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ここ長湯。温泉街から離れた長湯ダム湖を望む高台に立つ「翡翠之庄」。広大な敷地内に母屋を中心に純和風の建屋が渡り廊下で結ばれ点在する。
どっしりとした茅葺き屋根が懐かしい母屋は、土間に囲炉裏に薪など素朴な温かさを見せる。ここに限っては一本の釘も使っていない建築技法には驚く。離れなどもそれぞれに建築方式が異なり、趣向を凝らした造りは匠の技が光る。木の温もりや日本家屋の良さをはじめ、こだわりを随所に生かしている。
通された客室は長屋タイプ。8畳程のシンプルな造りはごく普通。風呂はもちろんトイレも付いていないが、その分宿泊料金はリーズナブルで納得といった感じだ。
温泉はご存知炭酸泉。「飲んで効き、長湯して効く」という湯は、少々ながら身体に水泡がまとわりつき浴感を味わえる。小ぶりな大浴場は、木の香に包まれるカヤの木造りだ。窓を開ければ半露天、ダム湖を見下ろせ眺めも良い。他で良かったのが小ぶりな家族岩露天である。プライベートでの入浴は爽快であった。他にも内湯の家族湯が豊富にある。
食事だが、敷地内の農園で栽培する野菜や地鶏などの新鮮な素材をアレンジした山里料理。器など含め、地のこだわりを見せており味付けなど程よくボリュームもあった。
立ち寄り湯では数度、訪れている長湯だが、宿泊は初めてであった。そしてこの宿。希望は離れの客室だったのだが、満室で取れなかったので評価はなし。いつになるか分からないが、次回は離れに宿泊し改めて評価しよう。長湯の良宿であった。(06,6月宿泊)4人が参考にしています