大阪の繁華街で温泉につかれる「湯処 あべの橋」はサウナ充実、イベントも楽しい 大阪

大阪でも指折りに交通の便がよい街、阿倍野(あべの)。
ファッションビルやショッピングモールが建ち並ぶにぎやかな阿倍野にある「湯処 あべの橋」は、「都会のなかで天然温泉につかれる」と人気の銭湯です。
温泉だけではなく、驚きの広さ、頻繁に開催される楽しいイベント、さらに看板娘や看板猫にも出会えるとあって、ワクワク感がいっぱい。
手ぶらセットもあり、休日だけではなく学校や会社帰りにふらりと立ち寄ってリフレッシュできますよ。
ファッションビルやショッピングモールが建ち並ぶにぎやかな阿倍野にある「湯処 あべの橋」は、「都会のなかで天然温泉につかれる」と人気の銭湯です。
温泉だけではなく、驚きの広さ、頻繁に開催される楽しいイベント、さらに看板娘や看板猫にも出会えるとあって、ワクワク感がいっぱい。
手ぶらセットもあり、休日だけではなく学校や会社帰りにふらりと立ち寄ってリフレッシュできますよ。
大阪の繁華街で「温泉につかれる銭湯」があった!
大阪の一大繁華街、阿倍野(あべの)。日本で2番目に高い、駅ビルとしては日本でもっとも高い「あべのハルカス」や、大型ショッピングモール「あべのキューズモール」、百貨店「近鉄本店」などアミューズメントスポットがぎゅっと集まった、にぎやかでとっても楽しい街です。
そんな阿倍野にある「湯処(ゆどころ)あべの橋」は、なんと“天然温泉につかれる銭湯”なんです。都心で心ゆくまで遊んだあと温泉でさっぱり汗を流して帰れるなんて最高。しかも、「銭湯のイメージをくつがえす広さ」を誇るのだそうですよ。
そんなウワサの銭湯へ、さっそく行ってみましょう。
周囲には駅がたくさんあってとっても便利
「湯処 あべの橋」は、とにかく交通の便利さが魅力。もっとも近い大阪メトロ谷町線の天王寺駅からならば3分でアクセス可能な好立地です。ほか、近鉄大阪阿部野橋駅、JR天王寺駅、大阪メトロ御堂筋線の阿倍野駅と天王寺駅、阪堺線阿倍野駅と天王寺駅前駅、どこからも徒歩5分で到着できます。

日本で2番目に高いビル(*2024年2月現在)「あべのハルカス」が目印。

もっとも近いのは大阪メトロ谷町線「天王寺」駅。
「湯処 あべの橋」は地上40階建ての高層マンション「あべのグラントゥール」の低層棟1階にあります。タワーマンションのなかにある銭湯だなんて、早くもリッチな気分になりますね。駐車場は5台あり、60分無料。自動車の利用にも対応しているのです。

「湯処 あべの橋」はタワーマンション「あべのグラントゥール」のなかにあります。

高層ビルやマンションに囲まれています。
高層ビルに囲まれた都会の銭湯なのです。
楽しい不定期イベントがお出迎え
自動ドアの向こうにずらりと並ぶ下足箱。

広々とした下足コーナー。

100円硬貨を投入して鍵をかけ、帰る際にリターンされるシステムです。
入館料は自動販売機での発券による精算方式です。入泉料は大人(中学生以上)520円、中学生380円、小学生200円、小人100円。300円で乾式サウナが利用できます(スチームサウナは入泉料に含まれます)。*いずれもクレジットカード不可、現金のみです。
「サウナ付き手ぶらセット」は大と小の貸しタオル+石鹸+シャンプー+リンスがついて980円。お風呂セット持参しなくても温泉が楽しめるんです。友達と阿倍野で遊んでいて突然「そうだ、銭湯へ行かない?」という流れになっても大丈夫。
*2024年2月現在の料金。いずれも税込価格です。
館内に入ると、おお! 神社の鳥居を模したオブジェが立っていました。鳥居のまわりでおみくじが引けたり、輪投げで遊べたり。手作り感があって、まるで学園祭のようなワクワクさがあります。

