-
2006/05/13入湯。
重要文化財に指定されている木造4階建ての建物の中にはいると、内部もやっぱり落ち着いた和の空間でした。決して新しくはありませんが、磨き込まれた長い長い木製の廊下を足下をキシませながら浴室に向かうのは、とても風情があり楽しい経験でした。
浴室は7~8人程度の内湯(推定39℃)が1つと、カランが5(シャンプーと固形石鹸あり)。露天(推定38℃)は5~6人程度のものが1つ。どちらも加水・加温なし(11月~5月の間は気候に応じて加温もあり)の源泉かけ流しです。
湯質は「ますや旅館」から2~3軒上にある共同湯「有乳湯」とほぼ同じで、ほのかな硫黄臭にややツルスベ。ただし、不思議なことに「有乳湯」では見られなかった湯の花がかなり浴槽内に舞っていました。
一浴のみの立ち寄りだったのですが、昼時という時間帯だったせいか、貸し切り状態で快適に湯浴みができました。みなさん料金の安い「有乳湯」へ行かれるのかもしれませんが、あそこには残念ながら露天がありませんので、混雑を避けてゆっくり露天風呂を楽しみたい方はこちらを選択するのも良いかもしれません。
大広間と廊下を区切ってある障子1つでも、何十枚もの張り替えが必要なのだろうなと思うと、近代建築の旅館が増えてしまった現代で、これだけの木造建築を維持していくのは大変な苦労だと推察しますが、ぜひこの日本情緒溢れる「作品」を後世に残して貰いたいと思います。
湯に関しては私の好きな「ぬる湯の掛け流し」ですから文句がありませんし、加えて建物と風情が素晴らしいです。映画「卓球温泉」の舞台となった場所ということで卓球場ものぞかせていただきましたが、入り口のドアに「ピンポン室」と書いてあるのも泣かせます。総合的に見て満点をつけても良い宿だと思います。ぜひ一浴をお薦めします。
※今年中には泊まりがけで再訪したいと考えています。画像のようなつづら折りの木製廊下など、今のうちに見て、踏みしめておかないと数10年後には絶滅などという事態にならないとも限りませんから。11人が参考にしています