-
ホテル浦島はまだ湯巡りをする前に一度宿泊で利用した事がありました。当時はまだ温泉に興味のなかった私にでさえ強く印象に残るほどの個性の強い硫黄泉でありましたので、是非再訪したいと思っておりました。
入浴できる浴場は前回は六つでしたが、山上館専用であった「天海の湯」にも入れるようになっていました。
七つの浴場に21の浴槽(男性用)があり、24の源泉から温泉が供給されるという圧倒的なスケールでありながら、各浴槽ごとに少しづつ泉質が異なっていて温泉巡りを楽しめます。泉質は大きく分けると白濁の湯・緑がかった白濁の湯・透明に近いくらい薄い白濁で湯の花たっぷりの湯・薄い緑で透明の湯の4種類があり、どの湯も浴感は特徴が薄いが、硫黄泉らしく強い硫黄の匂いと塩味+苦味+たまご味のすばらしい湯でした。
旅館の風情や食事やサービスなど温泉以外を重視する方にはお薦めしませんが、温泉を目当てに行くのであれば関西ではここに勝る所はないと思われます。私の訪れた温泉の中では白骨温泉泡の湯旅館(長野県)とホテル祖谷温泉(徳島県)に続いて三つ目の評価の星を六つ付けたいと思える極上の温泉です。
※画像は本館5階客室の眺望です。
①忘帰洞
大きな洞窟の中に五つの浴槽があり洞窟の外は海で太平洋の迫力ある荒波を見ながら入浴できます。五つの浴槽は全て白濁の湯でありますが、濁りの濃さは各浴槽ごとに少しづつ異なっており、透明度20cmの濃い白濁から透明に近い薄い白濁までいろいろな濃さの浴槽がありました。湯の花は濃い灰色の大きな湯の花が少し舞っていました。洞窟と海と白濁の湯の調和がすばらしく、深い感動に包まれます。ホテル浦島に来たなら絶対にはずせない浴場です。
②滝の湯
浴槽は内湯2つと露天2つで、計4つあります。内湯では壁の岩組みからまるで滝のように源泉が注ぎ込まれていました。湯は透明度20㎝の白濁でした。
③玄武洞
ここも洞窟内の温泉です。忘帰洞に比べると小規模であるが洞窟内壁が天然の岩肌なのが良い。浴槽は2つあり、海側の浴槽は夜に入浴した時は透明の湯であったが、翌朝に入浴した時は緑色+白濁の大変美しい色になっていました。時間の経過に伴って湯の熟成が進むという天然温泉の不思議を体験できました。湯の温度はややぬる目でした。奥の浴槽は透明度20㎝の白濁の湯で、浴槽から大量の湯がざばざば溢れていて気持ち良かった。白い湯の花が少し舞っています。湯温は適温です。
④磯の湯
内湯のみで浴槽は2つです。手前の浴槽は薄い緑色で透明の湯です。硫黄泉には2種類あり、遊離硫化水素の白濁の湯(硫化水素型)と硫化水素イオンの緑色で透明な湯(単純硫黄型)がありますが、手前の浴槽は後者であります。白い湯の花が少し舞っていました。隣の白濁りの浴槽と比べると硫黄臭はやや弱く、味覚は苦味が強かった。手前の浴槽は適温であるが奥の白濁の湯はややぬる目でした。
⑤狼煙の湯
露天のみ浴槽2つ。山の頂にある為眺望がとても良い。ここは絶対に明るい時間に入るべきです。岩風呂は底が透けて見える薄い白濁で、白く細かい湯の花と黒く大きな湯の花が多量に舞っていました。まさに大乱舞といった感じであり、これほどの湯の花はなかなかみれません。湯の花好きの方には必須の一湯です。木の浴槽は透明度20㎝の白濁湯です。
⑥なぎさ元湯
露天のみで、主浴槽1つと4つの樽風呂があります。主浴槽と樽風呂の1つは透明度20㎝の白濁湯です。樽風呂3つは緑色がかった白濁湯(透明度20㎝)です。玄武洞の海側の浴槽よりは薄い緑色でした。勝浦港側の景色が見渡せます。
⑦天海の湯
昔は「山上館」の宿泊者専用であったが、今は誰でも入浴できます。内湯1つのみの浴槽には底が透けて見える程度の薄い白濁の湯が張られており、白と黒の細かい湯の花が舞っていました。1人が参考にしています