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肌に油膜が出来そうな、まったりとした浴感。茶褐色で、やや熱めのほのかなアブラ臭漂うお湯。これこれ! これこそ喜連川だ! と歓喜いたしました。
朝8時前から20人以上の地元のお年寄りが待ち、「おはようございます」と挨拶を交わしています。皆さん顔見知りのようです。私は少し遅れて受付をしましたが、地元の方は回数券か割引券みたいなチケットで入浴されているようで、いたくスムーズに入れました。券売機で300円の入浴券を買い、おばちゃんに渡します。
露天風呂だけの施設ということでどうかな? と思っていたのですが、脱衣所から見るその入浴風景はいかにも地元の共同浴場といった雰囲気で、ほのぼのとした空気に溢れていました。
静かな山あい、木々と岩に囲まれて、心地良い時間が流れていきます。地元民の会話の中、トンボも飛ぶような初秋を感じることが出来、一緒にこの露天に浸かることへの幸せを感じました。
今年の一月に初めて喜連川を訪れた時に感じた暖かさ、素朴な人柄にいたく感激しました。名前もさくら市に変わることだし、桜の満開の頃にまた来ようと思いつつ、ズルズルと10月になってしまいました。
今回再訪して思ったことは、私好みの泉質の素晴らしさ。そして、この地のお年寄りが本当に温泉を楽しんでいる、その生活への憧れです。すぐ隣にグラウンドがあり、同じように朝から車が続々とやって来るので気になっていたんです。風呂上りに「野球かな?」と思い、見に行ったら、ゲートボールでした(笑)。この方達も、おそらく後でこの露天風呂にやって来るに違いないと思いました。
那須や塩原などと比較するのはおかしいけれど、今のまま、ひっそりとした温泉場であって欲しいと心から願っています。
喜連川、私の大好きな土地です。7人が参考にしています