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ここはチェックインして部屋に案内し、宿の説明をする以外、お客には何のお構いもなし。これが最高のもてなしになっている。もちろん、食事のときは食材の詳しい説明はあり、デザートの好みなども聞いてくる。しかし、ゆっくりとくつろいで欲しい、というのが、宿のコンセプトのようだ。
温泉は50度の源泉を湯量の調節で適温にしている。大浴場は黒御影の浴槽。白い湯の華がたくさん浮かんでいる。その横には大きな岩で囲まれた露天がある。この露天から小国富士と称される涌蓋山がもろ見え。ややヌル目の湯に浸かりながらこの山を見ていると、日頃の憂さなど消えてしまう感じだった。
食事は地のものを使う会席料理で、どれも変化に富み、いい味だった。朝食もこんなにあっていいのと思うほどいろんなものが並び、おいしくいただけた。
「東京からと聞き、この地震で本当に来ていただけるかと心配していました」。チェックアウトのときフロントの係りの人が、何度も連絡を入れてくれたと知り、陰でいろいろと手を打つ気配りに感動したものだ。1人が参考にしています