ですが、平安時代にも浴槽を指す言葉として「ゆぶね」が使われており、「和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」に「由布禰」と記載されています。さらに平安時代の「栄花物語」にも「ゆぶねの湯わかし」が記されており、古代日本からの使用が確認されています。

湯船と浴槽の違い

「湯船」は、入浴するためにお湯を入れる大きな箱・桶・槽を指す言葉です。また江戸時代に船内に設置された有料の浴槽を含む商業利用の船という、歴史的な意味合いもあります。

一方「浴槽」は、入浴のために人が入れるように湯を入れる箱・桶・槽、または湯を沸かせるようにした箱・桶・槽を指す言葉です。浴槽はその他の名称として、「バスタブ」「湯船」「風呂桶」とも呼ばれます。

「湯船」と「浴槽」は、どちらも入浴用の大きな箱・桶・槽を意味する言葉ですが、「湯船」には江戸時代の銭湯船の歴史的意味が含まれるのが、「浴槽」との大きな違いです。

湯船と日本のお風呂文化

冒頭で「湯船につかるという表現は日本のお風呂文化特有のもの」と触れましたが、ここで日本と海外の入浴文化の違いについて見てみましょう。

日本のお風呂の歴史

火山国である日本には各地にさまざまな温泉が湧き出ており、昔から日本人は温泉や石風呂(蒸気浴)に入浴していました。

お風呂が日本に普及したきっかけは、6世紀に仏教の伝来と共に中国から伝わったこととされています。寺院では体を清めるために浴堂が設けられ、庶民にも入浴の習慣が広まっていきました。

江戸時代には、宗教的なものではなく純粋な公衆浴場「銭湯」が登場します。当時の銭湯は「戸棚風呂」という形式で、現代でいうサウナに似た蒸し風呂の一種でした。

江戸幕府が開かれた慶長年間の末頃、たっぷりの湯に首までつかる「据え風呂」が登場し、後に家庭での入浴が広まります。据え風呂は蒸気や薬湯ではなく井戸水を沸かして入れるため、「水風呂」とも呼ばれました。

この頃、船に浴槽を設けた移動式銭湯「湯船」も登場し、平安時代からすでにあった「ゆぶね」という言葉に漢字を当て、以後定着していきます。

また関西では、桶の底に平釜をつけた「五右衛門風呂」が普及しました。

明治時代には銭湯の様式が大きく変化し、「改良風呂」と呼ばれる洗い場を広げ、天井を高くした開放的で清潔感のあるスタイルが登場します。

そして大正時代になると銭湯はさらに近代化し、板張りの洗い場や木製浴槽がタイル張りへと変わりました。後に水道が普及すると浴室に水道式のカランが取り付けられ、衛生面においても大きく向上しました。

日本と海外の入浴文化の違い

平成20年時点での日本の浴室保有率は95.5%で、ほぼすべての世帯に浴室がある計算です。

しかし海外ではリラックスしたりバスタイムを楽しんだりする発想は少なく、シャワー文化が主流となっており、お風呂に入るのは特別なシーンに限られます。海外ではサウナ文化が発展し、国によっては自宅にサウナルームがあることも多いようです。

日本と欧米の入浴文化で、特に大きく違うのが「洗い場がないこと」です。欧米では浴槽の中で体を洗うのが一般的で、あまり長時間お湯にはつかりません。洗い終わったらお湯を抜いて、最後はシャワーで洗い流すのが普通で、欧米では泡が残っていても気にせず、タオルで拭き取ってしまうことが多いようです。

湯船につかると得られる健康効果

湯船につかると得られるさまざまな健康効果の詳細を紹介します。

温熱作用

湯船につかって体を温めると、体の疲労回復、快眠、リラックス、神経痛の改善、腰痛や肩こりの緩和などの効果が得られます。

温熱作用が発動すると血液循環が良くなり、酸素や栄養素が体全体に行き渡りやすくなるため、老廃物の排出が促されます。

そのほか、温熱作用は痛みの軽減や柔軟性を高めるのにも効果的です。体が温まると筋肉が緩み、関節の緊張が和らぐので、神経の過敏性も抑制されます。

静水圧作用

静水圧とは、静止している水中で働く圧力のことです。

湯船につかると体は全方向から適度な水圧を受け、ポンプのような働きをし、重力で下半身に溜まった血液やリンパを心臓に戻します。これにより血行を促進し、足や体全体のむくみ解消に効果的です。

