organic さん
43.8点 / 614件
数年前から温泉の魅力に惹かれて、休日は温泉巡りを楽しんでいます。泉質最重視派ですが、それ以上に気軽に行けて日ごろの疲れを癒せるような温泉を求めています。
男性 | 58歳 | 神奈川 |
指定なし | ||
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一応、住所は弘前市になるようですが、かなり郊外の岩木山の麓にある温泉民宿で、岩木山の眺めが絶景でした。建物はいかにも昭和を感じさせる鄙びた雰囲気、入浴料金は200円と安価、浴室は数名分のカランと7~8人用の内湯のみのシンプルな造りでした。約42~43℃の無色透明なお湯が大量に掛け流されており、アブラ臭、ヌルヌル感と細かな泡付きがあり、成分表には現れない極めてレベルの高い泉質でした。全体的にかなり老朽化が進んでいることは否めませんが、末永く大切に守りたい温泉です。
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下田市のやや内陸にあたる場所にある、歴史を感じる温泉旅館が金谷旅館です。門構えとその周辺の景色がとても重厚で、正直伊豆のイメージと言うよりは山奥の秘湯の佇まいでした。立ち寄り湯をお願いすると、訪れたのが平日だったので700円で入浴できました(土日祝日は1000円)。浴室の扉を開けると、やや蒸気が充満している感じはしましたが、写真で見たものと同様の千人風呂が目に入りました。横一列に多数のカランがあり、それ以外のスペースはすべて浴槽、さすがに千人とはいかないまでも百人は十分入れる広大なもので、建物から湯船に至るまで総檜造りの立派なものでした。大きく分けて縦に二つに仕切られた浴槽は、奥が約1メートルの深さがある立湯、手前が浅い通常の座湯で、入り口側の上流よりお湯が掛け流されていました。また、座湯には3体の金属製の小さな像が飾られており、独特の雰囲気が醸し出されています。お湯は無色透明でマイルドな泉質、注ぎ口に近い上流では42~43℃の適温、下流にいくに従って次第に温くなっていきます。最下流の先にある扉を開けると数人が浸かれる露天風呂もあり、逆に注ぎ口の隣には30℃程度の温湯浴槽もありました。年代を積み重ねた旅館でこれほどスケールの大きな温泉はとても貴重な存在だと思います。
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五浦海岸は茨城県の最北部にあり六角堂で有名ですが、そこに立派な旅館があります。それが正に五浦観光ホテルで、昨年の春以来2回目の来訪になります。大体このような大型ホテルは、至れり尽くせりの設備は整っているものの温泉そのものはハズレであることが多いので、初めての時は全く期待せずに立ち寄りました。受付で入浴料金1000円を支払うと、日帰り客は離れにある眺望露天風呂「大観の湯」へと案内されます。そこに向かう渡り廊下も立派ですが、どうせ肝心のお湯はダメなんだろうな・・・、などと思い露天風呂に出てみると。まず目に飛び込むのは開放的な景色、柵に透明なアクリル板を用いているためお湯に浸かりながら海を見ることができます。そして更に意外だったのは泉質で、適温のお湯はしっかりとしたアブラ臭があり、周りの石にはクリーム色の堆積物が付いていました。しかも大型ホテルでは珍しい源泉掛け流し、良い意味で期待を裏切られました。茨城は有名な温泉地が少ない県ですが、その中でここは突出している感じがしました。
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奥鬼怒温泉郷の入り口にある旅館で、以前に加仁湯等に行った時にはここの駐車場に車を停めて歩きましたが、立ち寄ったのは今回が初めてです。最初1000円の入浴料金は高いと思いましたが、実際に入ってみると決してそうでないことが分かりました。入浴券は何と地方の温泉では珍しいカード式、無人でカードを挿入するとゲートが開くシステム、よくまたこのようなコストのかかる仕組みを導入したものかと思いました(笑)。階段を下りるとまず湯船の配置図が張ってあり、ここで相当広くバラエティーに富んでいることが想像できました。脱衣所は一応男女別になっていますが、目隠しをした狭い場所に棚があるだけの簡素なもの。渓流沿いの露天風呂には大小合わせて10個以上の混浴浴槽があり(女性専用浴槽も2つある)、どこから入ろうか迷います。面白いことに浴槽によって泉質も異なり、更に景観など居心地の良い場所を見つけるのも楽しみの一つです。私が最も気に入ったのは、入り口からみて左側の最も奥にある広い湯船「大黒天の湯」でした。ここは深さが1メートル位あり、すべての浴槽の中で一番温め、硫黄の香りが強く白濁していました。この「大黒天の湯」から離れる毎に硫黄臭が弱くなり、逆に湯温は熱く透明度が高い印象でした。渓流の音色を聞きながら、まるで解放的な野湯に入っている気分にさせてくれる温泉です。