約2か月に1度のペースで変わるイベント。取材時は神社がありました。
かわいい輪投げコーナーで遊べました。
これは2024年2月21日(水)まで開催されていた絵本作家・きたあいりさんの期間限定イベント「おみくじパネル展」のアトラクション。「湯処 あべの橋」では、おおよそ2か月に1度の不定期、館内でイベントを催すのが特徴なのです。
猫がいたり顔出し看板があったり
銭湯では珍しくホールがあるのも嬉しいポイントです。

椅子スペースと床で休めるスペースがあります。

絵本や子ども向けの椅子もあり、子連れのお客様にも対応。

15分で200円の大きなマッサージチェアも備えられ、のびのびとくつろげる雰囲気。
なんと、「顔出し看板」もありました。こちらは人気絵本『アブナイおふろやさん』がモチーフ。作者の山本孝さんのパテル展を開催した記念に設けられました。銭湯のなかで記念写真を撮れるのは珍しいですね。
「顔出し看板」は看板娘の糸谷彩乃さんをはじめスタッフにお願いすれば撮影してくれますよ。
ホールには時おり飼い猫の琥珀(こはく)ちゃんが姿を現します。

アイドル猫の琥珀ちゃん。

琥珀ちゃんは看板娘の彩乃さんとも大の仲よし。
琥珀ちゃんに会いに来るお客さんも多いのだそうです。琥珀ちゃんの出没は気まぐれ。運がよければ出会えるかもしれません。
脱衣場は女湯、男湯ともに幼児用のベッドが設置されています。

こちらは女湯の脱衣場。男湯にも幼児用のベッドがあります。

こちらも100円硬貨を投入して鍵をかけ、解除すると返却されます。
ドライヤーには過去のイベントのステッカーなどが貼られ、「湯処 あべの橋」のこれまでのヒストリーを感じますね。

ドライヤーは2分20円です。
全長10メートルの浴槽で手足をグーンと伸ばそう
いよいよ浴室へ。ほお~。なんという広さ。銭湯のイメージをくつがえされるワイドな空間です。これはテンションがあがりますね。

こちらは女湯。

「掛け湯」と「掛け水」の2種類があるのが嬉しい。
女湯は向かって右が温泉、左が白湯。男湯は向かって左が温泉、右が白湯。温泉は大阪の港区にある、源泉かけ流しで知られる「天然温泉テルメ龍宮」から毎日トラックで輸送して搬入しているのというから驚き。だから「運び湯」と呼んでいるそうです。

男湯は向かって左が温泉。天然温泉を毎日運んできています。

男湯は右側が白湯。外光が差し込んで明るい雰囲気です。
温泉の泉質は「1,500メートルの深さから汲みあげた単純温泉」とのこと。海岸沿いから汲みあげた温泉だからなのか、ほのかに潮の香りがして風情があります。
それにしても浴槽が大き~い。ジェットバス、寝湯、電気風呂など多彩な設備が境目なく並び、全長はなんと10メートルにも及ぶのだそうです。10メートルもあるので全身ぐいーんと遠慮なく伸ばせました。

ジェットバスの横幅もたっぷりあってダイナミックな水流を堪能できます。

季節によって旬のボンタンを浮かべるなど変わり湯も。
変わり湯を楽しみにしているお客様も多いんですって。
壁には絵本のページや「なぞなぞ」が貼られ、ギャラリーになっているのが特徴。湯船につかっていても絵を鑑賞したり頭の体操ができたりします。

湯船につかりながら絵本が鑑賞できるなんてお得感があります。

なぞなぞはけっこう難しくて、考えちゃいますね。
掲示物は館内のイベントによって異なるのだそうです。新作を見るために何度でも通いたくなります。

シャワーとカランを完備した洗い場も余裕たっぷり。

レトロなタッチの「クズ入」がカワイイ。

スチームサウナは瓦屋根。
タワーマンションのなかにまるで日本家屋のようなスチームバスがあって、別世界へタイムトリップした気分にひたれます。

スチームサウナ内の座面は自動流水の洗浄機能を備えており清潔。

乾式サウナはタワー型。
乾式サウナは300円の利用券で専用のバスタオルが貸し出され、サウナキーで入室できます。
水風呂のタイルは金色でゴージャス!

