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恐竜全盛時代に堆積した砂や粘土が固結してできた岩石から湧出した源泉を利用するという触れ込みのスーパー銭湯。「西浜御殿の湯」と名付けられた、ナトリウム・塩化物強食塩泉である。
白亜紀に堆積した岩から湧出する地球の自然からの恵みということを強調しながら、徳川御三家ゆかりのネーミングに、論理必然性がないように思うのだが、そんなことに文句を言っても仕方がなかろう。
他のユーバス系列と同様に、白湯のみの利用と天然温泉利用との料金差別化がなされ、白湯のみであれば340円の銭湯料金で入浴が可能。白湯浴槽は大きめの主浴槽があるのみで、単調極まりなし、せっかく和歌山まで足を伸ばしたのだから780円の天然温泉を堪能できるコースを選択した。
結構奥行きのある構造になっており、天然温泉は内湯の岩風呂の造りであるジャグジー、同じく内湯のつぼ湯、加えて露天風呂の3ヶ所に注がれている。サウナも通常の乾式サウナに加え、塩サウナも完備、水風呂も2ヶ所あるのが有難い。奥には薬湯の類の浴槽もある。設備はかなり豊富である。また、小さな露天エリアに寝転んで休息できる場所が設営され、のんびり過ごすことが可能。スーパー銭湯としては十分な設備を有していると判断してよいだろう。
ただ、天然温泉浴槽すべてに塩素消毒がなされ、塩味は残存しているものの、無味無臭の循環湯となっている。循環湯でありながらそれなりのツルヌル度を有しているので、源泉は良いものであろうに、塩素処理が残念。大きな浴槽では循環はやむなしとしても、せめてつぼ湯あたりに、源泉かけ流しを採用できないのだろうか。堺にあるユーバスでは、源泉の個性を生かした浴槽が設置され、源泉の良さを味わうことができるのに、こちらではすべて塩素混入循環湯、残念だ。0人が参考にしています