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投稿日:2015年6月17日
カルシウム膜を破れるのは宿泊者の特権 (花山温泉 薬師の湯)
うーみん(第4管区)さん [入浴日: 2015年4月14日 / 1泊]
55.0点
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55.0点
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44.0点
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55.0点
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55.0点
遂にかねてから行ってみたかった温泉に行くことが出来た。それは関西最強の炭酸鉄泉と謳われた花山温泉薬師の湯である。この温泉は成分が非常に濃くて有名で色々な温泉雑誌やSNSにも露出している。
勿論ゆらん加盟温泉でもあり関西方面に行くのであれば絶対に外せないと考えていたのだ。泉質は含二酸化炭素・鉄-カルシウム・マグネシウム-塩化物・炭酸水素塩泉(高張性・中性・低温泉)で非常に珍しい泉質となっている。又ここの名物は早朝の湯が張りたての時間に現れる温泉水表面に現れる温泉成分の薄い膜だ。その膜を破りつつお風呂に入るのが至福の喜びだ。そしてそれが許されるのは宿泊者のみなのだ。温泉ソムリエである私たち夫婦がこれを見逃すはずはないでしょ。しかしこの施設は物凄い人気で宿泊の予約がなかなか取れない。
たまたまネット上で空いている日があったので程なく予約を入れて憧れの花山温泉薬師の湯に行くことが出来たのだ。
さて、実際に訪問してみるとこのお湯は本当に素晴らしい。湯量も豊富な為湯使いはかけ流しだ。そして泉質名通りに特徴あるお湯の色と味。僕は大抵の温泉水を躊躇い無く味わうことが出来るのだがここの温泉水はエグ過ぎる。一口、口に含んでみると直ぐには飲み込むことが出来ない。おそらく希釈しないと飲むのは無理だろう。
浴室内は源泉かけ流し風呂と加温されてお風呂に分かれていてこの施設では熱いお湯と冷たい源泉に入浴する(温冷入浴法)を推奨している。僕も早速この入浴法を試してみたのだがとても気持ちが良くて疲れが抜けていく感じである。到着してから直ぐに入浴してから夕食を頂いて一休みしてからお風呂に入ろうとしたのだが名古屋から和歌山市までの運転の疲れが出て暫く眠ってしまったら入浴営業時間の23時を回ってしまってその日の入浴は一回だけになってしまった。
浴室営業時間外には浴槽内のお湯を全部抜いて綺麗に清掃をして改めてお湯を張る。これを毎日繰り返しているのでお湯張りたての早朝には温泉成分の膜が出来るのだ。泊り客が入浴できるのが午前6時からで日帰り入浴の営業開始時間が午前8時からだ。つまり午前6時から8時までが宿泊客に提供された至福の時間なのだ。
この日の宿泊客はかなり多くて夕食時には女性客の一人が(温泉の膜を破るには6時に入らないと駄目ですよ)等と呟きながら食事をしていたので翌朝の5時40分頃には一番乗りを目指して浴室に入り口に待機しようと決心した。
さて翌朝5時には入浴の準備を整え予定通りに大浴場に向かうのだが既に常連さん達の声が聞こえてきている。
(やばい、敵さん達は既に行動開始しているぞ)
そう思いながら急いで大浴場入り口に到着したら既に中に入れるではないか。
え・・・・ま・さ・か。温泉膜破られてるか??????
焦りながら脱衣場に入ったらなんと。。
男性客が一人もいない。しかも6時前なのに入って良いらしい。そういえばさっきの常連さんの声は全て女性だったことに気がついた。
さあ、誰もいないのであれば慌てる事は無い。じっくりと膜を破ってやろうではないか。そして湯船に向かうと・・・・・・・・・・・・・・・。
おおおおおおおおおおおおおおおおおお、湯船一面に張り巡らされた温泉成分の膜。こんなのを見るのは初めてだよ。自分の身体にかけ湯をして恐る恐る湯船に身を沈めた。身体に纏わり付く温泉成分の膜は今まで体験したことの無い不思議な感覚。露天風呂に移動する時も膜を余り壊さないようにゆっくりゆっくり移動した。
このお湯の見た目は富山県の日帰り温泉海王や長野県の松代荘にも似ている。そしてこの三箇所の温泉に共通しているのはいづれも市街地にある事だ。このような質の良い温泉に毎日のように入れる地域に住んでいる方々は本当に幸せだと思う。
至福の朝風呂を体験してとても美味しい朝食を頂いてチェックアウトぎりぎりまでのんびりしてこの施設を後にした。12人が参考にしています
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