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白良浜の海際にある共同湯。白浜の共同湯には質素極まりない建物もあるが、ここは比較的立派な二階建ての建造物である。浴場も二階にある。券売機で入浴券を購入し、番台の人に手渡すシステムで、昔ながらの銭湯形式。番台にはあまり愛想のよろしくなさそうな男性が座っている。
共同湯ゆえ、脱衣場も浴槽も街の銭湯よりは小振りだが、それでも浴槽は結構広い。男女の仕切り壁に沿って長靴型の浴槽が鎮座、ライオン口から少々熱めの源泉が注がれオーバーフロー、立派な掛け流しである。ただし、源泉は熱いので、加水されており、ここでは自動温度調節装置が働いている趣旨の記載がある。従って、湯は希釈され、純然たる源泉かけ流しではないものの、湯そのものはかなり強い塩味を示し、湯の花が浴槽に舞う結構なものである。白浜特有の塩の湯だ。
窓から外を見ると白良浜を眺めることができる。窓を少々開けると涼しい風が浴室内に入り込み、快適であった。食塩泉は身体が暖まるのでどちらかというと冬向きだ。脱衣場の横に、ベランダのごとき場所が設けれれており、ここが涼をとるスペースらしい。
夏休み、海水浴の季節にはさぞかし利用者が多かろう。今回は平日それも月曜日の午前中に利用したために、地元のご隠居が数人入浴されているだけだった。300円でこんな良質の湯に毎日入浴できる身分の人が羨ましい。
なお、脱衣場にノートの如き物が置いてあり、感想を自由に記して欲しいとのこと。私は中身を見なかったが、女湯にあるノートにはかなり辛辣な内容が記載されているらしい。尤も、それは温泉そのものへの批判でなないようだが。一度そのノートを見てみるのも面白そうだ。3人が参考にしています