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以前は箱根といったら湯本の「一休」というのがほとんど定番だったのですが、最近はなんかもう安くて、もっと地元に密着している感じの、ちっちゃな共同湯に自然に足が向いちゃうようになってきました。
ここだけの話、共同湯っていいですよお(^。^)/
箱根だとさしづめ宮ノ下の「太閤湯」、湯本・旧道の「弥坂湯」、あとこちらの「姫乃湯」さんなんかがもっぱらのお勧めですか。どの共同湯さんもお湯がいいし、風情もあって、まったりと落ち着けますヨ。もちろん、お金をかけたほかの施設みたいにショーアップはされてませんが、温泉ってもともとこんなものだったんじゃないのかなあ。温泉の原風景ってやつですか。僕がこのごろやったら共同湯に魅かれるのは、シンプルな共同湯にそんな要素を感じているせいかもしれません。
さあ、僕が「姫乃湯」さんをはじめて訪れたのは、10月の18日のことでした。こちら、目安の看板も道路から見えにくいし、駐車場もちょっと奥にあるんで、知らないひとはまあ来れないでせう。でも、こちらのお風呂はとてもいい。風呂場のまんなかにま~るい中くらいの湯舟がぽつりんこん。折からの昼の光を浴びて、お湯がきらきらと耀いてます。綺麗です。入ってみると肌触りも香りも、むう、極上。ああ、じんわりと疲れがほぐれていきますねえ・・・。
と、知らないおじさんにふと「旦那、旦那」と話しかけられました。僕がしきりに湯舟のお湯で顔を洗っているのがよくないというのです。「だって、不潔でしょ。どんな奴が入ってるか分からないんだから」というのがおじさんの言い分です。おじさんの言い分には賛成できなかったけれど、年配の目上の方なんで「ああ、どうも。わざわざ・・」なんて曖昧に答えていたら、おじさん興に乗ってきて、いや、話すわ話す・・・。六十代の筒井康隆似の、いくらかニヒルな元職人さん。なかなか離してくれなくて往生しました。面白かったけどね。
「姫乃湯」さん、良かった。
このあとの午後、僕は湯本の共同湯「弥坂湯」に寄って、さらに箱根・共同湯ツアーと洒落こんでみるのでありました。17人が参考にしています