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つるぬる度では関西随一との評判の奥熊野温泉、一度入浴してみたいとの念願かない、早速入浴してみた。建物や浴室、浴槽も極めて簡素なもので、情緒のかけらも無いのだが、ここは泉質だけで勝負できる優れもの。手を浸けてみただけで、ただならぬ浴感に圧倒された。小さな浴槽は単なるバスタブで、研修施設の風呂場みたいな素っ気ないものでありながら、注がれている湯は他では経験できないツルヌル度の高い、ローションの如き肌触りである。気をつけないと、浴槽の中ですべりそうになる。
泉質はナトリウム・炭酸水素塩泉で、以前は純重曹泉と称していたもの。オーバーフローしていないとこを見ると、循環であるかもしれないが、消毒臭など無粋なものは一切なし。つるぬるの浴感を存分に味わうことができ、泉質にこだわる人ならば満足を得ることができるだろう。
温泉周辺には、鳥類が沢山飼育され、イヌワシ、大ワシなどの猛禽類と、餌になるのであろう鶏が沢山いた。また、チョウザメや鯉も飼育され、さながら小動物園。尤も、冬場に訪れても寒々として侘しいものだが。
幸い他に客がいないので、貸し切り状態で利用できた。月曜日の午前中ゆえ無理もないか。平日にのんびりと入浴するのがおすすめ。
なお、入浴料金は650円に値上げされている。本来500円であるのだが、中辺路町が平成の大合併で田辺市に編入されたため、入湯税分150円が加算された由。温泉好きにはおもしろくない話だ。1人が参考にしています