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投稿日:2011年11月24日
お湯をいただいてきました。感謝。 (泉薬湯(せんやくとう) 温泉津温泉元湯)
ツーリング for 湯~さん [入浴日: 2010年3月15日 / 2時間以内]
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建物中央が番台となっていて入り口から男湯、女湯が分かれている。
この元湯の斜め向かいには、およそ築100年の木造3階建ての「長命館」があり、
元湯の付帯施設として現在まで多くの湯治療養客の宿泊を受け入れてきた。
中に入ると建物の古さがよくわかるが、きれいに手入れされ、情緒たっぷり。
そして、浴室に入ると、写真で何度も眺め、一度は必ず来たいと思っていた念願のお湯が!
ここのお湯は「熱い」と聞いていたが、この日の湯温は「ぬるい湯」で45℃、「あつい湯」は48℃。
「ぬるい湯」の方で、なんとか入れるものの、数分で湯から上がり、体を冷ます。
そしてまた入る。これを何度も繰り返す。
他にいたおじさんたちは時折、「熱い湯」にも入っていた。
「初めての人ではこっちは無理やで」と言われた。
まったくその通りで手と足をちょっとつけただけでギブアップした。
ここのお湯は、加水、加熱、循環しない源泉掛け流しであることは、言うまでもなく、
「冷却」すらしない。
しかも、泉源が浴槽から2~3メートルのところにあり、泉質が老化せず、
新鮮な活性物質の豊富なお湯が注がれている。
その源泉もボーリングやポンプアップもしない自然の力で地底から時間をかけて
じっくり湧き出てくる「自然自噴湧出」。
そのため自噴湧出量に見合った浴槽規模を維持し、この温泉街にある8軒ほどの
旅館などにも一切、分湯していない。旅館の宿泊客もこの元湯か
もうひとつある源泉の「薬師湯」という共同湯に足を運ぶのである。
そして、ここの浴槽の見た目がすごい!
地上に出た温泉成分の一部が空気に触れ、酸化し、淡茶褐色に変化する。
これが鍾乳洞の鍾乳石のように浴槽の縁や床に附着し、堆積する。
場所によっては、堆積岩のようになっている。
この元湯の玄関脇にはこのような温泉成分が堆積してできた「湯の華石」が飾ってある。
実際に、ここのお湯に入ってみて、
湯力というのか、今まで経験したことないほどの強いパワーを感じた。
お湯に浸かっているときに感じる心地よさは、まさに極上♪
全国屈指と言われるこの泉質には、感動した。
泉質は、含土類食塩泉(緩和性、等張姓、高温泉)だが、
その含有される多種多様の成分の構成バランスが非常に良く
薬湯としての総合的効能を著しく高めていると言われている。
湯治温泉としての長い歴史の中で、これまでに数々の科学的研究分析もされ
放射線による障害、原爆症、神経痛、リウマチ性疾患に対する卓効が
理論的に裏付けられているようである。
この素晴らしい泉質を持つお湯が今もこの地に維持されていることに
不思議な気持ちや驚きを感じたが、ここにおいてあった資料を読んで納得・感心した。
「湯治・保養の温泉で大切なことは、恵まれた泉質を如何に変質させないで、
次の世代に贈る、ということである。
そのためには、自然湧出の源泉・薬湯としての泉質を護らなければならない。
温泉は天与のものであり、未来の人のものでもある。
温泉の湯治療養としての公益性・福祉性を忘れてはならない。
湯治・保養の温泉経営は社会事業である。
これを経営理念とする」とあった。
なんと素晴らしい経営理念であろうか!
しかもそれが理念だけにとどまらずしっかり実践されていることがさらに素晴らしい!
また、浴室内には
「温泉は自然の恵みです。その恵みに感謝してお湯をいただきましょう」
と 掲示されていた。
番台のおばさんもとても気さくでいろいろなお話を聞かせてくれた。
また、浴室内で出会ったおじさんたちもとても優しく、
その人たちとの会話も心地よいもので楽しかった。
ここの人たちが、みな、この自然の恵みに対して、感謝の気持ちを持ち、
「お湯をいただいている」
と心底思い、その恵みをこれからもずっと大切にしたいという気持ちから生じる優しさではないかと思えた。
私たちもこんなにも素晴らしいお湯をいただけて感謝!
この温泉津温泉には、もうひとつの源泉があり、そこに「薬師湯」という共同湯がある。
その建物もこの元湯の斜め向かい側。
こちらはまた異なった泉質を味わえる素晴らしい温泉。
私たちはこの後、そちらでも入浴することにした。12人が参考にしています
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