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初めて冬場に入浴してみたところ、打ち寄せる荒波が迫力満点で、波を見ていると少々恐怖感にとらわれるほど。二つある浴槽のうち、海に近い浴槽に足を入れてみると、冷たくてびっくり、波が高く、海水が浴槽内に浸入し、湯温が上がらないのだろう。いつもは、ぬる湯のその浴槽でくつろぐところ、今回は内側の浴槽に入浴せざるを得なかった。夏場には熱くて入りにくい浴槽も、こんな寒い折には丁度良い。入浴してみると首から下は熱いのだが、顔は寒い。なにせ、ここはやたらと風が強い場所なのである。
なお、女湯には三つの浴槽があるところ、一番海寄りの浴槽はやはり温度が低く、入浴不可能であった由。
白浜の源泉は、潮の香りがして、いかにも海の湯であるとの実感を覚える。崎の湯は海のすぐ側であることと相まって、潮の香りがまた抜群なのである。それだけでも旅情を感じる。
あらためて内側の浴槽を観察してみたが、浴槽の底や横の部分がカルシウムの白い結晶で、いかにも天然温泉らしい。源泉が注がれる場所はさながら鍾乳洞のようにカルシウムの抽出物の固着が見られ、圧巻である。
激しい波音を聞きながら入浴する、冬の崎の湯もまた良いものだ。0人が参考にしています