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奥会津を流れる大川渓谷に潜む湯野上温泉。日中は久々訪れた大内宿など観光、天候にも恵まれたせいか良い散策日和となった。
温泉郷のそのほとり、緑に埋まる斜面に立つのが、今宵初めてお世話になった「藤龍館」である。
自然と渓谷美に恵まれ、桜の花にも出迎えを受けた、建屋が映える玄関ロビーは1階に位置する。客室などへは階下に下がっていく構造の館内は、華美に走らず白木の清々さに包まれる風雅な和的空間は、とても居心地が良いのだ。
花風月のフロアからなる客室は、全て離れ形式のような佇まい。それぞれの館が重なって連なり、木立に見え隠れするように風情を醸しだしている。
記帳ともてなしを受け、通された客室は8畳2間のスタンダードタイプだ(風の館)。和の気品漂う佇まいは、間取りが横に広いしつらえのため、とても開放感がある。広縁からは居ながらにして渓谷の眺めを楽しめると思うのだが、階上の客室だったため少し覗き込むような感じだけど、のんびりと寛げる。
また、和服(浴衣)の着付けにと昔風に言えば姿見が置かれたスペースもなんとなく落ち着ける。他、水周りも快適でシャワートイレに和式のトイレを2ヶ所設け、木風呂の内湯は湯が張られた状態は嬉しい限り(笑)。
温泉はアルカリ単純泉。肌触りが良く、掛け流しの湯が注がれる湯船が2ヶ所あり、それぞれに温度差を設けている。ヒバ造りの浴舎に滑りにくい(笑)十和田石の床の大浴場は、渓谷の眺めを取り込んでいる。
大浴場に併設されていない露天風呂は一段下がった所にある。渓谷に張り出すように造られているので眺めはまずまず良く、中央を岩積みで仕切っているだけだから混浴とも言える湯船だ。自然と一体感を楽しみながらの湯浴みは格別であり、とても風流にも感じられた。
ちなみにアメニティも一通りは揃っていて、脱衣場を含め清潔感があったのも好印象だったかな。
朝夕客室で戴いた食事もなかなかのもの。新鮮な素材と山深い土地柄の山菜など品よく調理された懐石膳。先付けをはじめ、炊き合わせや造りなど海の幸も使用している。もちろん福島牛の石焼きも付いてますよ(笑)見た目も繊細な盛り付けで上品な器に盛られ運ばれてくる一品一品は、質、量ともバランスよく、味付けも私達には程よい内容だった。
特に印象強かったのが、朝食で出された米(ご飯)とても美味しく戴けた。土鍋で出されたと思うのだが・・。忘れた(笑)
また、湯豆腐に味噌汁をはじめ、少しずつ器に盛られた惣菜なども美味しく見逃せない。ともあれ美味を堪能でき満足だった。
客室など建坪約1000坪にわずか12室なのか、とても静かに過ごせることができた。スタッフの方々の対応もよく、いい距離感を保つことができたのも好印象。久々の会津、そしてこちらの宿、共に満足満喫できたのである。
宿を後にし、会津若松を散策、序々に北上(笑)次の宿泊地へと向かった。1人が参考にしています