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投稿日:2009年9月23日
素朴で暖かい和風旅館 (奥飛騨温泉郷 福地温泉 お宿 宝福屋【閉館しました】)
湯けむり天使さん
[入浴日: 2009年8月27日 / 2時間以内]
44.0点
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55.0点
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奥飛騨温泉郷のなかでも規模が小さい福地温泉、そのなかでも収容人員が最も少ない部類に属する小さな家族経営の旅館である。福地温泉は通常立ち寄り湯がかなわず、温泉を体験するには宿泊を要するが、価格がやや高め、そこでリーズナブルかつ内容あるある宿を検索したところ、この宿が優れものと判断して宿泊予約を入れた次第。この宿だけでも豊富な入浴設備を備えているが、福地温泉特有の「もらい湯」というサービスを利用して宿泊場所のみならず他の宿湯にも入浴できることが魅力である。
家族経営の小さな宿だけあって、一見民宿風の造作、昔ながらの和風旅館である。ゆえに先進設備やバリアフリーに等に期待してはいけない。きちんとトイレ付きの清潔な部屋に泊まれ、内湯・露天風呂・貸切露天等豊富な温泉、加えて飛騨牛などの食材に舌鼓を打ち、価格は民宿並みというまことにコストパフォーマンスに優れた宿なのである。それでいてサービス面で劣ることもなく、若女将を中心に対応はすこぶる丁寧である。食事も特に朝食の朴葉みそが印象的で、これだけでご飯が食べられるほどであった。食事は部屋食でなく食堂に会してとることになるのは料金面を考慮すればやむを得ない。
露天風呂には男女別の岩風呂と、貸切露天があり、それぞれ小さなものだが当然のことながら源泉がかけ流しで利用されている。男女別露天からは北アルプスを望むことができるが、貸切露天はアベック等で利用するこよが大半であるためか、板で目隠しがなされ眺望はきかない。しかし満点の空に星が無数に出ているのを見ることで奥飛騨の旅情を感じる。アクセスは大変だが、この地は雪見露天が最高だろう。温泉は特段の個性はない清明な湯だ。湯温から考えて、夏場での利用より秋から冬にかけての利用が賢明かもしれない。
私はこの宿に宿泊しつつ、夜間に浴衣を着て下駄を鳴らして「孫九郎」さんに「もらい湯」として入浴を乞うた。宿泊するには高嶺の花だがぜひとも入浴してみたい宿湯にもこの福地温泉のシステムを利用すれば入浴が可能だ。この良質な「もらい湯」サービス、さすがに福地温泉には知恵者がいるものとだ思う。通常福地温泉の宿湯は立ち寄り湯不可なので、温泉に入りたければ必ず宿泊しなければならない。見事な相互扶助システムだ。
この「宝福屋」さん、リーズナブルな価格で良質の温泉と食事が体験でき、かつ素朴な家族的雰囲気も味わえるために、お勧めの宿である。0人が参考にしています