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ぴょんぴょん舎の冷麺工房、道の駅あねっこを経て、秋田の生保内エリアに入った。水沢温泉よりも乳頭温泉寄りにあると思っていたので、多少迷った末、秘湯を予感させる砂利道の先にようやく駒ケ岳温泉を見つけた。
9月半ばというのに東北一帯で真夏日が続いている。森の中の一軒宿は田沢湖畔より3~4℃は涼しいものの、それでも日中は暑く感じる。幸い角部屋『山桜』にはエアコンが備え付けられていたので助かった。
宿には内湯、宿泊者用露天、試験営業中の新浴舎の3つの浴室があった。現在、宿と新浴舎を結ぶ渡り廊下が建築途上にある。浴室まわりには、温泉特有の香りが漂っている。
3つの浴室のうち、個人的には新浴舎が最も気に入った。当然ながら清潔で広々しており、木材や石材のバランス、色調も良く、露天も併設されている。湯は焦げた硫黄のような独特の重々しい香りを放っている。
宿の人によれば、内湯は加水しているのに対して、新浴舎は100%源泉なのだそうだ。その違いのせいか、湯の花が内湯と新浴舎ではまったく違う。内湯の湯の花は顆粒状で湯床に沈殿し、歩くと舞い上がって湯舟が真っ白になるが、新浴舎には糸くず状の長さ5cmくらいはあろうかというおどろおどろしい湯の花が舞っている。初めて見る人はゴミが漂っていると誤解してしまうかもしれない。お湯を口に含んでみるとはっきりと硫黄泉特有の味が感じられた。駒ケ岳温泉の湯は保湿効果のあるメタケイ酸を比較的多く含んでいることから、普段あまり温泉に執着しない家内が何度も湯に浸かっていた。
結果的に、内湯はあまり利用せず、殆どを新浴舎ですごしていたように思う。露天は夜中に星を見ながら寝そべっていたが、新浴舎にも露天はあるので、日帰り客も同じ雰囲気は味わうことができる。
夜8時頃に宿を出て、姉妹館の鶴の湯に行くエクスカーションも良い。小一時間ほどの滞在だが、名物旅館の白濁露天風呂を楽しめる。6人が参考にしています