-
人の動きもまばらになった夕食時、寺の湯に行ってみた。案の定、中には誰もいなかった。
右の脱衣所で服を脱ぎ、浴室の扉を開けた。浴槽は左右に2つ。左側はパイプから調節されることなく湯が注ぎ込まれ、白濁した湯に手を入れると50℃はあろうか、とんでもない熱さだった。これでは入ることもできないので、湯をかき出し注水した。一方、左側は殆ど濁りのない透明の湯だが、栓をされたパイプからちょろちょろ湯が出ているだけでやや温め、なぜか浴槽の6割程度しか湯が満たされていなかった。
右側がやっと入れる温度になり、入ったり冷ましたりを何度か繰り返した。お湯自体は間違いないものだが、湯量や温度の調節に慌しく、一人だけだったのになんとなく寛げないまま寺の湯を後にした。
また訪れることはあるだろう。そのときは落ち着いて湯を味わいたい。5人が参考にしています