水風呂は底に金色のタイルが敷き詰められています。
輝くタイルが神々しいです。「金の茶室」ならぬ金の水風呂。これは「お客様の金運が湧きあがるイメージ」なのだそうです。確かに「なんだか儲かりそう」な気分になれましたね。
湯あがりのドリンクやフードは大きなフロントで購入できます。

売店を兼ねたフロントはカウンターが広々。たくさんのオブジェが並んでいます。
湯あがりは、人気猫の琥珀ちゃんをラベルにした「湯処 あべの橋」オリジナルサイダーや大阪生まれの各種クラフトビールでクールダウン。

「湯処 あべの橋」オリジナルサイダーは300円(税込)。

大阪生まれの多彩なクラフトビール。
売店を兼ねたフロントでは駄菓子もあって小腹を癒せます。

駄菓子やおつまみが豊富。親子でフードを楽しめます。
大阪のおやつ「都こんぶ」があるのがニクイですね。
看板娘やサウナガールに会えるかも
ではなぜ、わざわざトラックで運んでまで天然温泉にこだわる銭湯が誕生したのでしょう。2代目の女将・森和子さんと、若女将であり娘の糸谷彩乃さんにお話をうかがいました。

看板娘の糸谷彩乃さんと、2代目の女将、母の森和子さん。
――「湯処 あべの橋」の開業はいつですか。
森和子さん(以下、森):昭和26(1951)年に夫の両親が開業しました。阿倍野の再開発とともに平成16(2004)年に、このマンションの1階でリニューアルオープンしたのです。
――大阪市港区にある「天然温泉テルメ龍宮」から毎日、温泉を運搬しておられるのだそうですね。それはなぜですか。
森:テルメ龍宮とうちが親戚なんです。主人の両親も「テルメ龍宮と同じように源泉かけ流しの銭湯がやりたい」という夢があったのですが、この地で発掘できなくて断念しましてね。それでも夢をあきらめきれず、「だったら、温泉を運んでこよう!」と。
――交通利便性が高い街で温泉につかれるなんて贅沢です。それに、イベントがいつもにぎやかで、遊園地のような楽しさがあります。イベントはいつから始めたのですか。
糸谷彩乃さん(以下、彩乃):平成29(2017)年からです。SNSを始めてからアーティストさんたちとつながるようになり、「ポスター展をさせてほしい」と申し込みがあったり、こちらから「作品展をしませんか」と呼びかけたりして、恒例となりました。
森:私は絵本が大好きなので、絵本作家さんのイベントをする場合が多いですね。
――これまで特に盛りあがったイベントはありますか。
森:これまで5回開催した、アートユニット「tupera tupera」(ツペラツペラ)の人気絵本「パンダ銭湯」のイベントですね。

人気絵本をもとに過去5回開催して好評を博す「パンダ銭湯」。

パンダのオブジェは常設で置かれています。
彩乃:「パンダ銭湯」をすると毎日お子さんがいっぱい。他府県からもたくさんお客さんがお越しになって、大にぎわいなんです。
森:全身にパンダグッズをつけた人や、パンダの着ぐるみ姿でやってくる人もいて、毎回「パンダってこんなに人気があるんだ」とびっくりします。
――人気といえば、人気が高いスタッフさんがいらっしゃるそうですね。
彩乃:「サウナガールももちゃん」ですね。主に毎週火曜日にうちで働いています。普段は関西のサウナの魅力を知ってもらう普及活動をやっていて、ときどき私と「もも&あやののインスタライブ」を配信しているんです。

主に毎週火曜日に出勤するスタッフ「サウナガールももちゃん」(向かって右)。
――では最後に、この記事の読者へメッセージをお願いします。
森:交通が便利なので、休日だけではなく会社帰りなどにもふらりと立ち寄れる銭湯です。周囲は都会ですが、ここは家族経営のアットホームな場所。日頃の疲れを解消して、おくつろぎいただきたいですね。

外へ出ると、すっかり陽が暮れていました。
いやあ、リラックスできた。大阪指折りの繁華街にあって、心ほどける「湯処 あべの橋」。人ごみに疲れたら、大きな浴槽と広い浴室でぐーんと羽を伸ばしてみてくださいね。
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この記事を書いたライター

- 吉村智樹
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京都在住のライター/放送作家です。朝日放送のテレビ番組『LIFE 夢のカタチ』を構成しています。疲れが取れて心がおだやかになる素敵な温泉や湯処を訪ね、皆様へリアルな情報をお届けしてまいります。
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