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塩原元湯温泉には3軒の旅館がありますが、唯一未入浴であった元泉館に塩原温泉郷の湯巡り手形を使って半額の400円で立ち寄りました。山の奥深い場所にある割には立派な建物で複数の浴室があるようですが、日帰りで利用できるのは離れにある内湯と露天風呂のみです。別棟と言っても広い脱衣所もあり、カランが5箇所、10人以上は余裕で入浴できる内湯と7~8人用のひょうたん形をした露天風呂があります。もちろんどちらも源泉掛け流し、適温の緑色の濁り湯は細かな白い湯の華が舞い、はっきりとした硫黄臭がありました。pHは約6.5、近くの新湯温泉のように強酸性ではなくマイルドで、肌への刺激もこちらの方が少なく長湯ができます。元湯温泉の3軒の旅館は近くに建っているにもかかわらず各々が個性的な硫黄泉で、レベルの高さを感じました。
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大田原市にある日帰り温泉施設で、長閑な場所の高台にありました。まだ数年前にできたばかりのようで、全体的に清潔感を感じる施設です。浴室の構成は多数のカランと足湯、広い内湯があり、外に出ると一人用のつぼ湯に水風呂、10名程度は入れる露天風呂、それにサウナもあり充実しています。また、地方の温泉には珍しく、別料金で岩盤浴もあるようでした。施設だけを評価してもかなりハイレベルですが、なにより泉質が非常に良い!やや緑色掛かった透明なお湯はアルカリ性、しっかりとした石油臭を感じることができ、少量の泡付きもありました。もちろんすべての浴槽が源泉掛け流し、総合力が高い日帰り温泉だと思います。
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指宿市の住宅街にある銭湯です。カーナビをセットして辿り着いた場所には、「東郷温泉」という看板が掛かった比較的新しい感じの日帰り温泉がありました。事前の情報で超レトロな銭湯であると聞いていたので、もしや建て直されてしまったのでは・・・、と心配したら隣にひっそりと湯小屋が建っていました。向かいの縁側に出ていた管理人さんに入浴料を払い、早速中へ入りました。すると薄暗く、木製の棚、更には写真で見た超レトロな2つの湯船がありました。もうこの景観だけで満点です(笑)。前日に訪れた人吉市の鶴亀温泉とはまた異なった趣で、前者はひっそりと上品、ここは生活観溢れる庶民的といった感じでしょうか。手前の浴槽に入ろうとしたら、先客の老人に「そっちは熱いからこっちに入りなさい」と奥の方を進めてくれました。無色で少しだけ濁り加減のお湯は約40℃と温く、底からどんどん湧出していました。とても気持ち良く、長湯が出来る温泉です。なぜか壁一面に沢山のカレンダーが貼られていたのが不思議でしたが、是非一度立ち寄ってみる価値がある温泉だと思います。
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この日の万座は天候が悪く、雨と凄い霧で本来素晴らしい眺望が全く望めない状況でした。当初は万座温泉で数件をはしご湯する予定でしたが、予定を変更し大本命の豊国館のみに立ち寄りました。万座温泉は大別すると若い人達やスキー客をターゲットにしたいわゆるリゾートホテルと、古くから湯治などで知られている旅館がありますが、ここ豊国館は当然後者にあたります。浴室は建物の一番奥に位置し、内湯は男女別、露天風呂は混浴となります。但し、男湯と露天風呂の脱衣所はドア一つで繋がっているため、わざわざ着替えることなく露天風呂に行くことが可能です。今回はあまりにも天気が悪かったため、内湯のみの入浴となりましたが、露天風呂に入った人の話では内湯より温めで長湯ができるようです。内湯は42℃程度の適温で、白濁した硫黄泉がふんだんに掛け流されていました。浴室の床は木製で、さらに木の枕が一つ置いてあり、そこに横になってゆったりとした時間を過ごしました。正に万座温泉を代表する素晴らしい旅館でした。
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出水市の山奥にある一軒宿ですが多数の人々が日帰り入浴で訪れており、駐車場は一杯でした。浴室は上下2箇所あり、今回は下の湯が混み合っていたようなので、上の方へ入浴しました。浴室には数人用の内湯が1つあるのみですが、無色で驚くほど透明度が高いお湯は温めでいつまでも浸かっていられます。底から沸くお湯と共に、プクプクと湧き出る泡が肌をくすぐる感触がたまりません。泡付きもあり、正に秘湯と呼ぶに相応しい温泉だと思いました。
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人吉市の住宅街の細い路地に存在する公衆浴場で、郡司さんの温泉本でも紹介されており、今回の訪問をとても楽しみにしていました。目の前を車で通っても最初は見逃すくらい目立たない古びた木造の温泉小屋がひっそりと建っていました。14時の開店直後に訪れたせいか、最初から最後まで貸切状態。老婦人が番台に座り、そこから脱衣所が丸見えなのも御愛嬌です。昭和前期のものと思われるレトロな広告がそのまま残されており、木造の鄙びた建物とマッチして正にタイムスリップした気分になりました。やや褐色掛かった透明なお湯には糸くずのような湯の華が舞い、適温で気持ち良く入ることができました。しかし、ここは泉質がどうこうではなく、この鄙びた浴場の存在そのもので満点です。帰り際に、番台の婦人にいつまでもこの浴場を建て直すことなく残して欲しいと話しました。