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奈川温泉の元湯、野麦荘です。宿の外見から判断して他の温泉に行く方もいるでしょうが、見かけで判断してはいけません。元湯というだけあって泉質は本物、温泉の分かる人におすすめです。宿に着くと玄関脇に趣のある飲泉所があり、飲んでみると強烈な味、柔らかいサイダー感と、鉄と土を混ぜたような濃い苦味。一緒に行った友人はまともに飲めませんでした。玄関を入っても受付に人がいないことがあるので、声を掛けると、人の良さそうなおじさん、おばさんが暖かく迎えてくれます。浴室に入ると、内湯には源泉かけ流しの湯があふれ、排水溝に音を立てて流れています。また温泉の析出物で浴槽は茶色に縁取られ、その脇には、なんと薄い千枚田が付きはじめています。長野県内で千枚田を見れるのは大変貴重、何年か経てば立派なものに成長するかもしれません。湯は湯口では無色ですが、浴槽では薄茶色に変化、湯が新鮮なせいか析出物ほどの茶色にはならず、足元が見えるくらいです。また気泡も体に付いてきます。泉質はナトリウム炭酸塩泉とありますが、これらの特徴、湯の効用、成分から考えると、旧泉質名で言えば重炭酸土類泉ではないでしょうか、県内では大変個性的な温泉です。入浴料は400円、日帰り入浴は19時まで。シャンプー、ボディソープ有り、ドライヤー無し。冬は温泉好きなスキー客が立ち寄ります。施設は鄙びていますが清潔に保たれています。奈川周辺の温泉では断トツの良泉です。
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