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念願の野沢温泉共同湯巡りをしてきました。雪がすごくて当初の予定よりは回れませんでしたけど。とりあえず大湯へ。雪の中の威厳ある佇まいは圧倒されます。「湯屋」と呼ぶにふさわしい美しい伝統建築。見ているだけで感動を覚えます。掘っ立て小屋みたいな共同浴場を見慣れている身には驚きです。
この雪で野沢温泉の町はスキー客でいっぱい。温泉だけ入りに来たなんていうのは少数派です。大湯に着いたのは2時頃で、まだ地元の人はいませんでしたが、若い子がひとり、ぬる湯の方に入っていました。男湯からは「ああっちー!」と若い男性の悲鳴が聞こえてきました。彼女の連れのようです。
脱衣所と一体になった浴室はぬる湯とあつ湯に別れています。あつ湯は最初から断念。お湯に触ってみましたが到底ムリ。とにかくぬる湯を何度もかけ湯。水がチョロチョロと出ていたので、そのそばにそーっと体を沈めます。ジンジンと心地よい湯の刺激。入ってしまえばだんだん慣れてきます。腐った卵のような(嗅いだことないけど)硫黄臭が浴室全体に立ち込めています。高い天井。湯気がもうもうとした中の人影のシルエット。いい匂い。歴史を刻んだ浴場全体に漂うこの神聖な雰囲気は他ではなかなか味わえません。
湯船の淵でひと休みしていると、欧米人と思われる女の子がひとりで入ってきました。しかも慣れた感じでかけ湯をしています。この町は外国人スキー客がとても多く、中にはこのちょっと気難しい共同湯に親しんでいる人もいるようです。年も違う国も違う者同士が黙ってお湯の熱さに耐えている、静かで不思議な時間でした。11人が参考にしています