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投稿日:2009年3月15日
存在してくれていてありがとう (奴留湯温泉共同浴場)
ごんごんさん [入浴日: 2009年3月15日 / 2時間以内]
55.0点
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北里柴三郎記念館の近くにある無人の共同湯。
裏にある駐車場に車を止め、外へ出ると心地良い硫黄のかおりが漂う。
平成10年に建てられた湯小屋は、地元の方がこまめに手入れをしているようで、清潔で快適。入口の木箱に¥200を入れ、ありがたく使わせて頂く。
浴室のドアを開くと、浴槽から洗い場一面に湯が流れていて、その量に圧倒される。
硫黄のかおりは外で感じたよりずっと控えめで、蛇口も変色していない。
設備はいたってシンプルで、内湯のみ。仕切が設けられ、上がり湯と普通の湯船に分けられている。
カラン・シャワーは無く、湯が出る蛇口と水が出る蛇口が2-3ずつあるのみだ。
ここは石鹸・シャンプーの使用は禁止となっている。
丹念に掛かり湯をし、湯船へ。
冬は38度の源泉を加温しているとのことだが、それでもぬるい。40度はゆうに切っていると思う。
運良く貸し切り状態だったので、湯口付近に場所を取り、じっくりと浸かる。
かなりの量の湯が投入されているので、体が押される。その感触を目をつぶり味わう時間がとても贅沢に感じられる。
程なくして、とてもとても細かい泡が全身を覆い尽くす。
付いているかどうか肉眼ですぐには判らないほどの細かい泡。まるで薄布を纏ったような不思議な感覚。そっと撫でてみると、シュワーという繊細な音と共に泡が体から離れていき、少しこそばゆい感じがする。
糸くず状の湯の花が舞っているが、湯船でも硫黄臭はさほど強くない。それよりも、苔のようなかおりを感じ、心地良いぬるさも相まって、九重の福元屋を思い出した。
30分ほど過ごしたが、浴感はさほど強くなく、肌への効果も取り立てて感じられないので、あまり好みの湯ではない。
けれど、そんなことを超越する心地よさがこのお湯・施設にはあった。満点以外の点数は考えられない。
観光客にも利用を許してくださっている地元の方に深く感謝したい。4人が参考にしています
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