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立地条件は、まさに秘湯の宿にふさわしいものだった。冷鉱泉の沸かし湯というのだが、鉄分を多く含むためか、その茶色の色がなんともいえない感じを醸し出している。横に小さな湯船が付いていて、これが源泉浴槽。湧出温度が2度というのだが、身を入れると肌が切れるように冷たい。
加温の浴槽で10分近くも体を温めて入っても、同じ状態。とても全身をつけられず、腰まででギブアップした。
食事は結構工夫されていて、海のものがないのが、秘湯の宿にふさわしかった。ただ、玄関のところに祭壇があり、夕刻僧侶が祈祷をささげるのが、気になった。宿の繁栄を祈るのであれば、人目につかないところでするのが、宿の常識ではなかろうか。その光景を嫌う人もいる。その点はいただけないと思った。
更に、隣の部屋の音が筒抜けに聞こえるのは気になる。一番高い料金を取りながら、これでは満足はできない。ここは若い人たち、特に女性が多いのが目に付いた。それらの人にはよくても、年配者にはどうかな、というのが偽らざる気持ちだ。11人が参考にしています