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何回経験しても、初めての宿に宿泊の電話を入れる時は少々緊張するものですが、ここ「吾妻屋旅館」の電話応対はとても気持ちいいものでした。決して特別な内容ではないのですが、そう言いたくなるほど、あまりにも多くの宿が電話での第一印象をなおざりにしていると思うのです。
また珍しいことに、この宿では事前に宿、および近隣観光情報等のパンフレットを送ってくれ、ここでも宿の高感度はかなり上がります。
実際の宿・温泉も充分期待に応える内容で、随所に創意工夫の跡が見られました。
個人的に嬉しかったのが、布団上げ下げのセルフサービス。一部の湯治宿では行われていますが、まだまだ少数派。寝ようが寝まいが、すぐ傍らに布団が敷かれているだけで何故か安心する、とても有り難いサービスです。
夕食には米沢牛のタタキ・鍋などが登場し、ちょっと贅沢で満足の内容。山奥の一軒宿としては充分過ぎるものでした。
肝心の温泉も飽きることのない充実ぶりで、個々の個性もさることながら、男女入替を上手に利用して全ての浴槽に浸かる充実感も得られます。
最も気に入ったのが「滝見露天風呂」。コンパクトな露天風呂の目の前に滝が迫り、開放感でも他の露天風呂に全く引けを取りません。個性的な「根っこ風呂」ですが、道内にも同様に木をくり抜いた露天風呂で有名な「銀婚湯」があり、比較するとやや物足りない内容でした。また、混浴の「眺望露天風呂」は底が滑りやすく非常に危険。日によってコンディションに差はあれど、私が利用した状態であれば、間違いなく転倒する人がいるはず。「滑ります」の表示を見ていてもなお危険なのだから、できることなら下り口に手摺状のものを設置したほうが良いのでは?
ともあれ、温・食・住、バランスの取れたいい宿でした。あとは13,450円(一人宿泊)を高いと感じるか、安いと感じるか・・・。6人が参考にしています