-
投稿日:2011年11月27日
鐘の音を聞きながら入る湯はなかなか (日光山輪王寺別院 日光山 湯元・温泉寺)
練馬春日町さん [入浴日: 2011年11月23日 / 2時間以内]
44.0点
-
0 - 点
-
0 - 点
-
0 - 点
-
0 - 点
11月下旬の早朝、いろは坂を上がると奥日光の空気は凍っていた。寒すぎて湯元の温泉街を歩く観光客の姿も見えない。
温泉寺の湯は、今年も11月いっぱいで閉じてしまうと知って、ふらっと行ってみた。お寺に参篭しての入浴は恐山以来。9時から入れると聞いていたが、それより早く着いてしまったので、お寺脇の湿地奥にある湯元源泉へ行ってみた。源泉を保護する大小幾つかの小屋が架けられ、湯気がもうもうと上がっていた。小屋のないところでもあちこち湯が湧いており、これらを見るのも楽しい。
8時半すぎに温泉寺に戻ってみると、戸が開いており、やや早いが入れてもらえることができた。鮮やかな赤じゅうたんの先、薬師湯と書かれた入口をくぐる。早く来た甲斐があって一番風呂に入れた。
薄暗くやや狭い脱衣所から浴室の扉を開けると、蒸気と硫黄の香りの向こうに2メートル四方くらいの浴槽が見えた。浴槽は木材で枠取られ、気持ち緑がかった白濁の湯が湛えられていた。木枠のこぼれ湯がつたう部分は成分の影響を受け、白く変色しているのが印象的。
かなり熱いと聞いていたが、水でうめるほどではなく、寧ろ寒い空気にはちょうど良いくらいの湯温。パイプから注がれるお湯を舐めてみると、苦まずく胃腸に効きそうな味だが、草津のような酸っぱさはなく、成分表をみるとph6.5の中性の湯。万座並みの強い香り、湯の濃さを勝手に想像していたので、思っていたよりあっさりした浴感。外で誰かが鐘を衝く音が聞こえてきた。とても気持ちの良い一湯だった。12人が参考にしています
-