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明治創業で、百歳に近い建物は風格十分である。特に玄関廻りとピカピカの床は素晴らしい。ただ、逆に言えば、この旅館の魅力はそれに尽きる、いやそれだけであるように感じた。泊まらなくても、日帰り入浴するか、玄関先から覗くだけで十分かも知れない。
部屋の中や、大浴場はリニューアルされており清潔であるから、古さを心配する必要はない。しかし、特色に欠ける。食事がまたいけない。別室でゆっくりいただけるし、味付けもまずくはない。しかし、驚きがまったくなく、値段からするとあまりにも華やかさに欠ける。また、全ての料理があらかじめ並べられており、後から持ってくるものが一品もないというのは、今時信じられない。
従業員の感じは良く、伝統を持っている宿なのだが、もう少し値段を安くするか(1200円~1600円で、今回は16000円で宿泊)、食事を工夫するかしないと、私は人に薦めきれない。
近くへ来ることがあれば、一見の価値はあると思うが、一泊の価値は評価が分かれるだろう。
最後に注意点を二つ。いくら館内がリニューアルされているとはいえ、廊下などはさすがにすきま風も入ってきそうなので、冬はよした方がよいと思います。また、風呂はきれいだが、かなり開放的。男湯は、内湯も露天もほぼ丸見え。女湯も露天の一部が、いくつかの部屋からは少し見そう。男性はいいと思いますが、女性は気をつけて入浴してください。3人が参考にしています