レトロでオシャレな共同浴場!
[島根県] 御前湯(ごぜんゆ)
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
こんにちは。最近流行の新しくて設備の整った温泉もいいですが、昔ながらの風情ある温泉も魅力的ですよね。今回は、島根県江津市にある、めちゃくちゃレトロな風情のある温泉地、「有福温泉」をご紹介します。
有福温泉の温泉街は、山あいの狭い谷筋にあり、宿と宿がひしめき合うように並んでいて、こじんまりとしています。その間に石段が続く風景が、群馬県の伊香保温泉に似ていることから、「山陰の伊香保」なんて呼ばれているそうです。
レンガづくりの洋館
昔ながらの湯治場らしさが強く残る有福温泉には、3つの共同浴場があります。その中でも一番の人気で、温泉街のシンボル的な存在なのが、この「御前湯」です。大正ロマン溢れるレトロな雰囲気が、心にキュンキュンきます!昭和初期建築のレンガづくりの建物は、アンティークならではの重厚感があります。また、クリーム色のタイルが基調となっていますが、アクセントとして、玄関にはしぶい茶色のタイルを使っているところなんかがとってもオシャレです。玄関や小窓のアーチも素敵ですね!
起源は西暦651年
有福温泉の歴史は古く、起源はなんと西暦651年!1360年以上前から、この地に湧いているそうです。ちなみに、温泉を発見したのは、インドの仏僧・法道上人という方なんだとか。
男女別の内湯
玄関を入り、昔ながらの番台スタイルの受付の左右に、男女別になっている浴室があります。それぞれ内湯がひとつと、いたってシンプルなつくりです。湯船の中心から噴水のように注がれるお湯は、無色透明でさらっとしています。レトロ感のある、少しクリームがかった白いタイルを使用した明るい浴室は、天井も高くとても広々。外観同様、茶色のアクセントタイルや、小窓のアーチがとてもオシャレです。まるで大正時代にタイムスリップしたかのような、なんとなくいい気分にしてくれます。
泉質はアルカリ性単純温泉
この温泉は、無色透明のアルカリ性単純温泉で、嬉しいことにかけ流しで浴槽に注がれています。少し熱めですが、やわらかくなめらかな肌触りのお湯は、カラダ全体をやさしく包み込んでくれる感覚で、スーッと癒されます。かけ流しで、不純物の全くない温泉独特の甘い香りもあり、大満足でした!
レトロでオシャレな雰囲気と、良質な温泉がマッチした、とっても素敵な共同浴場でした。