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新宮に所用ができ、前泊の必要ができたため宿泊で利用した。ビジネス用のプランではなく、経費+自腹で奮発した。歴史ある宿であり、部屋も奇麗に維持されているもののクラシックな雰囲気である。料理は熊野牛の温泉シャブシャブや温泉湯豆腐・温泉かゆ等、温泉水にこだわったシリーズ。量は多い。
さて、温泉である。露天と内湯が離れているセットとくっついているセットが男女交替。露天にはあまり興味がなかったので、私としてはどちらでもいい。目当ては内湯の「高野槙の湯」と「さまし湯」、さらに「むし風呂」である。内湯は床が総すのこ張りと呼んで差し支えない普請である。全体として木を基調としており、落ち着いた雰囲気をかもし出している。大きな槙の湯は加水かけ流し、さまし湯は源泉かけ流し。湯の峰の源泉は高温のため、手っ取り早く加水で冷ませるか、時間をかけて冷ませるかの2つの手法があるわけだ。加水の浴槽は43度ほどの高温であり、加水ながらも比較的フレッシュな湯が注がれている。鋭く刺すような硫黄の香りが立ちこめ、力のある湯である。また「さまし湯」は40度弱のぬる目の湯であった。こちらは重厚な硫黄臭である。平日ということもあり、ほとんど貸し切りモードだったため、贅沢にも両方を心行くまで堪能させてもらった。さまし湯は、そのサイズから見ても、1人が限度であろうから、相客がいてそれがマナーの悪いタイプだった場合は目も当てられないことになろう。
また、むし風呂は、温泉を用いたミストサウナである。重たい硫黄臭が鼻をくすぐり、えも言われぬ感覚になる。これはどのようなサウナよりも上質かと思われる。
温泉に拘り、温泉と共に歩むClassicalな宿である。風格ある浴室は一見の価値ありと思われるが如何だろうか。2人が参考にしています