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帰省した際に閉鎖の噂を聞き、ダメモトで訪問してみました。
ひっそりとした場所に佇む子安温泉は、以前から気になっていた温泉でした。茶褐色の濁り湯が静かに満たされた浴槽。資金が無かった為にヒバの雑木で造られたという施設は、その素朴で温かみある雰囲気と落ち着ける空間に癒されます。ちょっと薄暗い浴場に私を含めて3~4人。皆さん静かに静かに身を浸し、この見た目インパクトのある温泉をじっくりと楽しんでいらっしゃる。
私の実家のある栄村・秋山集落にも「楽養館」という茶褐色の名湯がありますが、ちょっと思い出しましたね。
浴感はややぬるめの温度ながら、長湯してしまい後からドッと湯疲れ的な疲労感が襲いました。見た目の湯の濃さからすると湯上がりはベタ付き感がないのですが、暑い夏場は特にじわじわ効いて来るような感覚。時間さえあればゆっくり湯治感覚で味わいたい湯ではないでしょうか。
非加熱源泉の強烈な錆臭さも印象的。近くの山田温泉の大湯とハシゴすればその全く異なる湯の違いを楽しめること請け合いです。
受付のおばちゃんの気さくな対応に心安らぎ、頂いた暑い麦茶を啜りながら閉館の事も伺いました。
やはり遠方から訪問された方に聞かれるようです。
一応、今年一杯ほどの予定で営業されるようですが、場所柄冬の雪深くなる前くらいまで、ではないかと私は思います。
料金うんぬんのクチコミもありますが、私も現在の有料休憩所を無料で解放し、簡易しか無いトイレなどの設備をちゃんと造れば、観光客も更に利用し易いのではと思います。
何よりこのインパクトのある湯が無くなってしまうのは寂しい。
帰り際手を振って見送ってくれたおばちゃんの優しさが忘れられません。
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