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角間温泉は湯田中・渋の温泉街からも、以前の志賀草津道路(路線バスが走っている道)からも外れているため、湯田中温泉郷の中でも最も静かな環境にあり、鄙びた趣のある温泉地になっています。このあたりだけ時間の流れが緩やかなのではないかと錯覚します。ゆったりと過ごしたい方にはもってこいの温泉ではないでしょうか。大湯の前が小さな広場のようになっていて、それを囲繞するように数軒の宿と1軒の商店が立ち並んでいます。ちなみに角間大湯には、この1軒だけの商店、黒島商店で鍵を借りて入ることができるようです。
蓮如上人の発見と伝えられる古い歴史を持つ温泉地で、かつては林芙美子、古川英治、武田泰淳、壺井栄、横山大観らが訪れました。温泉地の奥に林芙美子記念館があり、越後屋の敷地には吉川英治の文学碑が建てられています。また、安代温泉「安代館」所有の旧横山大観別荘(夏場、安代館に泊まるとここで食事ができます)もこの一角にあります。
「ようだや」は角間大湯のすぐ横に建つ宿です。木造3階建ての黒っぽい建物は時代を感じさせてくれます。お風呂は男湯の方がやや広いようです。タイル張りの清潔なお風呂です。温泉地、宿、お風呂とどれをとっても風情があります。楕円形の浴槽の一角に黒いごつごつした石が配してあり、その途中からお湯が流れ出しています。そのお湯がさほど大きくない満たし、溢れだした湯がタイルの上を流れて行きます。何とも言えない贅沢なひとときです。
お湯は無色透明で、少し硫黄臭があります。口に含むと塩味がします。肌触りは滑らかで、浴後はさらさらとした感じになります。ただし、ここの湯はかなりの高温です。熱い湯が平気な私も、何度も攪拌してから入りました。伴侶の方は加水したようです。
昔から「脚気の角間」と呼ばれていたそうですが、最近になって、アトピー性皮膚炎に効果があるとテレビで報じられ、遠くからわざわざ入りに来る方も多いとうかがいまいした。ちなみに、角間温泉は「ようだや」以外の宿、越後屋、高島屋、福島屋旅館でも立ち寄り入浴が可能です。3人が参考にしています