また、静水圧により血流が良くなることで、新陳代謝が活発になり、疲労回復にも効果があるといわれています。

睡眠の質の改善

寝る前にお風呂に入り体を温めると、睡眠の質も向上します。

寝る1時間前にお風呂に入り、湯冷めしないように気をつけ、寝る前に水分を摂れば入眠がスムーズになります。

特に暑くて寝苦しい夏は、暑くても湯船につかるのが効果的です。一度体をしっかりあたためると、その後の体温低下によるスムーズな入眠につながっていきます。

免疫機能の上昇

湯船につかって新陳代謝を向上させることで、体の免疫機能も高められます。

代謝が良くなると体の回復力も高まるので、疲労を感じにくくなるでしょう。さらに、蒸気で体が潤うことも免疫力の向上に寄与すると考えられています。

リラックス効果

湯船につかるとリラックス効果も期待できます。お風呂に入るのは疲労回復にも効果的で、体だけでなく、心からリラックスできるためです。

入浴時に入浴剤やバスソルトを使用して香りや成分を加えることで、リラックス効果をさらに高められます。

浮力作用

湯船につかって体に浮力がかかることで、体が重力から解放され、腰痛の緩和やリラックス効果をもたらします。

お風呂に首までつかると、体重の負荷が約10分の1にまで軽減され、浮くような感覚を得ることでストレス解消効果を感じる人も多いようです。

粘性・抵抗性作用でストレッチ

水中では粘性や抵抗性の作用により、体を素早く動かすのが困難になります。この状態でストレッチなどをして体を動かせば、安全かつ効率的な運動が可能です。

湯船で筋肉に刺激を与えることで、運動療法的効果を得やすいほか、水中では陸上よりも難しい姿勢を維持しやすいため、ストレッチにも適しています。

清浄作用

湯船につかると毛穴が開き、毛穴や皮膚表面の汚れ・皮脂などが落ちやすくなります。

これにより肌を清潔に保てるのはもちろん、病気の予防や健康維持、美肌作りにも効果的です。

湯船でゆったり、おすすめの入浴方法

湯船でゆったり、おすすめの入浴方法
湯船につかるにあたって、おすすめの入浴方法を詳しく紹介します。

お風呂に入るタイミング

人は体温が下がっていくときに睡眠に入りやすくなり、睡眠の質も向上します。そのため入浴で上昇した体温が下がり始める就寝の1〜2時間前がお風呂に入るベストなタイミングです。

お湯の温度と湯量

お湯は、熱すぎずリラックスしやすい40℃程度がおすすめです。副交感神経が優位になりやすく、のぼせるリスクも少なくてすみます。

湯量は肩までつかる程度がおすすめです。肩まで全身つかることにより、温熱効果や静水圧効果、浮力効果を効率的に得られます。

心臓や肺に疾患のある方は、お湯の温度を38℃程度、湯量をみぞおちの辺りまでにして半身浴にすることで、体への負担を和らげられます。

湯船に浸かる時間は何分がベスト?

湯船に長時間つかりすぎるとのぼせる危険があるため、長湯はおすすめできません。

全身浴は約10分程度が理想で、顔や額に汗が出る程度が効果的な入浴の目安です。
ただし、浴室の温度が低い、入浴者の身体が冷えているなど温まるのに時間がかかる場合もあります。その場合は15分を目安にするとよいでしょう。

入浴後は湯冷め防止のため体についた水分をしっかり拭き取り、体を冷やさないように注意。また、お風呂では想像以上に汗をかいているため、水分補給も忘れずしっかり行いましょう。

湯船の歴史 江戸時代以前から続く老舗温泉旅館3選

最後に、湯船の歴史にちなんで江戸時代以前から続く老舗の温泉旅館を3つ紹介します。施設の歴史を感じながら、最高のおもてなしを受けたい方にぴったりなので、気になる施設があればぜひ訪れてみてくださいね。

時音の宿 湯主 ・一條 / 宮城県白石市

時音の宿 湯主 ・一條
宮城県白石市にある「時音の宿 湯主 ・一條」は、大正時代から昭和初期にかけて建てられた、木造一部4階建ての老舗旅館です。森から切り出してきた木材で、宮大工の手によって釘を一本も打つことなく建築されたそうで、レトロで味のある雰囲気がそのまま残っています。

お風呂は約600年の歴史を感じさせる優しい泉質の「薬湯」と、入浴後肌がつるつるになる「洞窟の湯」の2種類の源泉を有しています。


あさば / 静岡県伊豆市

静岡県伊豆市にある「あさば」は、五百十余年の歴史ある老舗旅館です。部屋は日本の美しい伝統が受け継がれた、純和風の趣のある景観が特徴的で、窓を開ければ庭園の空間が広がります。

お風呂は、竹林と池を眺めながら四季の変化を満喫できる格別の露天風呂のほか、檜の温もりを感じる内湯や貸切風呂もあり、家族みずいらずの入浴も可能です。


信州湯田中温泉 よろづや / 長野県下高井郡

長野県下高井郡にある「信州湯田中温泉 よろづや」は、江戸時代寛政年間創業の老舗旅館です。室内には代々引き継がれた調度品が飾られており、心和む空間を演出しています。

お風呂は3箇所の自家源泉から引き込んだ天然温泉を掛け流しで楽しめます。お湯は無色透明で、さらりとした質感が特徴的です。露天風呂の周りは庭園になっており、こちらも掛け流しで楽しめます。

日本が誇る湯船とお風呂文化で充実したバスタイムを!

日本のお風呂文化は素晴らしいものです。湯船につかると心身ともに癒され、さまざまな健康効果を得られます。

みなさんもぜひ湯船につかって、充実のバスタイムを満喫してくださいね。


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この記事を書いたライター
AREC
AREC

Web、紙、動画など、媒体を問わずクリエイティブ精神豊富に活動するフリーライター。運動をする機会が少ないため、サウナや岩盤浴で汗を流し、温泉で体をほぐすのが日々の癒しです。

温泉ソムリエ

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