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投稿日:2010年8月7日
さらに進化を2 (秘湯の宿 神明温泉 湯元 すぎ嶋)
ほっとくんIIさん [入浴日: 2010年8月6日 / 1泊]
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さて湯浴みへと。
まず湯の華が漂う大きな浴槽で体を温め、そしてひやりとしたぬる湯にじっくり浸かる。この2つの浴槽を行ったり来たり。夕食前に時間にして1時間以上はほぼ浸かりっぱなしで湯浴みをしていたことになる。
温かい湯からぬる湯へと。すると体の奥底まで湯が染み入ってくる。その湯に浸かりながらあわせた手のひらをやや丸めて弱めの硫化水素の香りを閉じ込め目を瞑り嗅ぐ。静かに触覚嗅覚を駆使して湯そのものを感じ楽しむ。さらに浴槽に響く水の音、風の声、湯に映る夕日の光。じっくりとぬる湯と戯れてまた湯の華混じりの温かい湯に浸かり体の底から深いため息。美しくなんと幸せな時間!訪れた時期が良かったこともあるが、人がほとんどいない密かな時間をしばらく過ごすことが出来た。この内湯に浸かっていると露天などどうでも良くなってくる。なんと食事の時間が疎ましかったことか。先に予約したため貧乏性の私は夕食後貸しきり露天も入りはしたが心のどこかでこの内湯に後ろ髪を引かれていた。
この感覚は日帰り入浴では味わうことは私には無理。まして人が多くてはこの静かで神聖な時間を過ごすことは不可能に近いだろう。あくまでも個人のルール。でもなんらかこの駄文から伝わるものがあれば幸いに思う。
夕食時に女将にぬる湯が源泉から引いてきてそのまま出しているという話を聞いた。湯そのものをできるだけ加工しないで提供することは昨今のお役所仕事の中で大変な努力と相当の工夫があってのことであろう。
また私自身いろいろな所へ行って成分重視もしているが、ここへ来ると湯浴みというものはそれだけではないと教わったような気がする。確かに高スペックでもないしインパクトある湯でもない。新鮮な湯と言葉は例えそう思っていても内情を知らないものにとっては所詮まやかしの言葉。だからあえていうというととても素直で繊細な湯というのか。
また私自身誇れるほどの経験をしてきたわけではないが、このかすかな硫化水素の香りが如何にはかないものかを学んできてはいる。それは温泉を愛し様々な経験値を積まれて来られた先輩諸氏ならきっと分かっていただけるものではないかと思う。
それ以外、あれこれ推測で述べることは慎もう。
2つの浴槽は両方とも上部流入口から浴槽へ湯が落ち、オーバーフローによって側溝へと流れ排水溝へ吸い込まれていく。
浴槽底面には水抜き用の栓があるのみで、排水しているものは全く無い。
また湯の華だけを残しながら、髪やら皮脂やら織物繊維などだけを除去して循環させる仕組みがあることを私は知らない。19人が参考にしています
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