-
川湯温泉は大塔川沿いにいくつもの民宿が並び、その一角に公衆浴場がある。小さな建物で、赤い温泉マークが印象的。温泉マークを見るだけでテンションが上がる私が変なのかもしれないが。
素朴な共同湯の佇まいであるため、脱衣場には脱衣籠があるのみかと想像していたが、ちゃんと鍵付きロッカーもあるのには感心した。100円が必要だけれど、リターン式であるのが嬉しい。観光客への配慮が見られる。
浴室は小さなもので、タイル張りの浴槽が一つあるのみ。なんら凝った設備など無く、ただただ温泉が浴槽に注がれているのみだ。この素朴さが、共同湯の醍醐味でもあるので、私などは最近このような施設こそが貴重なものだと考えるようになった。
泉質はアルカリ性単純泉で、無色透明、一見無個性な湯であるものの、香り立つ硫化水素臭がこれまた結構なもので、湯量豊富で清明な源泉が豊富に浴槽に掛け流され、オーバーフローしているのを見るにつけ、有難さを実感する。
川湯温泉と言えば仙人風呂がまず頭に浮かぶけれど、このような素朴な共同湯もまた優れもの。仙人風呂は季節が限定されるが、ここなら年中入浴可能であるし、泉質も満足できるものである。個性豊かな色付き・味付きの湯もよろしいが、清明で一見無個性でありながら、何も加工されていない純然たる天然温泉をかけ流しで堪能できるこの施設に、私は大いに満足した。
なお、料金は200円から250円に改定されていますので念の為申し添えます。3人が参考にしています