-
毒沢(どくさわ)温泉は岡谷インターで降りて約10分。3軒の宿があるが、神乃湯はいちばん奥。手前の沢乃湯もなんかボロい共同浴場みたいな佇まいでよさげだった。沢乃湯を過ぎると山道だ。けっこう急でガードレールもない山道を登って行って木立に隠れるようにして建つ温泉宿に到着。秘湯を守る会のちょうちんが見える。いやあなかなかいい雰囲気です。玄関を入ると土間があり現役の薪ストーブが片隅に。古民家を活かしておしゃれに改装した宿です。なにはともあれお風呂へ。お風呂は渡り廊下の先にあります。
浴室は大きな窓から見える緑に囲まれ、ちょっとした半露天のような開放感。ほどよい大きさの浴槽には茶色く濁ったお湯が揺れています。お湯に浸かると鉄っぽい匂いと硫黄っぽい匂い。ちょっとサラスベ感。源泉は冷たいので沸かしていますが、右に小さな湯船がありここに加温なしの源泉が。この湯船には飲泉用のチョロチョロと流れる源泉が注ぎ込まれています。
まずは飲んでみる。うううっすごくすっぱい!そのうえまずい。へんな味。男女ともに貸切状態だったのでダンナに「飲んでみた?」と声をかける。そんなにまずくはないと言う。そうかね。そしてその源泉に入ってみる。湯船が小さく隣から「お前入れるか」と失礼な声。
身を沈めると、うーん冷たいけどじわじわ気持ちいい。ぴりぴりもする。酸性湯というと草津や蔵王みたいに白濁のお湯というイメージなので鉄っぽくてサビ色の酸性湯なんて初めてで妙な感じ。でもなんだかすごく効能がありそうであったかいお湯と交互にだいぶ長湯してしまった。
湯上がりに渡り廊下の竹製のベンチに座って涼んでいると、風鈴がチリンチリンと鳴って木立からの風が当たり気持ちいい。9月だと言うのにまだ30度以上ある猛暑日。でもここは別世界、、、。ああいいお湯でした。
畳敷きの休憩スペースでうちわを使ってひと休み。開け放たれた窓の外は緑の木々。ゆったりまったりのすばらしい湯上がりです。一画には仏壇?のようなものが。板張りの洋間にはジャズが流れています。作務衣を着た男性がウロウロしている。ここの主人のようだ。あのジャズの部屋は彼のセンスなのかな。
自遊人のクーポンにて無料。15人が参考にしています