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旧中山道と甲州街道の分岐点となる下諏訪宿で、かつて本陣宿として栄えた歴史を持ち、諏訪大社秋宮の隣に佇む、わずか9室ながら由緒ある老舗旅館。江戸時代には皇女和宮が江戸へ向かう際に滞在し、明治時代には芥川龍之介や与謝野鉄幹・晶子ら多くの文豪にも愛されてきました。近年ちょっとお休みしてるなぁと思っていたら、2013年に綺麗にリニューアル。日帰り入浴はできなくなったので、日曜日に一泊朝食付で利用して来ました。
この日は、本館2階の「皐月」の間に宿泊。金箔張りの床の間がある、10畳トイレ付の和室です。浴衣に着替え、早速新館3階の大浴場「明神の湯」へ。棚に籐籠が並ぶ脱衣場には、ドライヤーも完備。2面ガラス張りの浴室に入ると、左側に6人分のシャワー付カランがある洗い場。アメニティは、POLAのアロマ系です。窓際に、6人サイズの石造り内湯があり、無色透明の単純温泉(源泉名:綿の湯源泉と旦過第一源湯の混合泉)が満ちています。泉温57.5℃を、加水なし・加温ありで42℃位で供給。PH8.18で、やや肌がスベスベする浴感です。循環濾過ありですが、塩素臭は感じません。口に含むと、無味でほんのり芒硝臭がしました。
続いて、外の露天風呂へ。2人サイズの石造り浴槽で、湯温は41℃位。浸かると山と空だけしか見えませんが、柵越しに旧中山道と諏訪の町並みを望む景色。頬を撫でる風が、心地いい。日が暮れると、星空と夜景も楽しめました。
湯上りに、本館1階にある「上段の間」へ。あの和宮もここに泊まったのかと、参勤交代が行われていた頃に遠い思いを馳せつつ、小堀遠州作の日本庭園を眺めクールダウン。旅の疲れとともに、心まで癒されました。
朝食は、新館1階の個室の食事処で。鮪の山かけ等も付く、品数の多い和定食を頂きます。ワカサギの佃煮など郷土色があるのも良く、シジミの味噌汁が美味しかった。
有料なので今回は利用しなかった貸切風呂に入ってみたり、島崎藤村が「夜明け前」を執筆した「富士の間」にもいつか泊まってみたい。大人が選ぶ、下諏訪温泉の純和風の佳宿ですね。
主な成分: リチウムイオン0.5mg、ナトリウムイオン221.6mg、アンモニウムイオン0.2mg、マグネシウムイオン0.2mg、カルシウムイオン60.3mg、ストロンチウムイオン0.7mg、フッ素イオン3.0mg、塩化物イオン177.5mg、臭化物イオン0.6mg、水酸イオン0.04mg、硫酸イオン366.9mg、硝酸イオン0.2mg、炭酸水素イオン39.7mg、メタケイ酸45.8mg、メタホウ酸19.3mg、メタ亜ヒ酸0.32mg、溶存成分総量941.4mg12人が参考にしています