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七番・七操の湯は、六番・目洗いの湯から西に数十メートル行ったところにある。七操(〝ななくり〟と読む)とは、7つの病気を治すという意味との説や、7回続けて入れば病気が完治するという意味との説があるようだ。それなら「操」では無く「繰」の字を当てた方がぴったりな感じがするが・・・。
浴室はタイル張りで、湯舟は2m四方の大きさだ。無色透明なお湯が掛け流されているが、源泉の投入はわずかである。源泉は七操の湯で、ナトリウム、カルシウムー硫酸塩・塩化物泉。微かな硫酸塩系の匂いがする。多くの口コミにみられるような湯の花は、何処をさがしても見つからない。湯温は45度ほどだったが、そのまま体を沈めた。溶存物質は1317mg/Lで目洗いの湯より多いが、浴感は逆に軽いと感じる。爽やかですっきりしているとも感じる。私が渋温泉で一番気に入ったのは、この七操の湯であった。
外湯を巡って感じたことは、湯舟周りが狭いということだった。少なくとも洗い場としての十分なスペースは無い。八番だったか九番だったか、「洗髪禁止」の貼り紙があった。洗髪禁止では、生活湯ではあるまい。草津や野沢の共同湯は、地域住民主体の紛れもない生活湯であったが、昔は知らず、現在の渋温泉外湯は、生活湯としての役割は失われていて、泊り客へのサービスまたは観光の目玉の一つという立ち位置なのだろうと思われた。6人が参考にしています