-
泉質は含硫黄重炭酸土類泉(低張性・中性・温泉)であるため浴槽に析出物が付きやすく、白い析出物が露天ではかなり厚く、内湯では薄く堆積していました。湯船が白くなるので白船温泉と呼ばれていたのが、白骨温泉に変わったそうです。
広々とした混浴大野天風呂の水色+白濁(30cm)の湯は大変美しい色で、まわりの苔や木々の色との相性も大変良く最高の風情を醸し出しておりました。この浴槽だけで毎分800リットルの掛け流しである。湯の表面には白い湯の花が多量に浮いていた。浴槽の内側は湯の花の堆積のために白くなっていた。湯温は低めなので長時間入浴が可能である。大変風情ある佇まいの中で強めの硫黄の香と豪快に注がれる源泉の湯音に包まれて、この湯に入れて良かったとしみじみ感じました。
しかし、ここの良さは混浴大野天風呂だけではありません。源泉は一つであるが、利用の仕方によって三種類の鮮度の違う湯を楽しむ事ができます。内湯は昔の湯治場的な雰囲気で大変味わい深く歴史を感じさせる浴室で、非加熱浴槽は37℃の源泉を加熱する事なく、湯中より空気にふれないように投入されており、最も鮮度が高くわずかに青みがかかったほとんど透明の湯で、湯の鮮度が高いため肌に多量の泡付きがあります。湯の花は白い糸くず状のものが漂っておりました。大きくない浴槽に毎分200リットルの掛け流しであり、多量の湯がザバザバあふれていました。中性泉のため肌ざわりはわずかにツルツル感がある程度であるが、控えめではあるが温泉らしい肌ざわりだと感じた。この浴槽の湯が泉質では最もすぐれており、何とも気持ちの良い湯であった。
内湯非加熱浴槽の横には小さめの加熱浴槽があり、毎分60リットルの掛け流しであり、42℃くらいの適温に加熱された湯で、夜に入浴した時は浴槽の底が透けて見える程度の薄い白濁であったが、翌朝入浴した時は湯の熟成が進んだため底が完全に見えなくなるほど白濁が濃くなっていた。湯が熟成によって変化する様を見る事ができるので、可能であれば宿泊で利用される事をお勧めする。
心のこもった一流のもてなしのできる旅館であり、満足度は最高レベルであった。9人が参考にしています