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初めから大湯は最後と決めていました。
野沢温泉の外湯巡りを締めくくるのは絶対にシンボル大湯でと・・。
今回のお宿、さかやさんの隣に位置する大湯、二日間の間に何度その前を行き来したことでしょう。
午前10時過ぎ、重厚な湯屋造りの扉を開けると、もうもうと篭る湯気の中に、
射し込む光はあれど人影はありません。
脱衣棚の脇に濃い緑の湯を湛えた二つの浴槽。
手前のぬる湯にそっと手を入れてみると、熱いけれどうめずに入れるきれの良い湯加減です。
静かに浸かれば湯の花はあまり見えませんが、不思議なほど深い緑色。
硫黄の香りを深く吸い込みゆったりと高い天井を見上げる至福のひと時。
飲泉用のコップで飲んでみると、えぐみの少ない割と飲みやすいお湯でした。
熱湯のほうは、手だけ浸けてみましたがすぐに入れる湯温ではありません。
もう湯もみ板と格闘する体力は残っていなかったので、ぬる湯をゆっくり堪能しました。
今回時間の関係で中尾の湯と新田の湯には入浴できませんでしたが、
それ以外のほとんどの共同湯を貸し切り状態で利用させていただけたのは、
紅葉の時期を過ぎスキーの時期が始まる前と言う空白の季節だったからでしょうか。
夜や朝の街を歩いても人気のない寂れた雰囲気でしたが、
静かに湯巡りを楽しみたい方には11月下旬は良い時期かもしれません。
残念ながら多くの源泉の明確な違いを感じられるほどの技量は持ち合わせていませんが、
湯温の違い、湯花の色・形・大きさの違い、そして何より湯屋の造りや雰囲気の違いを感じながら、
さらにつまみ食いや買い物を楽しみながら、素敵な湯巡りができました事、野沢の皆様に感謝いたします。1人が参考にしています