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僕が到着したとき、寺の湯さんのすぐ下の道、日塩もみじラインの路肩にはベンツにキャンピングカーほか普通車3台がくっついて停車されていました。
11月20日の12時すぎ。奥塩原は雨でした。
「へえ」とは思ったのですが、よもやそれがことごとく寺の湯さん目当てだとは思いやしません。ほかの宿目当てのクルマと、みんな思うでせう。ところがあるまいことか、それはみーんな寺の湯さん目当てのクルマだったのです。
湯小屋に入った瞬間、そうと分かりました。単独男性4人。あと、恐らくはベンツの持ち主にちがいないと思われる、刺青の50代男性とその情婦らしい30才くらいの美女・・・。
「おお、そうか、ここたしか混浴だったんだよな」と今更のように思いあたります。最初はそんなシチエーションにいくらか戸惑いましたが、ものの2分もしたらそんな些細なことはまったく気にならなくなりました。
こちらの共同湯「寺の湯」さんは、それくらい素晴らしかった。こちら、白濁した濁り湯です。湯舟は小さいのがふたつ---熱いのと温いのと。硫黄の香りが湯小屋いっぱいにたちこめています。
あと、もうもうたる湯気と、湯浴みのお客全員の満足気な極楽顔ですか・・・。
でも、そうなりますって。ここのお湯、最高っス。柔らかくって、まろやかで、それでいて力強く、いい湯加減、しかも湯の味は草津並みに酸っぱい酸性湯とくるんですから。
湯小屋の木製の屋根を眺めながら、湯煙の流れに身をまかせ、30分くらい恍惚としてましたっけ。天候には恵まれなかったけど、おかがで忘れられない湯浴みになりました。奥塩原のみなさん、こんないい湯を残してくれてて有難う。
あ。例のベンツのやっちゃんさん、見かけによらず非常に礼儀正しく、去り際に着替所の床の掃除をしていったのが印象的でした。(^~^;>4人が参考にしています